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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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洞窟温泉に突入する勇者

物流倉庫の設置は明日の日中に行う事とし、いつものように夕食とお風呂を済ませた後、境界の地へと向かう。


今夜もお風呂の検証を行う予定なのだが、露天風呂は昨晩入ったので別のお風呂を選ぼうと思う。


「今日は洞窟温泉にしますか」


「どんなところか興味があるのう」


「入ってみてのお楽しみと言うことで」


「小僧、鼻息がこそばゆい」


毎度のように十六夜さんの股下に顔を突っ込んだ状態で転移してきた僕。


今日のお召し物は何故かバックプリントがトランプ柄でスペードのエースとジョーカーが描かれている。


何の意味があるのかは不明だし、誰が用意したのかも謎だ。


これはひなちゃんのチョイスとは思えない。


あまり見つめているとあらぬ誤解を招きそうなのでスカート下から脱出。


ちょうどひなちゃんが居たので尋ねたのだが自分では無いと。


誰なんだろう…十六夜さん自身が選ぶにしては割と渋い感じが。


「DSOVRに行ってきます」


「ではわたくしたちはこちらで待機を」


薫先生たちのお迎えに行かないと…。


姫さま達はしばらくお待ちいただくことに。


---


「益田くん、今日はどこへ?」


「洞窟温泉が気になったのでそちらへ…」


「どんな場所かしら…」


薫先生は入ったことが無いらしい。というか殆どの皆さんが未体験だという。


似たような温泉はエリオ村の近くやグランディオーラで入ったことがあるが、地球の洞窟温泉は初だ。


このホテルのウリは海底温泉、露天風呂、そして洞窟温泉。


他には部屋ごとに総ヒノキ造りの内風呂があると聞いているがそちらはまだ確認していない。


泉質は同じようなので検証には差し支えないだろう。


洞窟温泉は温泉ホテルの中を少し進んだ先にあるようなので通路をぞろぞろと移動。


「このホテルの渡り廊下、独特な形よね」


「勇者さま、この通路はどうして丸いのでしょう?」


「何故でしょうね…特に機能的な有意性は感じないですが」


各建物の間は直径数メートルほどある円筒形の通路で結ばれている。


さながら宇宙船の間を行き来するエアロックのような雰囲気も。


ホテルという非日常空間の演出だと思うのだが、それは設計者にしか分からない。


通路の壁、等間隔に開けられた丸窓から外が見えるのが珍しいのかちょっとだけ歩みが遅くなる。


まぁ、検証は急いではいないので問題ないのだが。


「今日はココナがお背中を流しますね」


すっかりうちに馴染んだココナが僕の手を握り、にこにこと微笑む。


夕べは十三夜ちゃんだったっけ?


僕の背中は一つしかないのであまり大勢で洗われると背中の皮がデンジャーになりそうな。


数分ほど歩いてようやく洞窟温泉の入口へとたどり着いた。


ここにもゲームコーナーがあるのだが、ちょっとだけラインナップが異なる。


ゲームよりもお風呂が先ですよ?


それにここのゲームは鬼畜難易度ですし。


なに!達〇王が置いてある!


ふらふらと吸い寄せられる僕は姫さまに手を引かれ温泉へと連れ込まれた。


---


「勇者さま、どうなされたのですか?」


「ちょっと気になるゲームがあって」


男女別の更衣室で着替えを済ませ、いつものバミューダで温泉入り口に集合。


先程ゲームコーナーへ吸い寄せられた件を姫さまから聞かれたので素直に答えた。


お風呂上りに1プレイしたいところだ。多分1面途中で全機崩壊すると思うけど。


まずは洞窟温泉で検証をしないと。


入口はどう見ても洞窟ですね。掘りぬいた岩盤がそのまま露出。高さは3mくらいあるだろうか。


洞窟温泉と言うと入口が極端に狭く、屈んで入るイメージだったがここは違うらしい。


通路は一応男女別になっているがみなさん水着着用なので問題ない。


皆さん男湯のほうに行くようだ。何故?


「先が見えないにゃ。サブローどうするにゃ」


「そのまま進みましょう。中は普通に見えると良いんですが」


照明は最小限、それも奥から湧き出る蒸気で何も見えない。


転ばないよう手探りで先を進む。


前が見えないので皆さん手をつないでの移動となった。


「どりあーどは見える」


というので先頭はどりあーどさんが。


シロさんも暗視は出来るはずだが蒸気には対応していないのか。


20mほど進むと視界が開ける。


---


天井までは10mほどあるだろうか。


縦横は40mほど。中は床がタイル張りとなっており、壁は掘りぬいた岩がむき出しとなっている。


籠っていた蒸気は天井付近にある穴から抜けているようで、視界はある程度確保されていた。


照明も通路よりは明るく、安全面に配慮しているのか。


僕はさっそく備え付けの洗い場に連行され、背中を流されることに。


「どうでしょう?だんなさま」


「ちょうどいいよ、ココナ」


ユークレスさんがうらやましそうな顔でこちらを見ている。


一応ユークレスさんの過度なスキンシップは禁じられ、ココナとの関係はニュートラルに。


最初が最初だったので、ココナは積極的に近寄ろうとしないのだ。


ユークレスさんはココナが歩み寄るのを待つしかないので歯がゆいのだろう。


おさわりを爆発させればまた元に戻ってしまうので、両手をわきわきさせながら僕を見ている。


「ココナ、次はユークレスさんを洗ってあげて」


仕方ないので助け舟を出すことに。

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