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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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説得

双子と赤竜王の組み合わせは危険です。

「シース!レーネ!どうやってここに!」


もえもソネッタさんもおどろいた様子で成り行きを見守る。


ソニアは驚いた拍子にしりもちをついて、ぱんつ全開である。見た目年齢よりも派手な感じのものであるが、今はそれどころではない。


双子に押し倒され、身動きが取れないでいると、ギガンティスさんとノーマンが慌てた様子で客間に入ってきた。


「勇者様!外套の一味とゴーレムが現れました!現在、街から20分くらいの場所に…あの、そちらのお嬢様方は?」


二人を抱えて起き上がり、簡単に紹介をする。


「精霊のシースとレーネです。外にいる赤竜王、今はフェニックス1号とでも言いますか…。」


二人が物に住み着く精霊で、あの機械を操ってここまで来たと説明したが、そんな説明で納得してもらえるのか謎であった。


「勇者様、中にもう一人、いらっしゃるようですが」


見れば、コクピットらしき部分で見覚えのある人物がのびていた。


「シルフィール姫!」


僕は屋敷の庭に出て、シルフィール姫を救出しようとしたが、ハッチが開かない。


「シース、レーネ!ハッチを開けて!」


「「らじゃーなの」です!」


フェニックス1号は物理法則を無視するような変形を行い、赤竜王に戻った。


赤竜王のハッチが開き、シルフィール姫が姿を現す。


「勇者さま!!!!!!!!!!」


飛び出してきた姫さまを抱きとめるも勢いあまって芝生へと押し倒されてしまう。


早速復活していたソニアが真っ赤な顔をしてなにか叫んでいるが放置しておこう。


「「もえちゃん!どうぞなの!」です!」


「シースちゃん!レーネちゃん!ありがとう!」


双子はもえが出かける前に預けていった「ザ・シード」を忘れずに持ってきてくれたのだ。


---


街に向かっているというゴーレムを迎撃するため、赤竜王を飛ばす。コクピットには僕とシルフィール姫、もえが乗っている。


念の為にソネッタさんとソニアは街を守るために残ってもらった。


ここに来るまでの話を聞くと、僕の帰りが遅いので双子が赤竜王で迎えに行くと言い出し、それを止めようとした姫さまが巻き添えをくらったようだ。


「すまほーちゃん」の反応から僕の位置を確認し、赤竜王で入る場所を探して飛んでいるうちにフェニックスに「進化」したという。


ようやく入り口らしきものを見つけたが、並んでいたゴーレムが邪魔だったので双子の判断でちょっとおしおきしたらしい。


一部始終を見ていた姫さまの話では、20体近くのゴーレムと100名程度の外套にダメージを与えたというが、その残りがどの程度こちらに来ているのかまではわからないという。


