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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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お屋敷に軟禁される勇者

「今日は勇者さまが働かないよう見張っています」


翌朝、僕は姫さまの監視下に置かれることに。


監視員は姫さまだけではない。


うちの子全員が名乗りを上げ、今日はお屋敷に軟禁される事となった。


「見張りも不要ですから学校へ…」


「本日はりもーとで。ルナール先生にも許可を得ています」


姫さま達は学校と言う雰囲気を味わうために登校していたのであり、授業ならお屋敷でも受けられるのだ。


しかしそんなに信用無いのか僕。


「勇者さまをお一人にすると何が起こるか分かりません」


そんな訳でうちの子達に見守られながら一日を過ごすことになったのだが。


---


「シルフィール、そろそろ交代して」


「仕方ありません」


僕の膝から姫さまがおしりをどけるとつぎのおしりがやってくる。


「お兄さん、じっとしててね」


「フィリー、どうして向かい合わせになっているのですか!」


「だった、お兄さんの顔色が見えないじゃない」


僕の膝の上の争奪戦は例によって謎の抽選装置によって行われ、姫さまは20番目位となり、いまはフィリーが僕の膝を独占中だ。


すまほーちゃんやさいせいくんRXも取り上げられ、体の自由も奪われたまま。


食事とトイレは許してもらっているがそれ以外は囚人のような待遇となっている。


ただし重しとなるのがうちの子達なのだが。


あとは授業の時間に少しだけ解放された程度で。


「姫さま、せめて神社の様子だけでも…」


「マーガレットが様子を見に行っています。勇者さまは何の心配もなさらなくて大丈夫です」


マーガレット隊長か…大丈夫かな。


「あれ?フィリー?」


お目付け役がしがみついて寝ているんですが。


しかしすごいホールドだよな。両腕も封じられて本当に何も出来ない。


「姫さま、ちょっと助けてもらえませんか?」


「たった今はフィリーの時間なのでどうする事も出来ません」


「そうですか…」


僕もしばらく目をつぶって眠ることに。


夕べはろくに寝られなかったし。


---


勇者が少女達に拘束されていたころ、地球ではちょっとした騒動が起きていた。


「校長先生、どうかダイブマシンの解放を!」


昼休みになり、一足先に昼食を終えた校長が書類に目を通していると校長室に複数の女性教師が乗り込んできた。


今のところは何の副作用も無く、VRマシンの中で入浴するだけで肌艶が良くなる現象。


「その件はクロツキテクノロジー社の調査待ちだと」


「いつ分かるんですか!」


目の下に隈を作った長身の女性が絞り出すような声で尋ねる。


そして気付いてしまった。


校長の肌艶が保たれていることに。


「校長、もしかして校長だけダイブマシンに…」


「そのことだが、クロツキテクノロジーから人体実験のサンプルとして選ばれて。今回の調査に協力している最中だ」


嘘は言っていないが、人体実験などと物騒なことを口走ったのはこの場を抑える為。


「…人体実験…それはわたくしたちも望めば受けられるのですか!」


抑止力にはならなかった。


佐々木社長からはヘルメット型のフルダイブシステムに関して人柱を集めていると聞いたのを思い出した校長。


「結果に関しては自己責任となる。何が起こってもだれも補償をしない。そんな危険を受け入れられるのか?」


「「「はい!」」」


女性教師たちの美への執着心はその程度のことでは揺るぎもしなかった。


「それでは、ちょっとまっておれ。専属のアドバイザーに連絡を取るから10分ほど席をはずせ」


---


あれ?ラージソードガールのOPが。


「勇者さま、山本校長先生からです。お休み中と伝えておきましょうか?」


「話だけ聞いてやっかいそうなら断りましょう」


居留守を使うのもためらわれたので電話に出ることにした。


スピーカーモードにしてもらい話をすることに。


たった今はサフランに拘束されている。


「益田です。何かありましたか?」


『日中にすまない。あのヘルメットだが20個程度用意出来ないかの確認を』


話を聞くと、高校の女性教師たちが例の肌艶効果の件で暴動寸前だと。


「社長に聞いてみますね。被験者は多いほうが良いですけれど」


必ずしも効能があるとは限らないので、その辺は実験次第という感じなのだが。


一旦校長先生との通話を切り、姫さまに尋ねる。


「姫さま、何もしない日ですが社長に確認の電話くらいなら良いでしょうか?」


「電話するだけですよ。境界の地へも行くのもなりませぬ」


そんなわけで電話の許可をもらい、まずはメッセージで前振りを。


---


「とまあ、そんなことがありまして」


『20と言わず200でも2000でも問題ないが』


「まずは先生方だけでテストをしてもらってからですかね…」


おそらく先生方が綺麗になれば生徒も気づくのではないかと言う推測。


薫先生の肌艶も最初に見抜いたのは女子生徒だったというし。


DSOVRのベータ版に向けてヘルメットの量産体制を整えている最中だと。


使用する部材は簡易チェア型の1/10以下となり、ヘルメット自体も既製品を利用すると。


「学校まるごとサンプル取りに使えるということですか…」


『そういうことになる』


なんか悪そうな声が聞こえた。


ひとまず結果を校長先生へと伝えることに。


受け渡し場所は学校で良いだろうか?その辺も確認が必要だ。

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