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シルビアの涙

仕事熱心なシルビアさんにちょっとしたいじわるをする勇者。慣れないエーテルの影響なのか人格がすこし変わります。

そこに息を切らせて兵士らしき人物が走りこんできた。


「失礼します!大変です!勇者様の乗り物が暴走しています!」


外から聞き覚えのある甲高いエキゾーストサウンドが聞こえる。


その音は僕が寝かされていた部屋のそばまで近寄ってきた。


急に静かになった次の瞬間、スモックを着た二人の幼女が部屋の中に飛び込んできた。


「「マスター!」」


いきなり抱きつかれ、勢いあまってベッドに仰向けに倒れる。


幼女のツインまな板攻撃によりノックアウトされ意識が遠のいた。



---



気がつくと目の前が白かった。(中略)


両腕はなにかあたたかく柔らかいもので拘束されている。


先ほど部屋につっこんできた幼女が二人、腕にしがみついて眠っている。その傍らでシルフィール姫も丸くなって眠っている。

幼女の顔に見覚えはない。お城の関係者なんだろうか。

しかし服装は自分の世界で幼稚園児が着るようなスモックにチェックのスカート。かぼちゃぱんつが見えている。大事なことなので二回言う。かぼちゃ(ry


あたりを見回すとマーガレットさんの姿は見えず、メイドさんが定位置で退屈そうな顔をしている。

ただし眼光は鋭く、目が合うとたぶんアウトだ。


メイドさんが何かを察知したらしく、すばやくかつエレガントにドアを開ける。


マーガレットさんともう一人、ローブを着た人が入ってきた。

僕は両腕の幼女をパージし、シルフィール姫を起こさないようベッドから降りる。


シルフィール姫も幼女二人もぐっすり寝ているようなので、そのまま隣の客間へと移動する。


客間へ移動する際に廊下にそのまま鎮座している愛車を確認した。

特に壊れているような様子もなかったけれど、なぜ暴走したのか謎だった。

スマートキーは自分のポケットの中で、ドアは施錠されたまま。

ローブの人は暴走していた車が静かにしているのが逆に不安なのか、すこし震えているようだ。


客間に入るとマーガレットさんが口を開く。


「勇者様、宮廷魔導士長のシルビアがどうしてもお会いしたいとのことで連れてまいりました。」


「シルビアと申します。先ほど私の部下が手違いにより勇者殿の乗り物に魔力を流し、暴走を引き起こしたこと、謝罪いたします。預言書の監視のためとはいえ、副士長に任せて現場を離れていた私に全責任があります。処罰につきましては勇者殿に一任いたします。」


ローブを取り、深々と頭を下げるシルビアさん。


「暴走の件は不可抗力でしょうし、幸いけが人も出ずに済んだようですから問題ないですよ。」


「一歩間違えば勇者殿の大切な乗り物を壊してしまうところでした!何なりと罰をお申し付けください!」


普通に言っても聞いてもらえそうにないと判断し、すこし悪代官モードになってみる。


「それではシルビアさんの身柄を一時預かり、僕のいうことをいろいろと聞いてもらうというのはどうでしょう?」


勇者はいろいろのあたりを強調した!


何度も気絶しているうちに吹っ切れた気がする。


シルビアさんは言葉の意味を理解したのか、うつむいてすこし震えている。


「・・・わかりました。仕事の引継ぎや準備をしますのでしばらくお待ちください。」


マーガレットさんはなぜか顔を真っ赤にしておろおろしている。


シルフィール姫が眠っていてくれてよかった。


---


20分ほどしてシルビアさんが戻ってきた。さっきのローブ姿ではなく、私服のようだ。


「勇者殿、御用事があればなんなりとお申し付けください。不肖シルビア、至らぬ点もあるかと思いますが、全身全霊をもっておこたえいたします。その、・・・」


そんな空気をぶちやぶるのが勇者のつとめだ。


「それでは、まず1つ目のお願いですが、隣の部屋で寝ているあの双子についてなにか知っていることがあれば教えてください。」


目が点になっているシルビアさん。

そしてもっと驚いているマーガレットさん。


「そういったご質問であれば、先ほどおっしゃっていただければ!」


「シルビアさんは罰を受けたかったのですよね?あのまま質問しても罰にはならないですし。

真剣に反省されているシルビアさんを茶化すようなことをした点については謝罪します。今回の件についてはあまり深刻に考えてほしくなかったのでこんな形をとってみました。もちろん本当に罰してほしいというのであれば考えます。あと、しばらく身柄をあずからせていただいて、魔力や精霊のことなどいろいろと相談に乗っていただきたいと思います。これは本当のお願いです。」



「勇者殿はすごくいじわるです・・・。」



勇者はシルビアを泣かせた!鬼畜レベルが上がった!



シルビアさんによれば、双子には心当たりはなく、車が暴走した後に急に現れたという程度しかわかっていないとのことだった。

双子が起きたら聞いてみるのが早そうだ。


この後シルビアさんからもーもーと抗議をされるのですが。

乙女のハートをもてあそんだ罪はしばらく消えないようです。


そして城の中を勇者と二人、談笑しながら歩くシルビアをみた部下が「永久凍土のシルビアが溶けて春が来た!」と大騒ぎになったとかならなかったとか。


追記

宮廷魔導士長はサバンナさんシルビアさんの2トップ体制です。

サバンナさんはもうすこし後で出ます。

人物紹介も追記しました。


8/26 スモッグ→スモックに修正しましま

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