糾弾 梨亜
「梨亜ちゃん! お帰りなさい、大丈夫?」
教室に戻ると、美奈……と、床に正座している女の子達がいた。私を閉じ込めた犯人達は、美奈の言葉に俯いていた顔をがばっと上げると、口々に謝ってきた。
「ごめんなさい!」
「悪気はなかったの!」
「少し困らせたいって思っただけで、こんな大事になるとは思ってなかったの。許して!」
一体何があったの、これ。
呆気に取られた私に構わず、美奈は、にっこりと笑ってゆっくりと諭すように告げる。
「一人は一応謝ってるけど、あとは謝ってないよね、それ」
視線を向けられ、びくんと縮み上がったのも意に介さず、にこにこと笑いながら続ける。
「人をいきなり呼び出して、それでもちゃんとお手伝いしようとしてくれた人を倉庫に閉じ込めておいて、悪気がないってのは、元がよっぽど性悪ってこと?」
「そ、それは……」
「それに、外への連絡手段をわざわざ奪った挙句、鍵掛けてつっかえ棒まで念入りにしておきながら、当人達はそのまま帰ろうとしてたのに、大事にならないって本当に思えるの?」
「………」
黙り込んでしまったのを見て、美奈は真面目な表情になって話し始める。
「ねぇ、真っ暗な中で梨亜ちゃんの頭に荷物が崩れてたらどうなってたと思う?」
「……それは」
「梨亜ちゃんが帰ってこないと警察沙汰になって、鍵の掛かった倉庫で血まみれで発見、という事態だったとしても、貴方達は同じことを言えるの? 許せなんて言えるの?」
「で、でも、そん「ないと言えるの? 暗がりの倉庫で高いところの荷物を取ろうとしていた梨亜ちゃんが、全く怪我をする可能性はなかったんだ、と、怪我しない様に対策は取っておいたのだというのなら、何をしたのか教えてもらえる?」
責任逃れの言い訳ではなく、事実を述べるように言われ、皆俯いて黙ってしまう。それでも美奈は、追及の手を緩めることはなかった。
「例え、倉庫内で怪我をするとは考えられない状態になっていたとしても、閉じ込められてパニックになった梨亜ちゃんが外に出ようとして手を傷めたり怪我したりって可能性だってあるんだし、中で発作が起きて倒れたのに助けが呼べなかったとかだったらどうするの?」
怒って人を責める美奈なんて、今まで見たこともない。
いつもの可愛い美奈に戻ってほしくて横でむっつり黙っている計人の腕を引っ張ってみるが、美奈を止めようとはしてくれず、反対に手をぽんぽんっと叩かれて宥められる。――いや、握っていてくれなくても平気よ。
手を離そうとすると、視線は女の子達から外さないまま腕を引かれ、三人からは計人の後ろに隠れるような位置に移動させられる。……あれ、ひょっとして計人さん、あなたも怒ってマスカー?




