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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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犬耳派遣メイドさんと密着する勇者

「知らぬ顔も増えておるようじゃが…」


最近はキクさんをお屋敷にお招きしておらず、その間に増えた家族の事を紹介するのをすっかり忘れていた。


姫さまからは随時連絡が届いていると思うのですが、僕からは特に何も送っておらず。


家族が増えるのは当然といった感じになっているのが何とも。


僕がここに飛ばされた時はひとりぼっちだったのに今では40人近くの家族に囲まれて…。


「キクヒメさま、お夕食前にお話がありますので!」


お屋敷について早々、姫さまがキクヒメさんを拉致し、リビングへと連れ去った。


もちろん他のみなさんも同様に移動を。


「勇者さま!内密なお話となるので大変申し訳ありませんが…」


僕は姫さまから戦力外通知をうけた。


いわゆるプチ女子会を今から行うらしい。


やることも無いのでお屋敷の自販機のチェックをして時間をつぶそう。


---


「クレーンゲーム機をもう一台持ってくればよかったな…」


ここだけホテルのゲームコーナーみたいになっており、数種類の自販機、アップライト型ゲーム機が3台、クレーンゲームが1台。


後はくつろげるようにソファなどが置かれた状態となっている。


休み時間はメイドさんたちにも解放されており、不可思議な飲み物が買えるという事で稼働率は割と高め。


一応持ち帰りなどにも制限はかけていないが、その辺は派遣メイドさんあたりでも理解をしてもらっており、ここで消費する分だけを購入する感じで。


クレーンゲームやゲーム機はあまり人気が無いというかそもそも何かというのを理解してもらえていない。


お仕事が暇な時に何人か集めて説明をしようと思っているのだが、ここのお屋敷は人数が増えた関係で仕事量も多く、なかなか説明をする機会が無い。


さて、どうしたものかと思案していると数人の気配がこちらに近づくのを察知。


本当に人をやめているよな…直前まで気付かないふりをしておかないと。


---


「預言書の勇者さま!」


噂をすればなんとやら。


派遣メイドの数名が休憩に入ったようで、自販機の物色にきたようだ。


僕がいると休憩出来ない感じ?


「それでは…」


飲みかけのド〇ペを持ってソファから立ち上がったのだが「お願いがございます!」と派遣メイドさんから声を掛けられた。


「僕にできる事でしたら…」


「その…あちらの入れ物に入ったぬいぐるみ?というものは持ち帰っても良いと聞いたのですが、やり方が…」


クレーンゲームには当たり障りのない動物系のぬいぐるみがインストールされている。


姫さまが大好きなくらーけんも当然のように。


お屋敷のゲーム機はすべてフリープレイとなっているが、その説明もきちんとしてなかったよな。


「それでは簡単に説明をしますので」


クレジットの追加から説明をすることに。


---


「ここを押すとあの魔導具が横に移動します。目的の場所に着たら手を放して…」


見た感じ18歳くらいの派遣メイドさんに手ほどきを。


その後ろで熱心に見守る同僚の方々。


彼女が目を付けたのははうはうどっぐ、つまりは犬のぬいぐるみ。


領地にいる妹に贈りたいというのでここは一発で取れるようアームの位置取りを指示している最中。


気持ち右にずれたがまぁ許容範囲内といったところか。


「今度は魔導具を奥側へ移動させます」


ユークレスさんが来ないように祈りつつ…。なにしろ派遣メイドさんはお犬様の特徴を持つ方なので。


レクチャーの際、どうしても体が接触するのだが、彼女はガラスケース内のぬいぐるみに気を取られて僕に体を預けているのも気にならない様子。


これ、後から姫さまに何か言われそうだよな…。


アーム強度MAXで降ろされた爪は犬のぬいぐるみを力強く握りしめ、そのまま上昇。


落とす要素など何一つなく無事に取り出し口へ。


---


「ねぇ、ちょっと見せて!」


「はい!」


「かわいい!私もほしくなっちゃった!」


休憩時間は大丈夫だろうか。


たった今入手した犬のぬいぐるみは派遣メイドさんたちにかわるがわる抱きしめられている最中。


もしかして犬のぬいぐるみに人気があるのかな?


アームの届く範囲に色違いが一つあるだけなので補充をしておこうかな。


「預言書の勇者様、ありがとうございました!」


「ここにあるものはいつでも使っていただいて構いませんので。あと使い方も皆さんで教え合っていただければ。僕がいつもいるとは限りませんので」


最近はツクヨミ神社に顔を出すか、ハマトーメン村に行くか、はたまたサブロニア、ファンタジー世界側へ行くか。


割と忙しいんだよな。どういうわけか。


今のクレーンゲームのレクチャーで大体分かったというので、メイドさんの間で共有してもらえればそれでOKなのですが。


そもそもクレジットの追加からして謎だったようで。


ここでもプレイ方法を動画で流すようにした方が良いかな?


派遣メイドさん達は夕食の配膳準備のために戻って行った。


人数が人数なので王城の大厨房セントラルキッチンで調理した物を保温した状態で持ち込み、調理場で小分けにして出すようにしている。


彼女達は盛り付けられたお皿を食堂へ運ぶためにここに呼ばれているのだそうで。


さて、姫さま達の内密なお話は終わったのだろうか。


---


「勇者さま、どなたとご一緒されていたのでしょう?」


「派遣メイドさんです。クレーンゲームの使い方を教えてほしいと頼まれまして」


姫さまの嗅覚はルティリナ以上。早速浮気?がバレた。


「勇者さまはおみみさまには大変弱いのが弱点なのでなんとかして克服していただかなければ」


頭痛が痛いみたいなことを言われている僕。


「なに!もふもふさまじゃと!」


一番知られたくない人にバレてしまった。ユークレスさんに。


「だれをもふもふしたのだ!どうしてワシに知らせぬ!」


そのうちお見えになると思いますので…大丈夫かな…。


あと、もふもふはしておりません。

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