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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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タングラート城敷地に「おおえだちゃんのおうち」を生やす勇者

現城主ご夫妻から依頼されたのは「おおえだちゃんのおうち」をタングラート城敷地内へ作ってほしいという内容。


「今でしたらいくつか形が選べますけれど…」


先日作った日の出荘のキューブもいくつかコピーがあるので地面があればすぐにでも建築可能だ。


タングラート城地下には大海原を渡る民が遺したロジスティックハブを動かすためのサブリアクターが埋まっており、新たに作る必要はない。


しかし、お二人はあの形が良いのだと。


ここタングラート城には迎賓館に当たる建物が無く、城内の部屋を改装して国賓用に割り当てているというが、ここでちょっとした文化の違いが使い勝手を悪くしている。


基本的にタングラートはどう見ても江戸後期あたりの日本文化のようなものが根付いており、建物は基本土足禁止。


外から招くお客様にそのルールを押し付けるのもどうかという思いがあるとか。


アトレーンやライスリッチフィールドからは割と頻繁にお客様がお見えになるそうで。


ということであれば「おおえだちゃんのおうち」をさっくりと生やしてしまいましょう。


---


「リブート!「おおえだちゃんのおうち」!」


城の空きスペースにいつものごとく光が降り注ぎ、プラスチックめいた大木がその姿を露わにした。


『おおえだちゃんのおうちまーくつーかんせいなの』です』


すまほーちゃんから双子の声が。


おそらくタングラートに放っているドローンから様子を見ていたのだろう。


マークワンとの差は特に無い。


原色に近いつやつやした茶色い幹にこんもりとした緑の枝葉がデコレートされた謎のホテル。


見た目はもろにプラスチックであるが材質は魔帯石であり問題は無い。


内部は今のことろ10階建て各フロアに10室、全室ツインとなっているのでご要望に応じて部屋のレイアウトを変更する必要がある。


ハマトーメン村のように100畳敷きの和室を生やしたり、自習室を設ける必要は無さそうだけど。


学校が必要なら別に生やせばよいだけの話ですので。


しかし歴史ある和風建築の王城隣に生やしていいものだろうか。これ。


---


「そういえば受付…」


ハマトーメン村は干物精霊達が進んでアシスタントをやってくれているので問題は無いのだが、ここには彼女達は居ない。今のところ。


手の空いている干物精霊を呼ぶか、このあたりを根城にしている干物精霊に声をかけるか。


精霊溜りはあまり手を加えてはいけないと言われているのでこちらから出向くわけにはいかず、彼女達が興味を持つまで待つしかないか。


と、思ったら良く知った魔力反応が近づいてくる。


「預言書の勇者さま!」


この辺一帯を束ねる精霊の長、アクアさんが様子を見に来た。


「おおえだちゃんのおうち」を建てるのに随分と魔力を使ったので、なにか異変があったかと確認に。


現城主夫妻はアクアさんの登場に驚いていらっしゃる。


初対面ではなかったと思うのですが…そういえばアクアさん。ずいぶんと体が大きくなっていますね。


幼児サイズとでも言いますか。普通に5歳くらいのお子様に見えますし。


着ているのがスク水というのがちょっと倫理的にどうかと思うのですが、これは由緒正しき光の女神さまから賜りし衣ということなので。


当時のみっちゃんさん、何を思ってスク水を着せたのか本当に謎なのですが。


水の精霊だからアクアというひねりの無いネーミングもそうですが。


「アクアさん、ちょうど良いところに」


今現在、タングラート城の人的リソースは壊滅的な状況となっており、お城のメイドさん達をこちらに派遣するのも難しい状態。


現城主さん達は自分たちで来客の接待をしようと考えていたようですが、ホテルの業務って割とやることが多いんですよね。まぁ、ほぼ児童・・化されてますけれど。


今、ハマトーメン村でくつろいでいる干物精霊とタングラート城に近い場所にいる干物精霊を何人か交代させ、ハマトーメン村では研修を、タングラートではそのままオペレーションに入ってもらおうかと考えた。


もちろんこちらでも研修は行いますが。


おきゅうきんは僕の魔力。


一応精霊女王にも話を通してからのスタートとなるが、多分問題は無いだろう。


というか成長したアクアさんの件を精霊女王にも伝えないと。


これ、やっぱり僕の魔力放出が原因ですよね。


大黒屋さんを救った際、リミットを無視してオーバーフローさせましたし。


以前の僕ならぶったおれて数日寝込んでいたくらいの放出でしたが、あの時は特に倒れることも無く。


自分の魔力量をはかる術が無いので非常に困っています。


放出しなければ溜まる一方で命の危険が、そして大量に放出すればやはり命に係わる。


毎日何人もの地精霊に魔力を吸われても一向に減る気配はない。


特にどりあーどさんの吸収量がえげつないのですが、僕からしてみればスポイトで一滴吸われたくらいの感じで。


以前、ユークレスさんがチャレンジしましたがほんの数秒でしりもちついていましたし。


僕を見上げるアクアさんを抱き上げ、すこし魔力を吸ってもらうことに。


なんというか絵面が非常にデンジャーデンジャーですが。


「シロもだっこしたいにゃ」


「拙者も!」


アクアさんが困ってましてよ?


---


「と、見ていただいた通りでして」


『こんなことならわらわも行くべきだったな』


すまほーちゃんで連絡を取ると、こちらの様子を見ていたらしいマイアさんから半分呆れたような感じで返事が返ってきた。


繰り返しになってしまうが、精霊の格というものは長い年月をかけて徐々に上げるもので、このような急激な成長は精霊の精神に異常をきたす恐れもあると。


ハマトーメン村の干物精霊達は一気に百年以上をジャンプしているというので僕の魔力がいかに毒であるかとマイアさんから繰り返し注意を受けているのですが。


まぁ、その毒を率先して吸収しているのも注意している本人という。


マイアさんくらいの格になれば特に影響は無いと言ってますが、なにしろ自己申告なので信頼度はいまひとつ。


「預言書の勇者さま、精霊女王様にごあいさつに行きたいのですが」


一時的であればこの場を離れても問題ないというので、アクアさんを連れてライスリッチフィールドへ戻ることにした。


「おおえだちゃんのおうち」の調整に何日かかかると思うのでしばらく通うことに。

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