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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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自販機でワサビソースを買い求める勇者

ギルド長室でのお話は30分程度で終わり、アヒルちゃんからの荷下ろしもほぼ同じくらいに終了したと連絡があった。


「一応忘れ物チェックをやりましょうか」


ギルド職員さんが一通り見てくれているはずだが、連接バスの中を一回りして再確認を。


連接バスの座席などに取り残された荷物はアヒルちゃんが元のサイズに戻る際にインベントリに収まるらしいのだが、今の収容物と混ざる可能性もあるため確認が必要だ。


「ぐえ」とアヒルちゃんも忘れ物が無いか自己チェックを。


問題なさそうなのでアヒルちゃんをひっこめ、今日は何を護衛されたのかちょっと謎でしたがシロさん、どりあーどさん、そして姫さまと一緒にお屋敷へと戻ることに。


「サブロー、お酒は大丈夫かにゃ」


「今日の分は隠密メイドさんが届けてくれるという話でしたが…」


オパール王妃をパシリに使うのはどうかと思い、隠密メイドさんにアルコールの搬送をお願いしている。


うちで飲むのは3人ですね。アルコールを飲める年齢の人は割といるのですが毎晩飲もうというのはシロさん、精霊女王、ユークレス王妃だけという。


「お肉のソースはどうなってるにゃ?」


今日は何故か質問の多いシロさん。


「お屋敷の自販機をリモート操作してワサビソースを買えるようにしてあるので大丈夫ですよ」


ワサビソースはおにくあじのドレッシングと同様にこの世界に革命をもたらすのであろうか?


おにくだけでなく、お野菜にも合うと思うのですが冒険者ギルドでは試せませんでしたし。


ちなみに自販機で買えるワサビソースは西洋大根ベースなので本ワサビとはちょっと異なる。


その西洋大根も僕の知る西洋大根なのか疑問でしかないのですが。


いずれ本ワサビを入手し…これも実物を見るまでは謎なのですが、味は間違いなくワサビだろうという風味でしたし。


「どりあーどもわさーびが気になる…」


植物系の食べ物に関しては異様に関心があるどりあーどさん。


おにくは一口くらいなら大丈夫なのだろうか?積極的におにくを食べているところを見たことが無いので。


美女、美少女に囲まれた状態で歩く事10分余り、お屋敷に付くと入り口付近に人だかりが。


何かあったのだろうか?


---


「ゆうしゃー!」


誰かと思えばアイリスさん。辺りはもう真っ暗で魔導灯の明かりの下で両手を振って僕を呼んでいる。


「アイリス、何かあったの?もしかして村でまた魔獣が出た?」


「ちがうよー。ここでゆうしゃの帰りを待っていただけ」


いつだったかはとぶさで祖父の怪我を知らされたアイリスとリーナがうちに駆け込んできて、大慌てで村を見に行ったらその祖父は割とピンピンしていたという事が。


アイリスとリーナの村で慣れないはとぶさ便を利用するにあたり、小さな用紙に限界まで文字を詰め込んだが故のすれ違いが発生。


まぁ、結果的には見にいって正解でしたけれど…。まさか村の子供たちだけで野良迷宮に行くとは思ってもみませんでしたし。


あの時に回収した古代遺物はサンダッティアの宝物庫できちんと管理されているようなので。


そういえばあれから村に顔を出していないな…一度アイリス達を連れて様子を見たいけれど。


「おお!黒き瞳の勇者よ!今日も世界を救いに?」


「まーちゃんさん、毎日世界を救っていたら僕の身が持ちませんので」


魔王のまーちゃんさんも様子を見にバラドクから顔を出していた。


そういえばまーちゃんさんの故郷を調べるプロジェクト、あれから進展が無いんですよね。


星間連合ユニオンに登録された文明との照合を行っているとお魚婦人からは聞いているが、既にこの世界から消えてしまった文明が多く、記録も断片的にしか残っていないというので難航していると。


お魚婦人にはまーちゃんさんの髪をすこし預けてあり、いわゆるDNAによる調査も並行して行われているがこちらも数百億というサンプルとの照合が進んでいない様子。


ご本人は残された国民の安否を確かめたいと…できれは星喰いに荒された星に戻って復興を。と考えているようですが。


宇宙船が手に入ったことでもしかしたらという期待もしているのだが、まずはあの船の全容を確認しない事には。


「勇者さま!今日はアイリスたちも夕飯に誘っていますので」


なるほど。それでお屋敷の外で待っていてくれたのか。いつ連絡をしたんだろう…。


---


「わさーびソースはまず味見をしてから適量を使ってください」


お屋敷の自販機で大量に購入したワサビソースを皆さんにお配りし、まずは味を見てもらうことにした。


昼に食べた時のソースとは味が違いますので…。


自販機のソースはちょっと辛みを強く感じる。


「サブロー!ビールにあうにゃ!」


気の早い人はもう缶ビールを開けている。まだおにくさまの配膳が終わったばかりだというのに。


「気になるようでしたらソースは持ち帰ってもらっても大丈夫ですよ!」


配膳の為にお屋敷へと呼ばれた派遣メイドさん達は謎のソースに興味津々と言った感じで。


ルティリナ用の野菜がおにくの味になるドレッシングも派遣メイドさんたちの間で割と好評だと聞く。


実家に持ち帰り、家族にも振舞っているとか。そこまで人気があるのなら王都で売ってもいいかなとは思うのですが、量産体制が整えられないのが何とも。


バイオプラントを利用しようとも考えたがあくまでもお弁当の生産をするための施設で瓶に入ったドレッシングなどの生産は無理らしい。


船体ブロックの調査が進めば他の生産プラントも見つかりそうだけど、優先度はきわめて低いですからね。


まずは通信ブロック。今はグレーアウトしているこのブロックを見つけ、可能であれば修理を行い、衛星軌道を飛んでいると思われるスタージャンパー級と呼ばれる船とコンタクトを取るのが第一目標となっている。


この世界を俯瞰できるようになれば世界の異変がそもそも何なのか、根本的な部分を探れるかもしれないので。


宇宙船を使って空の上を調べることも検討したが、そもそも探すべき船がどこに浮かんでいるのかそれすら見当がつかない状態なので。


「ゆうしゃー?」


「アイリスどうした?ソースが辛かった?」


アイリスさんとリーナさん、今日は僕の両隣に座っていらっしゃる。


これも順番を決める例のシステムによるものだというのだから謎である。


「あんまり食べていないみたいだから…どこか調子悪い?」


「ちょっと考え事を…」


「ゆうしゃ、やっぱり働きすぎだよ」


「おにいちゃん、はたらきすぎだめ!」


姉妹からダメだしを喰らってしまった。


「あれ?ここにあった肉がいない?」


「けふ…」


僕が切り分けておいたおにくさまはナビゲーションピクシーさんが平らげた後だった。

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