不吉な知らせ 梨亜
ここからは怒涛の展開なので、一気にいきます!
長いけどついてきてね!
何せ、エイプリルフールの嘘っこ話だったもんで、その日の午前中に全部書いておかないとならなかったのですよ。
その知らせは、昼休みも終わろうかという時、突然もたらされた。
「あれ?」
鳥谷副隊長からだ。
「ん、どうした? 梨亜」
言いつつ、端末を横から覗き込む計人。
『大至急、心を残さず合流してください。場所の指定を願います』
「何だこりゃ?」
首をかしげている計人に、周りを見回して ――美奈がいないかを確認して―― から言う。
「美奈に内緒の話があるってことだけど。もう少しで授業よね? 後じゃ駄目かしら」
そういいつつ、ピコピコと端末を操作する。――それにしても、何があったんだろう?
「うーん、本当に急ぎみたいだから行ってくる。具合悪いのでちょっと休みますって言っておいてくれる?」
「了解」
計人と別れ、アリバイ工作も兼ねて保健室へと向かった。保険医の先生は、隔日勤務なので今日はいない。先客がいないかを確かめていると、計人がやってきた。
「言ってきたぞ」
「ありがと。もうすぐ授業始まるでしょ? 早く戻った方が良くない?」
「俺がいちゃいけねぇってのは言われてないんだろ? だったら俺も聞く。具合悪いお前の付き添いするって言ってきたから平気だろ」
言いながら、後から誰も入れないように鍵を掛けている。そんなこんなの間に、副隊長が姿を見せた。
「いきなりすみません。……五十嵐さん?」
「いえ、ご足労ありがとうございます副隊長。計人も聞きたいというんですが、構いませんか?」
「そうですか。……はい、構いません。むしろ助かるかもしれません」
但し、とこちらに向き直り、念を押される。
「すみませんが、この件は山口さんには内密に願います。――それから、隊長もまだご存知ないということでお願いします」
つまり、本当は知っているということか。
「それは、隊長への報告をしていないということでよいですか? それとも……」
計人は何だかよく分からないという顔をしている。
「はい。隊長への報告は、正式決定後に行われることになっております。従って、隊長はそれまでの間はご存知ありません」
「そして、私達が知るのは更にその後のはずである、ということですね」
「はい」
隊長不在で忙しいはずの副隊長が、態々こんなことまでして私に伝えたいことって……。私は、嫌な予感に身震いした。
「お二人とも、くれぐれも落ち着いて聞いてください」
副隊長は一旦息をついてから話し始めた。
「山口さんの処遇が決定しました」
「はい?」
処遇が決定? だって、まだこれといった監視成果がでていないのに?
「山口さんは、天界への帰化もしくは死亡による記憶洗浄を科せられました」
「はい!?」「はぁ!?」
「お静かに! ……これは天界での行動及び能力を鑑みた上での決定となっております」
「そんな! 議会は、美奈が自分を守る力すら発動できない取るに足らない人物だという話になっていたはずです! 隊長の監視もそろそろ打ち切ってもいいのではないかと言われていたのに、何故!?」
「それが……。三番隊とは別に、秘密裏に監視を決行した者がおりまして、その殆どは隊長が気付いて上手く誤魔化していたのですが、一名、偶然美奈が力を使うところを目にしてしまったものがいたのです」
その一件が報告され、それを受けて美奈は危険であり、取り込めないようなら殺すという騒ぎになってしまったらしい。
「美奈は……。もし天界にいけば、その後は干渉されませんか?」
恐る恐る聞いてみると、重々しく首を振って言われる。
「天界へ赴いた場合、恐らくですが死罪となるでしょう」
「山口さんの入っていた牢の壁の『記憶』を見られ、山口さんが分身を使って外に出ていたことがばれてしまいました」
どうやら、無機物の『記憶』を吸い上げたらしい。
――あれは、生まれつきの才能と膨大な力が必要で、やることによる代償もでかいため、実行されることは稀なのに。




