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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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ひずんだ力

サニーお嬢様の巨大な光の玉に勇者が挑みます!

魔力。


数百年前の魔獣との戦で多くの魔導士が犠牲になった。

魔導具を作り出す魔導技術士も戦場に駆り出され、魔導について記した書物も焼け落ち、足跡をたどることも困難を極めた。

それゆえ、現存する魔導の知識は不完全であり、使用される魔導具も戦火を免れた初歩的なものが多い。

技術が同じなら、優劣を決めるのは力と数の差。


何の意味も無い貴族同士の小競り合いの為、多くの命が半ば実験のような扱いを受けた。


より強力な魔力を持った子を産み出すために。


それは「人化の腕輪」と同じ運命をたどる。


「人化の腕輪」の反動は人の容姿にランダムに獣の特徴が入ること。


人為的に魔力を強化した反動は、「適正」などお構いなしに発動するひずんだ力だった。


---


僕はもえから「ザ・シード」を受け取り、「ザ・シード」の解析により最適解となるであろう形状の武器を手に入れた。


それはサイクロン掃除機にしか見えなかったが、僕は何のためらいも無くエネルギーの濁流にノズルを突っ込んだ。


トリガーを引いた瞬間。


エネルギーの濁流が掃除機を通じて僕に流れ込む。


それは「情報」であった。過去から繰り返されたおろかな過ち。悲鳴とも嗚咽ともつかない何かが一気に流れ込み。


僕は意識を失う。


---


気がつくと、先ほどの部屋の中ではない場所。


僕の目の前に誰かが立っている。


いつもの「境界の地」では無い。目の前の人物が十六夜おもらしではないからだ。


目の前の人影は女性のようだった。ぼんやりとした体のラインはやわらかな曲線で構成されていた。


彼女は僕に鍵のようなものを渡し、姿を消した。


僕の意識はもう一度途絶える。


---


目を覚ますと、見知らぬ少女が僕を覗き込んでいた。


いや、このもっさりした髪型はサニーお嬢様だろう。


「あなた、私に何をしたのですか?」


突然何を言い出すのだ、この子は。


起き上がろうとしたのだが、どうやらお嬢様が馬乗りになっているようで無理だ。


微妙な部分に乗られていてちょっとあぶない。


お嬢様は僕の目の前に煮炊きに使う火種を起こす魔導具を突きつける。


100円で売っている細長いアレにそっくりだが、燃料をいれる部分などはない。


紫電塊しでんかい!」


また、例のプラズマ球を出そうというのか!こんな目と鼻の先でやられたら!


しかしビー玉ほどの光の玉が生み出され、そのままシュンと消える。


「先ほどからこのような調子なのですよ。あなたが何かしたのでしょう!私の体に!」


物騒な単語が出てくる。そうだ!あの侍女の人!


見れば侍女の人は気を失っているらしく、椅子にもたれかかってぐったりしている。


僕は見たままをお嬢様に伝えた。


---


「一時的な魔力切れかもしれない?そんなはずはないわ!」


部屋から溢れんばかりの光の玉に魔力を吸い取られていたと説明したが、本人は納得していないようだ。


魔導の練習中に気分が悪くなったことは記憶にあるという。


僕が「学校」で、攻撃魔導を使ったことを強く注意したのを気にして、自分なりになんとかしようと練習をしていたようだ。


押し問答を続けていると、お嬢様の仮住まいのドアがやや乱暴にノックされた。


アパートの管理人と名乗るおばちゃんが鬼の形相で立っていた。いや鬼だあれは。


めぞん漆黒である。


---


「住む場所が無くなるとは…」


お嬢様が気落ちしている。


あのプラズマ球が出ている間、安普請のアパートがずっと不気味なゆれに見舞われ、恐怖におののいた住民から苦情が来たという。


とりあえず手荷物だけを持って、お嬢様と侍女は夕闇迫る城下町へほっぽり出されたのだ

そもそもお嬢様がアパート暮らしというのも変な話であるが、そのあたりは後で聞こう。


この時間になると、どの宿も満室に近くなる。


ゆうべはおたのしみでしたね!という例の目的で使われる場所も、料金案内の火が消えている。


一箇所宿に心当たりはあるが、「こえのかんだかいねじゅみー」がうろちょろする食堂にこのお嬢様が耐えられるか心配である。


「がはははははは!」と豪快に笑う精霊のもてなし亭のおばちゃんは元気だろうか…。


消去法で僕の「自宅」が残った。


「もしよかったらうちに」


「私にまた何かするの?」


「いや、何もしないから!」


「まぁ、いいわ。案内しなさいよ。勇者様の家に」


ぐー。と、おなかの虫のほうがいい返事をする。


---


姫さまは「また犬を拾ってきたのね」というおかんの目で僕を見る。何度目だろう。


玄関先に新入りの犬を見るべく、ぞろぞろとギャラリーが集まる。とりあえずは夕飯を食べてから考えよう。


お嬢様と侍女の人は何が起きたのか把握できていないようだ。


「ソネッタさん、お夕飯を二人分追加できますか?」


「大丈夫ですよ、エイトさま!」


何気なくポケットをまさぐると「鍵」が出てきた。不思議なことに熱を帯びて震えている。


あの時の鍵だろうか…。


鍵の使い道は次回くらいに!

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