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夢追人  作者: 北西みなみ
第二話
12/175

牢屋にて 1 計人

サブタイトルのみ変更。


やっと天界内に入りました。まともに入ったのか、と言われると答えられませんが。

「こちらにお入りください」


そうして入れられた場所は、椅子が一つ申し訳程度に置いてあるだけの、牢屋というより狭い小部屋のような場所だった。


とはいえ、窓には格子があり、扉も内側から開かない様になっているが。


美奈とは離され、それぞれ別の部屋に閉じ込められてしまったことになる。


「さて、どうすっかなー」


椅子にぷらぷらと座って呟いてみるものの、特に何か出来そうなことがあるわけではない。この状態で一体何が出来るかを考え……。


――やっぱ無謀すぎたか?


あっちに戻って、他の夢追人探して頼む、とかした方が良かったかもしれない。


うちの世界に、他に夢追人がいるのかすら知らないが。


流石に、連行された先に梨亜がいて後はなんとかなる、とは思ってなかったが、この状況に、少し早まった真似をしたという思いは禁じえない。


はぁーっとため息をついていると、下から音が聞こえた気がして、そちらを向いてみる。


――なんだ? これ。


椅子の脚を、ネズミがトントンと前脚で叩いている。


思わずつまみ上げて目の前に持ち上げてみると、ネズミが鳴いた。


『ケェト』


……まて。まてまてまて。


落ち着け、俺。


流石に違うだろ。


確かにあいつは色々ぶっ壊れてるし、多芸多才で変わった特技なんかも沢山持ってるが、いくらなんでもネズミにはなれねーだろ。


あれだ、罠だ。俺に情報吐かせようとしてるんだろ。俺は騙されねーぞ。そうだ、脅しには屈しねぇ。でも、俺らから聞かなきゃなんねーような情報なんてあるのか?


聞き覚えのある声で話すネズミにパニックになっていると、ネズミはつままれたまま暴れもせず、器用に首を傾げて聞いてきた。


『ケェト、大丈夫?』


……。うん、違う、と、思いたい。


が。


長年の付き合いで、これが本物かどうかが分かってしまう自分がいる。


――本物、だよな。


言い方、表情、この動じなさ。どうみても美奈だ。ちまっとした感じも、まっすぐ見上げてくる瞳も、人間の美奈にそっくりだ。まぁ、そもそもネズミの表情なんて分かるのかよ、と自分に突っ込みを入れたくなるが、何故かこのネズミに関しては分かるのだから仕方がない。


認めたくはないが、事実は受け止めねばならない。例えそれが、十年来の幼馴染が人外なのかもしれないのかもしれなくとも。


微妙に痛むこめかみを押さえ、さらば常識、と黄昏つつ答える。


「この短期間にダイエットしすぎじゃね? 美奈」


ネズミがあははっと笑った。


『流石にダイエットしただけじゃ、こんなに姿変わらないよー』


知ってる。

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