「見えた!」


眼下には1体の小型ゴーレムと10人程度の外套が見える。


---


「「じゃっじめんとほーみんぐれーざー!なの」です」


双子の容赦ない攻撃がゴーレムに襲い掛かる。が、


「はずれた?」


鈍重なはずのゴーレムは軽やかなステップでレーザーをかわし、無傷で走っている。


ただし、追従していた外套の一団には少なからずダメージがあったようで、数人程度が脱落していた。


「あるじさま!ファイヤーボールです!」


警戒していたもえが叫ぶ。


ゴーレムから矢継ぎ早に繰り出されるファイヤーボール。


ボディへのダメージはないものの、赤竜王の飛行膜が破れてしまう可能性もあり、緊急着陸を行う。


敵ゴーレムからすこし間を取り、空き地に着陸する。


ゴーレムがこちらを指差し、唐突にしゃべり始めた。


「そこの赤いゴーレム。偽勇者だな!今日がお前の命日だ!数々の悪行を墓の中で悔いるがいい!」


女の子の声?何か油断させる為の罠かもしれない。


「「じゃっじめんとみさいる!」です!」


赤竜王のバックパックから数十発の小型魔導弾が撃ち出され、敵ゴーレムに襲い掛かる。


「シース、レーネすこしおちついて!」


そんな僕の感情などおかまいなく、ミサイルの束が命中するかに見えた、が。


「アースシェルター!」


敵ゴーレムは地面から土の壁を作り出し、ミサイルをすべて無効化した。


「おお、防いだぞ!」


今までの敵とは違うようだ。


「卑怯者の攻撃など効かぬ!覚悟するのだ!色ボケ偽勇者!」


「ちょっとまて、色ボケとはどういうことだ!」


飛んでくるファイヤボールを叩き落しながら、僕は聞き返す。


「女性の奴隷を買いあさり、非道の限りを尽くしていると聞いた!」


「奴隷になりそうだった女性は助けたが、非道なことって何だよ!なにもしてないぞ」


たしかに奴隷一歩手前のテスラは助けたが何もしてないし、買いあさってもいない。


敵ゴーレムの動きが一瞬止まる。


「「マスター!今なの!」です!」


「シース、レーネちょっとまって」


今にも飛び掛ろうとする双子をなだめる。


「教会で偽勇者は王女をはじめ、女性を弄び、極悪非道を繰り返す魔獣だと聞いた!だから一刻も早く倒し、真の勇者を目覚めさせるのだと!」


おっぱい魔獣というワードが脳裏をよぎるがそれとは違う!


僕は赤竜王のハッチを開ける。


「姫さま、ここで待っていてください」


僕はもえから「ザ・シード」を受け取り、敵ゴーレムの前に出る。


今から数分の間であれば姫さまの精霊の加護が持続し、生身でもゴーレムのパンチくらいなら何とかなるだろう。


ゴーレムの胸の部分に埋め込まれた緑色の水槽の中に人影が見える。幼い顔立ちの少女のようだ。


「君は僕が酷いことをしていると言うけれど、実際に確かめてみたの?」


少女からの返事を待つ。水槽の中でわずかに首を振るのが見える。


残っていた外套は近くに赤竜王がいるせいか、僕に切りかかってくる様子はない。


「教会の人を捕まえて、迷宮でただ働きさせているという話も聞いた!」


おそらくはワイバーン領で捕らえられた連中のことだろう。


「彼らは自らの欲望のために大勢の人を危険にさらした。その罪を償っている。ちなみにお金なんてもらっていないからね」


ずいぶん離れた場所にいる外套が何事か叫んでいる。


どうやら街の警備隊が追いついたようだ。


「偽勇者!時間稼ぎのつもりか!」


「街の近くで戦えば関係ない人も巻き込む。君はそれでもいいのか?僕を倒せるなら何を犠牲にしてかまわないとでも?」


額のゴーレムコアの輝きが消え、背中のハッチが開く。


緑色の液体から姿を現した下着姿の少女が、ゴーレムの上に立つ。


「私は教会の人に母親を助けてもらった。その恩返しとして偽勇者を倒したかった。でも、だれかに迷惑をかけるつもりはない」


「私は、私は…どうすれば」


「ちぃ!寝返ったか!だから薬を使うべきだと言ったのに!」


外套の一人が少女に向けて矢を射掛ける。


僕はすばやくゴーレムに駆け上がり、少女の盾となる。まだ加護の力が効いていたので、矢は刺さらずにはじき返された。


「あれが教会の正体だ。君は利用されていただけだ」


その言葉が届いたかどうかわからない。魔力の急激な消耗と精神的なダメージが重なったせいか、少女はその場で意識を失う。


僕は少女を抱きかかえ、ゴーレムから降りる。


逃げようとしていた外套はほどなく街の警備隊に捕まり、ぐるぐる巻きにされて荷馬車に積まれた。


「勇者さま!!!」

「あるじさま」

「「マスター!」」


シルフィール姫ともえ、赤竜王から分離した双子が僕に駆け寄ってくる。


「勇者さま、どうしてあんな危険なことを」


シルフィール姫が抗議をする。


「さぁ、どうしてだろう…」


僕は後先考えずに行動をしたのだが、結果的に教会の事情を知っているかもしれない少女と無傷のゴーレムを手に入れた。


ただ単にスケベだといわれて腹が立っただけだと言うのは伏せておこう。

勇者の精神に若干の変化が。

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