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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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アヒルちゃんにコンビニの店番をさせる勇者

2025/06/01 お名前の間違いを修正 ロスミアさん→ハルミルさん

「ロスミアさん、さっきぶりです」


ということでつい先ほどお邪魔したばかりのファンタジー側世界のコンビニへ顔を出した僕。


ロスミアさんに断ってレジの1台に深緑の慈悲をつなぎ、届いているメールを全てダウンロード。


数百万通あるが落とすのは一瞬である。


そういえばレジ回りにある商品が気になっていたので尋ねることに。


「すいません。ここに並んでいる商品はお取り寄せのものですか?」


「はい、日持ちする食料品などはお取り寄せで仕入れたものですけれど」


「いくつか売っていただけますか?」


「かまいませんけれど…どなたがお食べに?」


まぁ、そうだよなぁ。


鎧だけで来ている事は最初に伝えてあるし。


「気になったことがあって製造元を確認しようと思いまして」


この星が星間連合ユニオンの傘下にあることは伏せておいた方が良いだろうか?


それともストレートに尋ねてみるか?


どうせ隠していても仕方ないので聞いてみることに。


「つかぬことをお伺いしますが星間連合という組織をご存じでしょうか?」


「ゆ、ゆにおん?いえ、聞いたことはありません」


「これらお取り寄せの商品や共通金貨の出所がその星間連合という場所らしく、いま裏付けを取っている最中なのですが」


「どこから送られてくるのか興味はあったのですが確かめる方法も分からなかったので…もし分かったら教えていただけますか?」


ロスミアさんは興味津々と言った感じで僕を見上げてくる。


「確認できたら連絡しますね…そうだ。一応連絡手段を置いていきます」


インベントリに入っているすまほーちゃんのコピーを取り出し、ロスミアさんに渡す。


「通信手段?」


「離れた場所にいる相手と話の出来るアイテムです」


「…」


ロスミアさんからの返事はない。そんなに珍しいものだったのか?


お取り寄せの一覧には軍用のトランシーバーなども並んでいるが、そもそもこのページまでたどり着けなかったので購入には至らなかったのかもしれないが。


ハルミルさんにも渡してもらえるよう追加でもう1台を。


あのサイケ村長には渡さなくともいいだろうという気がするので2台だけとした。


ちなみにメールのデータは圧縮し、お魚婦人の端末へと送信済み。


詳細が判明したら連絡をすると約束し、コンビニを後にした。


---


「星間連合の卸している商品に間違いなさそうですわ」


例の次元の窓へと戻り、購入した携帯食糧をお魚婦人に見ていただくと、星間連合で流通している商品だと判明。


エナジーバー風の携帯食には星間連合の証である紋章が印刷されていると。


黒地に銀色の銀河を抽象化したような図形がそうらしい。


まぁ、初見では分からないですよね。企業のロゴかと思っていましたので。


「それで、先程の廃棄された惑星というのは?」


「星喰いによって荒された星は二度と元に戻らぬほどの損害を受けることが殆どで、星間連合で生存者を引き取り、星を閉鎖するのですが…」


いつ戻るかも分からない星喰いに注意しながらの生存者救出。


当然のことながら全員を助け出すのは非常に困難。


そういった星々でなんとか命をつないだ人たちが星間連合に気付かれることなく細々と暮らしているのではという推測らしい。


「そういえば国に当たる組織が無いと聞きましたが、そういった統括する系統もすべて失われた星と言うことになるのですか…」


おそらくは星喰いによって星の環境を大きく変化させられ、例のコンビニを中心に生き残った人たちが村を興したのかもしれない。


「中継端末にアクセスできれば星の位置は特定可能と思われますが、それが住民にとって果たして良い事なのかどうか判断が」


星間連合から見れば人が生きていける環境を保った星は相当な価値があるだろう。


ただ、その星自体の全容が不明でわずかな人々を支えるのに精一杯だった場合、侵略戦争にも発展しかねないだろう。


あの星に住む人たちに防衛手段はほぼ無く、一方的に制圧されるのが目に見えている。


「この件も星間連合には報告をしないと約束しますわ」


サブロニアに関してもお魚婦人のところで止め置いてもらっている。


ファンタジー側の世界も無理に現在位置を確かめようとすれば星間連合に情報が伝わる恐れがあり、実行しないことに。


---


「度々すいません、大体の事が分かったのでお伝えに」


ロスミアさんのお店にはハルミルさんのお姿も。


劣獣をいくつか狩って魔泉の納品に来たらしい。


「あの、ゆにおんというものについて教えていただきたいのですが」とハルミルさんがきつねみみとおしっぽさまをゆらしつつ尋ねる。


「僕からもある程度の説明は出来ますが…その星間連合に所属する方がお見えになられていますのでもしよろしければ」


お魚婦人に直接聞いてもらったほうが良いだろう。


「ハルミル、お願い」


ロスミアさんは店番があるのでここを離れられないという。


「少しの間でしたらアヒルちゃんに任せてもらえませんか?店番」


アヒルちゃんにはレジのマニュアルを流し込み済みでお店の運用については問題なくこなせると思われる。


とはいえ魔泉の買取と共通金貨の払い出しや預け入れくらいしかやることが無いのですが。


「ぐえ」


店番に特化したアヒルちゃんを顕現させ、さっそく任せることに。


「お店を離れるのはいつぶりかしら…」


以前は母親と二人で交代していたが高齢により母親が引退し、今はロスミアさん一人で回していると。


「後継者を探そうにも村の人はここのしくみを覚えてくれようとしなくて…ハルミルはちょっとそそっかしくて任せられないというか」


「ロスミアごめんね、お手伝いできなくて」


ハルミルさんどうみてもパワータイプの方のようですし。


そんなわけで二人を連れ、次元の窓へと向かうことに。

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