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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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意外な言葉が通じる異世界人と勇者

さすがに窓が開いたらちょっと危険だよなと思っていたら、壁際にインターホンらしきものが生えてきた。


イメージとしては空港などにある窓越しに会話できるタイプの受話器付きとでも言えばよいか。


あちらにも同じものが生えたらしく、少し動揺が広まっている。


受話器を取り、耳に当てるようゼスチャーをすると浮遊車両の扉を開けて身を乗り出していた一人が同じように受話器を取る。


どの言葉が通じるのだろう。


まずはお魚婦人の共通語で「こんにちは」と話しかけたが反応はいま一つ。


ライスリッチフィールドで使われている言葉で話すと意外にも伝わったようだ。


『ここは管理政府の建物、なぜあなた方がそこに?』という言葉が。


ちなみにこちらはスピーカーモードにしているので王妃様にも話は聞こえている。


受話器を耳に当てている必要はないのだが、とりあえず。


「信じられないかもしれませんが、こちらはあなた方の世界とは異なる場所となります。亜空間を利用した建物を作った際、偶然につながってしまったようです」


『異なる世界?あくうかん?』


まぁ、信じられないだろう。


向こうから見ればビルの一室を不法に占拠しているとしか見えないだろうし。


他の4台の浮遊車両からも乗員らしき人物が顔を出す。


皆一様に深緑の慈悲をスリムにしたようなスーツを着用。顔は見えず身長もばらばらである。


あちらの方々が集まり何やら相談をしている。


10分ほどして話がまとまったのか、最初の方と思われる人物がインターホンに話しかける。


『我々では対応が難しい為、上の者を呼びます』


割とおおごとになった気がする。こちらは上の方、それも最上位の方がいらっしゃるのでその旨をお伝えするとまた集まって会議を始めた。


---


特に進展は無いが僕は窓際で警戒を続け、王妃さまは溜まったお仕事を消化中。


そういえばお昼ご飯食べてなかったなと思い出し。


王妃さまに食事もとらせないのはどうかと思い、ご飯を食べていただくように進言したのだが1食くらいは大丈夫みたいなことを言われてしまった。


さすがにエナジーバーをお出しするわけには。


アヒルちゃんの中にグランディオーラ産のものとバイオプラントで試作したものが大量に入っている。


僕一人だけ食べるわけにもいかないのでとりあえずあちらの世界の進展を待つことにした。


『勇者さま、本日の営業無事終わりました。お屋敷に戻ります』と姫さまから連絡が。


この様子だと日の出荘の最上階で起きている現象に気づいていない様子。


「姫さま、実は…」と事の次第を伝えると『今から日の出荘に向かいます!』と。


いや、大丈夫かな?


絶対窓際で観察したいと言い出すだろうし。


なるべく事を荒立てないようにしたいのだが。


ちなみにあちらは完全に待機状態となっており、最初に話した一人が連絡役としてインターホン近くに陣取っている。


インターホンの呼び鈴を鳴らすとびくっとなる方。


急いで受話器を取る様子を確認。


『すいません、今から40人ほどこちらに人が来るのですがあまり驚かれないように先に伝えておきます』


何のことやらという感じで首をかしげている。


まぁ、来れば分かる事なのでそれ以上の説明は省略した。


---


「勇者さま!ただいま戻りました!どなたかいらっしゃるのですか?」


エレベーター4基を使って全員が最上階へと足を踏み入れ、近未来側の窓に押し寄せる。


日の出荘の皆さんは遠巻きに様子を伺っている。


ただでさえ威圧的な緊急車両らしきものが5台も並んでいるのだ。


それが普通の反応だと思うのですが、うちの子達は窓にかぶりつきで車両を見ている。


おどろいたのはあちらのほうでしたね。


いきなり同じ格好をした少女ばかりが大人数で押し寄せればおどろくなという方が無理がある。


『そ、そちらの方々は…』


「全員僕の家族です」


無言だったが何を言っているんだという感じが伝わってくる。


ちなみに声の主は女性っぽい気がする。なんとなくだけど。


あちらの世界に性別があればの話ですが。


うちの子達が入れ替わり立ち代わり様子を見ていると、空の向こうから黒い点が近づいてくるのが見えた。


---


長さは20mほどあるだろうか。


いわゆるリムジンに似た黒塗りの乗り物が近づいてくると、窓を取り囲んでいた一団が場所をあける。


その間に割り込むようにしてリムジンが横付けされた。


そして今まで見たことのない人型の飛行物体も。


サイズは縦3mくらいあるだろうか。


武装らしきものもしており、リムジンを守るように展開。


「姫さま、ちょっと離れてもらっても?」


「はい、勇者さま!」


うちの子達を窓際から下がらせ、ひとまず僕一人で対応を。


王妃さまも少し待機を。今にも窓際へ移動しそうだったので。


リムジンのような乗り物から足場と手すりがせり出すと、ドアが上方向へと開き中から人と思われる影が。


---


やはり宇宙服めいたスーツのようなものを身にまとっているが顔の部分は透明なドームとなっている。


少しくすんだ赤色の髪が見え、顔立ちは女性のようにも。


この世界の性別については何の情報も無いのであくまで雰囲気だが。


先程対応していた方が何やら話しかける。


インターホンの説明をしているのかもしれない。


リムジンはさらにこちらに近づき、せり出した足場と窓際の距離はほぼゼロに。

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