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夢追人  作者: 北西みなみ
第二話
11/175

警告と拘束 2 計人

サブタイトルのみ変更。

「北って……、北のどこですか? 投獄とはどういうことですか?」


美奈が、呆気に取られたまま思考停止した俺の代わりに聞く。


「『北』というのは凶悪犯罪者の入る牢のことです。ここに入った者は、殆どが獄中死を遂げることとなります」


ごくちゅーしおとげる。ゴク チュ~ 塩 トゲる。ごく中止をとげる……。あ、獄中死を遂げる、か。


…………。


「はぁ!?」


脳みそがやっと理解に追いついた途端、思わず叫び声が口から漏れる。


「何故梨亜ちゃんが、凶悪犯罪者になったんですか?」


「さぁ?」


「教えてください。お願いします」


「存じません。国に甚大な被害をもたらす地界人を不当に連れ込もうとした、とかではないんですか?」


ちろり、とゴミを見るような目で見ながら言われて納得する。


――最初から、こいつらが喧嘩腰だったのはこれか。


俺ら自身が、凶悪な犯罪者 ――連れてきた者を『北』なんて場所に放り込む程性質の悪い―― だと思われていたのか。


ふざけんな! とわめき散らしたいが、相手は武器持ち大勢で、こちらは丸腰二人。更にいえば片方は非力な女だ。


しかも、こちとら現在右も左も分からない状態なのだ。


どうすればいい? 何が正解なんだ?


一つ間違えると、ここで殺されかねない、というプレッシャーに、考えれば考えるほど頭が真っ白になっていく。


「私達が連れて行かれるのも『北』、なのですか?」


「いえ、地界人は普通の牢で十分ですから。――合流して何とかしよう、というのは不可能だとお考えください」


「私達が、今からでも帰るといえば、解放されますか?」


「本来は無理ですが、おとなしく帰り、二度と来ないと約束するならば、見逃しましょう」


「そうすれば、梨亜ちゃんは牢から解放されますか?」


「それはお答えしかねます」


「出られないということですか?」


「さぁ? お答えできません」


まるで、出来の悪い生徒に言い聞かせるように繰り返す。


これ以上聞いても無駄だ、と判断したか、


「ケェト、どうしたい?」


特徴のあるイントネーションで、美奈が呼ぶ。


「そっちこそ」


「私は……。一人で残る」

「却下」


すぐに否定すると、分かっているかのように頷く。


「ん。どっちがいい?」


「まぁ、ここで『はい、さようなら』は無理だろ」


一応、仲間が連れ去られたって状態なわけだしな。


「危険だと思うよ」


「あぁ、これ以上ないほどな」


「何も出来ないかもよ」


「出来ないかもな」


こちらの意志を確認するようにじっと見つめてくる大きな瞳に、こちらも負けじと見つめ返す。


やがて、ふぅ、と瞬きをした美奈が言う。


「なら、捕まろっか」


こちらも、一応返事の分かった質問をする。


「俺一人残るってのもあるんだぞ?」


「や」


「ミナ?」


「お願い」


両手を組んで、上目遣いにじっと見つめてくる。


どうやら本気らしい。自分の身が危ういのに、それでも梨亜をおいてはいけない、と決めているようだった。


通常ではあり得ない反応に、一瞬ここがどこかを忘れて、確認したい気持ちになるが。


――さすがにそれどころじゃねーか。


「分かった。気をつけろよ」


「うん」


美奈の返事を聞いて、周りに相対する。


「おとなしく、連行される。――今はな」

あれ?まだ天界に入ってないな。

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