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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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「規格外(ノンスタンダート)」

「ひめたべラジオ第十一回放送 」

エ「ひめたべラジオ11回目、そろそろネタがなくなってきた感じもするけれど、アイリスとエテルナがお送りします!」

ア「ゆうしゃー聞いてるかー?」

エ「アイリスちょっと声大きすぎ!もうすこし小さい声でもいいのよ」

ア「・・・・・・・・・」

エ「それじゃ小さすぎよ!このままお便りの紹介に移ります。ラジオネーム「メガネのエル」さんから。「そろそろ私にも活躍の場を!掛け算ならまかせろ!バリバリ」」

ア「おー!掛け算はまだそんなに習ってないから、エルフさんに教えてもらおうかな」

エ「アイリス、この場合の掛け算は違うのよ」

…ぽしょぽしょ

ア「何!国王さまとゆうしゃが何だって!うわーそんなの習いたくない!だめ!ゼッタイ!」

エ「本編ではそんなことにはならないそうなので安心してねアイリス!それではまた来週!」

説明の仕切りなおしに一旦休憩を挟むことになった。


そして、むやみに魔導、特に人を傷つける魔導を使わないようルナールさんから念押しがされた。


床の水溜りは清掃担当の浄化魔導によりなかったことにされる。


そばかすの女の子は数人の女子が付き添って退室した。話し方から察するにみんな同郷の子のようだ。


僕も一度教室を出ることにした。お嬢様とのやりとりを見守っていた姫さまが駆け寄ってくる。


「勇者さま、大丈夫ですか?」


姫さまは僕の手をとり、怪我が無いか確認をする。


「どんな抑制魔導具を使ったのだ?」


声の主は先ほどのお嬢様だ。いつの間にか僕の隣に立って、手のひらを眺めている。近くで見ると、もっさりとした髪型を除けはかなりかわいい感じがする。


「いや、何も細工はしていない。僕は魔導具を使えないんだ。それよりもむやみに攻撃魔法を使おうとするのはどうなんだ?危ないじゃ済まないだろう」


室内には攻撃魔導の発動を抑える抑制プロテクションの魔導陣が掛けられていると、おしゃべり精霊が教えてくれた。しかし、プロテクションが働いた様子は無く、あれが誰かに当たれば大怪我では済まないだろう。


お嬢様はばつが悪そうに視線をそらす。


「本当は照明ライトの魔導を出したかったのだけど、あれしか出来ないのよ。「規格外ノンスタンダート」の子供だから…」


そう言うと、お嬢様は学校の外へ出て行った。さっきの侍女が荷物をまとめ、あわてて追いかける。


その後、教材の説明や時間割の確認などが行われたが、お嬢様は戻ってこなかった。


説明会が終わり、僕はルナールさんに呼ばれた。姫さまとサフランはカレラさんとランサーさんにお任せした。


---


姫さまとサフランの入ったクラスは、主に相続権を持たない貴族の子供が集められていると言う。


将来は家を出なければならないが、家庭教師などを雇う余裕の無い貴族、その他、何らかの理由で家を追い出された子供。


先ほどのお嬢様、サニーは後者のようだ。


「彼女は自分を「規格外」と呼んでいましたが」


ルナールさんの表情が暗くなる。


この世界では誰もが精霊の分身と魔力を持ち、魔導具によりその力を行使できる。別の世界から来た僕のように、普通の魔導具をまったく使用できない人はいないらしい。


しかし、意図しない力、制御不能の魔導を発動する子供が稀に生まれると言う。「規格外ノンスタンダート」というのはそういった子供たちを示す蔑称だと言う。


お嬢様はどんな魔導具を使用しても、プラズマの玉(勇者が勝手に命名)となってしまうらしい。


たとえ魔導を妨げる陣があってとしてもだ。


ルナールさんはプラズマの玉をいとも簡単に消し去った僕の力を見込んで、子供たちの「魔導暴走」を未然に防いでほしいとお願いをされた。


危険度の高さから受け入れを拒否されないよう、虚偽の書類が送られてきた子供も多いと言う。


子供たちの受け入れを拒否をしてしまえばどこにも行けず、路頭に迷うのは想像に難くない。


姫さまとサフランだけを見ているつもりだったが、そういった事情であれば引き受けない訳にはいかないだろう。


出来る範囲で。と断りを入れて了承した。この教育制度を推進している国王さまにも伝えると言う。


僕は臨時の副担任という肩書きをもらった。


---


「勇者さまが先生?」


僕は「自宅」に戻り、先に帰っていた姫さまとサフランに説明をする。


姫さまは目を丸くしている。別に何か教えるわけじゃないというのも説明をした。


ソネッタさんは「メイドにも個人指導を!」と不穏なことを言い出す。


うわさをすれば何とか、国王さまがいつものラフな格好でやってきた。


「エイト殿、いろいろと申し訳ありません」


国王さまはそんな危険が生じるとは思わず、貴族の子供を受け入れたという。


「規格外」の子供は何故か血統を重んじる貴族の家に生まれるようだ。なんとなく想像はつくけれどあえて言うことではないだろう。


次の授業は三日後だ。それまでに問題を起こしそうな子供の資料に目を通すことにした。


---


夕方、あわただしく玄関がノックされた。


「はーい、どちらさま?」


玄関には例のお嬢様に付き添っていた侍女が立っていた。どうも様子がおかしい。


「勇者様…お嬢様を…助けて…もらえませんか…光の玉が…お嬢様を…」


ルナールさんから僕の住所を聞いて走ってきたようだ。僕は武器が必要と判断し、もえを連れ、侍女の案内でお嬢様の仮住まいにたどり着いた。


「なんだ…これ…」


室内に直径3メートルほどの巨大な光の玉が浮かび、その中にはエネルギーの濁流が見える。メテオイグナイターの光の玉がかわいらしく見えるくらいだ。


その下にお嬢様が仰向けに倒れている。お嬢様の平地よりやや育った胸の辺りから、可視化された魔力がどんどんと光の玉に吸い上げられられていた。


このままでは危険だと、おさわがせ精霊が警告を発する。

勇者はお嬢様を救うことが出来るのか!

そして「ザ・シード」に新たな形態が!

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