翼の無いフェアリー
「ひめたべラジオ第二回放送」
マ「今日はもえちゃんと私マーガレットがお送りします。」
マ「もえちゃん、よろしくね!」
も「はい、あるじさまのためにがんばります!」
マ「もえちゃんは勇者様一直線だよね!それではおたよりの紹介です。ラジオネーム「骨なしちきん」さん。「強くなるためのヒントをください!」」
ガガガガガ(ノイズ)
予「だめなものはだめじゃ!」
マ「あの、「預言書」さま!電波ジャックはやめてください!」
も「あるじさまはもえがまもります!だからだいじょうぶです!」
マ「ああ、放送設備から煙が!収拾がつきませんのでまた来週!」
とりあえずベッドから出てミニメイドさんと食堂に向かう。
姫さま、双子、もえ、マーガレットさん、ほんわかメイドさんがそろっていた。
お寝坊さんは僕だけでした。夕べの出来事は胸のうちにしまっておくことにします。
アイリスの朝稽古の件を思い出しマーガレットさんに謝ると、今日はアイリスの都合がつかなくて特訓は明日からになったそうでとりあえず助かった。
僕の上にのっかっていたミニメイドさん。
目つきのするどいメイドさんが諸事情でお暇をいただいている間の代理をよこすということになっていた。が。
「フィリーです!よろしくおねがいします!お兄さん!」
「エイトです。よろしくね!」
ほんわかメイドさんに目配せすると、うふふという感じで微笑んでいる。
今回のどんちゃん騒ぎ(勇者のお披露目)に参加した貴族の元で小間使いをしていたそうだが、夕べの浴場でのヒーリングをみたほんわかメイドさんが魔導潜在能力の高さを買って「買って」きたそうだ。
カッテがかぶりましたが。
姫さまの魔導入門の師匠も兼任してもらうそうだ。
「エイトさま、すこしお話したいことがあります。」
うまいこと言っておこさま's(姫さまとマーガレットさん含む)を客間に送り込むと、ほんわかメイドさんは食堂の魔導陣を起動する。
深夜に防音のために使うという名目だが、実際は内密なお話のためのものである。
ほんわかメイドさんも朝食前というのでサンドイッチをもむもむしながら話をすることに。
「まだ確定したわけではありませんが、フィリーは妖精族のようです。エイトさまのご質問は大体予想がつきます。体の大きさが異なるのと羽が無い点。」
ただでさえせりふすくないのに言わせて!と勇者は思う。
「妖精の羽は魔力を風魔法に変換する魔導具に近い構造をしています。実際は妖精の羽を模して風の魔導具が作られたという説もあります。」
「魔力を変換する際、不完全燃焼した魔力が微粒子となります。その残渣が妖精の粉といわれる魔力を秘めた薬の原料となり、その秘薬を飲めば不老長寿の効能が得られるという俗説があります。」
某D社の万年少年のお供をしている妖精がたなびかせているキラキラは排気ガスみたいなものなのか。と思うとロマンのかけらもない。ロマンのかけらもまた排気ガスなのだ。
「大昔は妖精の粉を求めて妖精が乱獲されるという事態になり、一時期は絶滅寸前まで追い込まれました。そのため、妖精族は森の奥深くに結界を張り村を作ってなかなか出てこなくなったといいます。」
「宮廷魔導士の推測では妖精族の村から迷い出たところを捕らえられ、羽をなんらかの方法で切り離されたために魔力のバランスが崩れて人のサイズにまで育ってしまったケース、あるいはもともと羽がなく、妖精族の村から捨てられて人に拾われたというケース」
ツノが無い「鬼」が「鬼ヶ島」からほっぽりだされるようなひどい仕打ちだ。同族のシンボルがなければ異分子ということになるのだろうか。
「突然変異により無翼種の発生もあったという古い文献が残っているとのことなので、後者の推論が近いのではということでした。」
「いずれにしてもフィリーの記憶があいまいなところがあり、確定したわけではありません。」
肉体的、精神的に強いショックを受けると記憶を封印したり、幼児退行したりというのはよく聞く話だ。
「フィリーを所有していた貴族は所用で立ち寄った寒村でどうしてもと言われ買い上げたとしか答えていませんので、これから追求をするところです。」
ほんわかメイドさんの目が光っている。妖精族の売買ともなれば大事件になるそうだ。ちなみにこの世界にも奴隷はいる。しかし縛りはゆるく、普通の使用人と変わらない待遇を受けているらしい。逃げられるか逃げられないかの違いだけだ。
まぁ普通の使用人であっても勝手にやめたりすればいいことは無いのであるが。
「エイトさまはもうひとつお聞きになられたいことがありますよね?」
「言わないとダメですか?」
「ええ」
すこし考える。自分の世界での妖精に関する俗説が正しいはずも無い。
「性別を教えてください。いや知らないとアイリスのときみたいなことになりかねないので。」
男装女子がベッドルームに乗り込んできたときの惨劇がよみがえる。
「女の子にも見えるけれど、もしかすると男の子にもなるかもしれないですよ。とだけお答えしておきますね。ちなみにいまはついてません。」
ああ、性分化前の妖精なのか。とファンタジーノベルで身に着けた知識がよみがえる。どちらにしてもややこしい。そしてついていませんというストレートな表現はほんわかメイドさんには似合わない。
「それでは女の子として接することにします。」
いま残念そうな顔をしたよ。ほんわかメイドさん。
姫さまに女装した男の子を師匠としてあてがうのもどうかとおもいますし。
例のエル腐のおねーさん(ベルさん)が喜んでしまいそう。
「もうひとつ、妖精族は魔導を使用する際チャーム(魅了)のスキルを無意識に発するといいます。これは男性だけに効果があります。昨晩のヒーリングの際にもチャームを受けたと思われるのですがエイトさまは大丈夫だったのでしょうか?」
ああ、あのくらくらしたのはそのせいか。
「いい匂いがして、ちょっとだけめまいがしましたが。」
「やはりエイトさまには耐性があるようですね。普通の男性ならフィリーさんに魅了されてしまい骨抜きになってしまうでしょう」
いや十分に骨抜きチキンです。
そんな話をしていると、双子が乗り込んできた。
「「マスター、すまほーちゃんをかしてください」です」
また魔改造するのか!
