警告と拘束 1 計人
サブタイトルのみ変更。
梨亜が連れ去られて数十分。
取り留めのない会話で時間をつぶしていたが、なかなか戻ってこない梨亜に何となく落ち着かない気分にさせられる。
こちとら、何も分かんねー場所でじっと待ってなきゃなんねぇってのは性に合わねーんだ。さっさと戻って来い、梨亜。
そんなことを考えていると、どこぞから人がやってきた。
何となく物々しい雰囲気だな、と思っていると、真っ直ぐこちらに向かって近づいてきたかと思うと、目の前で止まる。
何だ何だ? と眺めていると、一人が前に進み出て、
「すみません、あなた方は結城梨亜の連れてきた地界人ですか?」
と聞いてくる。違いますよ、と軽く返せそうにはない雰囲気だ。
嫌な予感しかしない展開に、美奈の表情も硬い。
「……そう、ですけど」
「お帰り願えますか?」
いきなり言われた端的過ぎる言葉に、思わず聞き返す。
「はぁ?」「――はい?」
聞こえなかったのか、とばかりにもう一度繰り返される。
「お帰りください」
高圧的な態度に、むっとする。普通、理由位言ってくるもんじゃねーのか、マナー悪いなこいつ。
「まだ、目的地についてもいねーんだけど?」
「梨亜ちゃんを待っているんです。ここには、いても構わないのですよね?」
俺らの返答を受け、丁寧に聞いた美奈の言葉は無視して、嫌みったらしく首を振りやがったそいつは、
「そうですか、帰る意志がありませんか」
実に残念だ、とわざとらしいため息をつくと、後ろを向き、高らかにこう告げた。
「警告に従わず、国に押し入ろうとする地界人を連行しろ!」
「ぁ?」「はい?」
いきなりの展開についていけず、思わず声をあげている間に、取り囲まれる。
「待ってください。私達はここにいるだけで、勝手にどこかへ行くつもりはありません」
一応、美奈が正論を訴えてみるが、当然そんなものが通じるわけもなく。
「ご同行願います」
四方を囲まれ、武器を向けられながら宣言される。
――ひとまず逃げるか、係のおっちゃんに帰してもらうか、いっそ蹴散らすってのもありか。
不穏なことを考えていると、それに気付いた美奈がぷるぷると首を振って、腕に手を置いてくる。
――止めた方がいいってか。
頷くと、美奈が周りの奴らに答える。
「分かりました。但し、梨亜ちゃんが戻ってきたら、私達の居場所を伝えるようにしてください。」
「そうでなければ、ついていくことは出来ません」
はっきりとした宣言に、片眉をピクリと動かし、相手は告げた。
「結城梨亜は、北に投獄されました。従って、戻ることはありません」
……はぁ? 何言ってんだ、こいつ。




