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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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近未来側の窓に起きた異変と勇者

「勇者さま!赤い光が!」


「緊急車両かな?いやそうとも限らない?」


遠すぎてかすかにしか聞こえないがサイレンのような音も。


上下に赤く点滅するライトを装着した浮遊車両が十数台、隊列を組んで空を飛ぶ。


「一度ログアウトして様子を見て…」


それらの車両はものすごい勢いで画面の端から端へと移動しすぐに見えなくなった。


何かしらの緊急事態が起きたと思われるが、境界の地からそれを確認する術はない。


「無線の傍受とか出来れば良いのかな?」


当たり前すぎて思いつかなかったが、何かしらの文明社会が形成されているのなら通信のインフラもあるはず。


通信であれば電波も利用されていると思われるのだが、相手は異世界。


もしかすると電磁波ではなく魔力等を用いた通信手段も発達している可能性がある。


今すぐには用意出来ないがオールレンジの受信装置を近未来側の窓際に設置してみようと思う。


もしかしたら通信衛星の電波も拾えるかもしれない。


窓越しに行けるかどうかはやってみないと何とも言えないが。


しばらく近未来側の様子を見ていたが先程の赤いランプを付けた車両が戻ってくることは無かった。


事態が収束していないのか、別の経路で帰ったのかは定かではない。


地球時間で深夜4時ごろとなり、ひとまずログアウトする事となった。


---


「勇者さま!起きてください!」


姫さまにゆさぶられて目を覚ますと姫さまがどアップになっていた。


時間的にはまだ余裕はあるはずだけど。


「窓の外に、あちらのこうそうびるがならんでいるほうに!」


とにかく窓の外を見ろと言わんばかりに顔をぐいと向けられた。


近未来側の窓に異変が!


「夕べの緊急車両?」


1両だけだが赤色灯らしきものを車体の上下に取り付けた浮遊車両が窓の前に浮いている。


ちなみに車両には窓ガラスなどは無く、単に長方形の移動物体といった感じのものだ。


目覚めたうちの子達は興味津々といった感じで窓際で観察中、日の出荘のみなさんはファンタジー側の窓際に避難していた。


この温度差は一体…。


「向こうから見えているのかな?」


僕も起き上がり、窓際へと移動。


まぁ、何かあればすぐにでも深緑の慈悲を呼ぶのだが。


とりあえず手を振ってみる。


おお、後ずさりしたぞ。


何とか友好関係を結びたいところだが、さてどうしたものか。


中に人が乗っているのなら顔を出しても…と思ったが、そもそも車両に窓が無いんだよな。


見つめ合うこと1分あまり。


浮遊車両は反転するとあっという間に飛び去った。


もしかして応援を呼びに行った?


「姫さま?」


彼女は先程からすまほーちゃんで今の様子を緊急生放送していた様子。


すぐにオパール王妃から今の状況について説明を!という電話が掛かってきた。


僕も起きたばかりで何が何やらさっぱりなのですが。


---


そんなわけで今まで何も無かった近未来側の異変に恐れおののく日の出荘の皆さん。


この窓が破られることは無いし、危険は無いと伝えているが不安を拭い去ることは難しそうだ。


先程の車両に敵意がない事を証明出来ればいいのだが、かれこれ30分ほど待っているのだが一向に姿を現す様子は無い。


「そろそろ朝食の時間ですので一度下りますか?」


この部屋の様子なら2階のラウンジでも確認できる。


姫さま達は朝食の後、日課の境内清掃が待っているのだが。


「僕が残って様子を見ますので」


タングラート行をキャンセルし、今日一日は窓の見張りに徹することとした。


何かあればすぐにご連絡するという事で。


そして一つ問題が。


オパール王妃が視察をしたいと無茶ぶりをされるのですが…。


一国の王妃が来て安全を宣言してくれるのならそれに越したことは。


しかし、本当にフットワークが軽いよな…。


ここに書類を持ち込んで決済作業をリモートでやるそうで。


いつの間にか謎ノートPCとモバイルスキャナが準備されていた。


僕は関わっていないので多分双子だろうけど。


本当にいつ作っているのか非常に謎なのですが。


僕は僕で執務用に机や椅子などを適当にお出しすることに。


---


そんなこんなで1ニール、2時間ほどでオパール王妃と直属の部下の方数名が日の出荘に訪れた。


日の出荘のみなさんは神社へと出勤しており、特に騒がれることもなく。


そのままエレベーターで最上階にご案内をし、近未来側の窓際にしつらえた執務机に必要な機材を並べるお手伝いを。


決済の書類などは兵士が城と日の出荘を往復して持ち運ぶ。


そこまでの仕事は無いというが結構な分量が運び込まれている。


日の出荘最上階はあっという間に社長室と言った感じの雰囲気に。


「明るすぎるようでしたら対応しますが」


窓にブラインドを出そうと思ってバックヤードにアクセスしようとしたがせっかくの眺望が台無しになるからと断られた。


まぁ、見晴らしはいいですよね。


正面には近未来のビルが立ち並ぶ異世界、振り返れば太古の森が生い茂るファンタジー異世界。


「城からの眺めも良いですが、こちらも良い環境です。数日に一度はこちらで職務を」


再現性があるのなら王城近くに日の出荘を建てればとも思ったが、ここへの移動も含めての息抜きみたいなモノが欲しいようなので黙っておく。


しかし先程の緊急車両、ずいぶんとのんびりしているなぁ…。


2二―ル、4時間ほどが過ぎたあたりでまた異変が。

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