「ほどほどにしておいてね。原形保っているだけで中身が別物になってるのはこわいから!」
「「ほどほどに!」です!」
双子はあわただしく出て行った。
ほんわかメイドさんが頭を抱えている。
「どうしました?」
「いえ、魔導陣の作動中はドアもあけられないはずなんですが。」
壁の操作盤を見ると緑色に光っている。ためしに双子がしめたドアを開けようと思ったけれど、ドアノブにすら触れられない。
「精霊だから通り抜けられるのでは?」
「いまのレーネさんとシースさんは実体化をしているので無理だと思います。ここの魔導陣を簡単に通り抜けられてしまうということは城の警備がザルというのと同じなので」
マーガレットさんが知ったらぶったおれるかもしれない。
「あとで双子に言い聞かせておきます。」
がちゃ。
「あるじさま、お話は終わりました?」
もえにも言い聞かせないとならないのか!
その後食堂に3人を集めて緊急時以外は魔導陣を勝手にあけないというおやくそくをさせました。
どうやってドアをあけたのかと聞いたら魔導陣の精霊に呼びかけたのだそうで。
もえは双子にあけてもらうよう頼んだそうです。
これはハッキングってことですか。
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双子ともえに手を引かれて客間に行くと、姫さまとフィリーがたのしそうに話をしていました。
すんなり打ち解けてくれてよかった。
話の内容は魔導関連でどうやったら強くなるのかとか。
「あっ、そうでした!」
ほんわかメイドさんの頭上に豆電球が光ったようなエフェクトが見えた気がしました。
「エイトさま、冒険者ギルドに登録に行きませんか?」
「ギルドに登録してご自身のステータスを確認していただき、今後の訓練に役立ててもらえればと」
「あとは魔獣狩りなどで迷宮に入る許可も登録証があれば簡単に取れますし」
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お昼前にギルドへ行くことに。
ほんわかメイドさんとフィリーも同行。姫さまもなぜかメイド服。もえも双子もメイド服。勇者とゆかいなメイドパーティーがぞろぞろと歩く。マーガレットさんはお仕事のため別行動に。
勇者のお披露目で集まってまだお祭り騒ぎ中の城内にさまざまなうわさが流れた。
あ、ちゃんと「テイルズオブドラグーン」は持ってますよ。使わないときは短剣サイズに小さくする方法を発見したので、歩くときに剣先をガリガリしなくてすみます。勇者は若干足が短いのですよ。
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受付のおねーさんの顔がひきつっていたのを無視して、ほんわかメイドさんが何か話しかけている。
ほどなく別室に通されることになったのだが、やっぱり問題が。
モヒカンAとBがあらわれた!
「てめーどこのおぼっちゃまだ!そんなにきれいどころつれまわしてピクニックにでもいくのか!」
その後が長かったので要約すると女をよこせ。だそうだ。
途中でほんわかメイドさんの手刀と蹴りがめりこんでいましたが。
もえもモップでげしげしとつついてました。
守衛にひきずられていくモヒカンを無視して、別室に通される。
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ローブ姿のちみっこが現れた。
「当ギルドの長を務めるユースィアだ。勇者殿が冒険者登録とはおどろいたぞ」
僕もちみっこがギルドの長というのはびっくりしたぞ。人は見かけによらないけれど。
「さて。前置きはこのくらいにいて「測定」をさせてもらう。この石版に手を置いてほしい」
指し示された茶色いタイルのような石に手を置くと、それに接続されたほかの石版が光る。
ここで初めて自分も「規格外」というのを思い知らされる。悪いほうとよい方と。
勇者の知られざる能力が白日の下に!
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エアコンのない場所で作業をしていたら軽い熱中症で倒れそうになっていました。
気をつけているつもりでもうっかりということもあります。




