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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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「きんぐりざーどまーん」

魔導結石は通常の方法では魔素を取り出すことができません。

一般の人が売買をしても1Rリーンの得にもなりません。

「魔導結石」


魔獣の体内にある通常は琥珀色をした魔素の塊で、魔獣からこの国を守る魔導結界の維持に欠かせないものでもある。


国は冒険者ギルドを通じて魔導結石を買い取り、結界を維持している。


冒険者はより高額な魔導結石を求め、今日も迷宮内をさまよう。


---


僕の目の前にある漆黒のボーリング玉。


「ほぼごぶりん」を倒しても出てくるのはビー玉サイズの魔導結石がせいぜいである。


サイズ換算すると、この魔導結石の持ち主は…。


---


「「ザ・シード」で迷宮をまるごと浄化したので姿を見ていないのです。」


僕達が現場で見たものは大量の魔導結石とボロボロの武器防具の山であった。


精霊女王や地精霊の話から、ものすごい数の「りざーどまーん」がいたらしいとしか聞いておらず、魔力を使いすぎて倒れてしまった僕は、戦利品の回収は地精霊に任せてしまったのだ。


「どこかの迷宮の「りざーどまーん」が集団で引っ越したのか」


ギルド長は平地を強調しながら天井を仰ぐ。


「「りざーどまーん」が集団疎開するような事態。迷宮に「りざーどまーん」を退けるような新たな脅威が生まれたのかもしれない」


ギルド長の言葉に国王さまが真剣な顔でうなづいている。


「それは「世界の危機」に関係が?」


僕がこの世界に呼ばれた理由の1つ。「世界の危機」を救えという大雑把な使命。


「あの大群がどこから来たのか、もしかすると強制的に転移させられた可能性も捨てきれない…」


ギルド長は自問自答モードに入ってしまって答えになっていない。


---


まずはワイバーン卿の税金滞納問題だが、ゴーレム犯による魔果実生産という事情を考慮して、猶予期間を設けることになった。


テスラの身柄は拘束されずに済むという。


これにも若干の理由があり、僕が特定の貴族に肩入れするのを良しとしない集団に配慮したものだと言う。


ちなみにボーリングの玉は勇者が討伐した巨大魔獣の証として国宝になるらしい。


ボーリングの玉がケースに入れられて王宮に飾られるのはシュールすぎる。


のこり数千個の魔導結石はまだ詳細な鑑定が終わっていないが、最低の評価でも普通の人であれば二十年は遊んで暮らせる金額になるという。


「勇者殿、報酬の一部を用意した。受け取ってほしい」


ギルド長が金庫から出してきた分厚い金属製のトレイには、僕がお財布代わりにしている皮袋の倍サイズのものが三つ乗っていた。


ためしに一袋をつかんだが、簡単に持ち上がらない!ちみっこはどんな腕力をしているんだ!


ちなみに姫さまの精霊の加護がない状態では、僕の力はその辺の見回り兵士くらいまで低下する。


四苦八苦している僕を見て、ギルド長が袋から数枚の金貨を取り出して僕に手渡す。


「残りは冒険者ギルドの口座に入れておこう。ギルドカードを使えばギルドとその提携店でいつでも引き出しができる」


どこのコンビニですか!


「お手数おかけします!」


ギルド長はギルド職員を呼ぶと、預金の手続きをしてくれた。


これでソネッタさんに借金を返せる。金貨一枚で十万Rリーンだったかな?いつも銅銭しか持っていないので既に忘れている。


---


僕がギルド長室から出ると、ちょうどアイリスが講習室から出てくるところだった。


「アイリス、講習はどうだった?」


その顔には生気がない。


「ゆうしゃーむずかしいー」


座学で挫折しかけ、実技では体力を使いすぎたようだ。


ほかの講習生らしき人たちも一様に疲れている様子が見える。


「それじゃ戻ろうか?」


僕は足元がおぼつかないアイリスに腕を貸し、ギルドを後にした。


また育ったんじゃないのかな。エクセレント山脈。


山脈に押し付けられた僕のひじがそう言っている。


---


「自宅」に戻り、アイリスをソファで休ませる。


早速ソネッタさんを探して、お金を返すことにする。


「ソネッタさん、借りていたお金をお返しします」


「エイトさま、借りっ放しにしておいてくださいません?」


「どうしてです?」


「秘密です!」


ソネッタさんは僕が差し出した皮袋をそっと押し戻し、にこにこしながら部屋を出て行った。


…別の形で恩返しをしよう。


ここで、どうしてランジェリーショップが脳裏に浮かぶんだ。僕は。


しかし金貨が何枚も入っていると落ち着かない。貴重品箱にでも入れておこう。


僕には銅銭が似合う。


---


夕方、復活したアイリスと遊びつかれてぐったりしたリーナが帰っていった。


夕飯に誘ったが、寮の門限があるというので仕方ない。


明日、姫さまとサフランが「学校」に行く日だと言ったら驚いていた。クラスは違うかもしれないけれど、いいライバルになってほしい。


お夕飯のメインは包み焼きハンバーグでした。耐火性のある植物の葉を使って包んでいるようですが、葉には焦げ目もついてない…。


---


お風呂の時間、ソネッタさんがにこにこしながら近寄ってくる。


「メイドの背中を流していただけませんか?」


借金は体(技)で返すということですね…。


のほほんと生活をしている僕に迫りくる影の存在のことなど知る由もなく。

一応「りざーどまーん」問題は決着がついたのでしょうか。

次回あたり、赤いドレスの金髪ドリルが!

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