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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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全自動倉庫の発注と勇者

「姫さま、特に何も無いですが見学を?」


「はい!勇者さまがおつくりになられた場所を是非確認したいと」


本当にただの倉庫で窓すらないのですが。


内部の空気は人が居る時は循環するようになっている。


生体反応が無くなれば空気の循環を止め、時間の進みが極端に遅くなるよう設定をしている。


特に今回の証拠物件は生ものの為、痛まないように特殊な環境が必要だ。


ぞろぞろと倉庫内へと進入する皆さん。


ちなみに床や壁は明るめのグレー一色となっており、非常に寒々しい印象を受ける。


他に目立つのは通気口くらいだろうか。


内部の温度は生ものの貯蔵をするため20度以下となっており、見学者は少し震えながらあちこち見て回っている。


「勇者さま、この倉庫はまだ広げられるのでしょうか?」


「はい。一応サブリアクターの容量が許す限りですが」


無限倉庫と言ったがその広さは亜空間を維持するためのエネルギーによって決まる。


付帯施設のないタダの空間であれば一キロ四方に拡張したところで何の問題もない。


あまり広げすぎるとモノの整理が追い付かなくなりそうなので、自動倉庫のような仕組みを取り入れたほうが良いだろう。


たった今は一か所に木箱を無造作に積み上げただけなのだが、場所が埋まる前に児童化・・・してしまうのもありかもしれない。


似たようなことは境界の地でもやっており、あそこはワイヤシェルフの森のようになっていますが。


どれだけインストールしたんだろうって感じで書籍や衣類がカオス状態で詰め込まれている。


バーゲンコーナーに出している衣類はその一部と言うのだから。


話がそれた。


倉庫の管理パネルにアクセスし、自動倉庫のセットアップを行う。


床から堅牢な棚がせりあがり、オートリフトも合わせて設置。


倉庫の隅に積みあがった木箱を児童的・・・に判別し、今組みあがったばかりの棚に押し込んでいく。


「勇者さまこれは…」


「せっかくなので自動倉庫を実装しました。証拠物件にタグをつければ勝手に保管してくれるように」


オートリフトが木箱を器用に掴み、流れ作業で仕分けを行う。


Aで始まる某巨大企業の縮小モデルとでも言えば良いだろうか。


あそこは確か棚が人の近くに来てピックアップは目視だと聞いたような気もするけれど、うちは全児童・・・となっている。


アヒルちゃんのように意志を持った機構にしようと思ったが、暴走した時が怖いのであくまでプログラムに従って動くだけのモノとした。


「勇者さま、このじどーそうこの件でおかあさまがお話をされたいと」


また何かヤバいものを野に放ってしまったかな。


技術汚染もほどほどにしないと何が起こるか分からないし。


---


「城に納入される雑貨を一括管理したいと…」


ほんの数分、姫さまがビデオ通話で伝えた内容はオパール王妃に充分すぎるほどのインパクトで伝わったようで。


「城では万が一に備え、同じものでも複数の商会を通じて買い付けております。買い付けに関してなるべく偏りが生じないよう気を付けておりますが…」


同じ価格で買うから平等に納入してねという話か。談合とかはないのだろうかと不安に。


モノの出入りはそれこそ目視で確認し、帳簿を見るのも複数人。


帳簿は複数に分散しており、それをまとめる大台帳のようなものもあり、どうしても発注漏れや重複が生じると。


複数ある入口と出口を一本化し、何がどれだけ残っていて、次はいつ発注すればよいかを可視化したいというのがオパール王妃の要望だった。


説明はこれとは異なったが僕の解釈と言うことで。


ほしいのは大海原を渡る民の遺跡で見たロジスティックハブであろう。


「わかりました。早速設計をしましょう」


これ、国家間案件だよね。


一国だけで独占するような内容じゃないし…。


---


御夕飯を食べた後、僕はさいせいくんRXでフローチャートとにらめっこしていた。


まずはモデルとなる小規模なシステムを組み上げ、問題なく動くようならそのままデュプリケイトして大型化リブートをすればよい。


「「しわけるちゃんべーたばんかんせいなの」です」


双子にも作業を割り振り、原型となるモデルが完成した。


画面の中では納入された物品にマーカーを付けて一時保管所へと送り込まれ、取り出し側からの指示でピッキングされ、搬出される様子が映し出される。


在庫が閾値を下回ると児童的・・・に発注指示がかかり、担当部署へと書面が回される。


定期的な仕入れが必要なものは日数でカウントし、児童処理・・・・される。


オートメーション化はそこまでで実際の注文はアナログ処理となり、発注後の納期などを端末から手打ちで反映させることで状況が可視化。


発注指示をしても反応が無い場合はアラートが上がる仕組みとなっており、欠品などが起こらないよう万全の注意を払っている。


どこのカン〇ン方式か!と言われそうだが。


あとは何がどれだけ消費されているかを確認出来、無駄に使われている物が無いか瞬時に判別も可能。


逆に殆ど動きのないモノを抽出し、劣化などしていないか確認することも。


おそらく穴だらけのシステムはなんとなく動くようになった。


各管理部門に謎PCを設置するなど作業はまだ残っているのだが。


新システムの設置場所は今日訪れた城の倉庫で良いらしい。

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