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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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大教会関係者への聴取と勇者

さすがにうちの子全員は多すぎるのでメンバーを厳選して送ってもらうことになった。


交渉役は十三夜ちゃんとなる。


独居房での聴取は場所が狭いため、地上の取調室へと移動。


自称神とのつながりが切れてなお敵意を向けてくる女性からは何も聞き出せていない。


魔導の発動が出来ないよう特殊な手枷を付けられた彼女はやや反抗するようなそぶりを見せつつも警備の女性兵士数人に取り囲まれ、仕方なく階段を上っている。


果たして十三夜ちゃんに説得が出来るのか…。


---


「大教会元支部長の十三夜。名前くらいは聞いたことがあるんじゃない?」


取調室に現れた十三夜ちゃんは椅子に座らされた女性に高圧的な態度で接する。


「お名前は…存じております」


顔見知りではないが名前だけは知っているというパターンか。


「見たところ、あなたも巫女だった…のよね。もうつながりは感じないでしょ?それが大教会のやり方。不要になれば何の前触れもなく切り捨てられるのよ」


「そんなことは!私には神の声を聴く素養があるといわれ、これまで数えきれないほどのお声を伝えていたのに」


「大教会からすればタダの便利な伝言役なのよ。昼夜問わず神を名乗る者の声が聞こえたらわずらわしいでしょ」


「そんな…」


「使い捨てられた以上、あんなところに義理立てする必要は無いわ。知っていることを話して楽になったほうがいいわよ」


神の声が聞こえるといってもラジオの受信機と同じでいくらでも替えはあるということか。


「ここにいれば大教会よりもいい暮らしが出来るわ。食事だってかちかちに固まったパンとお湯みたいなスープなんて食べなくてもいいし」


大教会の巫女は精進料理のような物しか口にできないと聞いている。


十三夜ちゃんも多分姫さまよりも年上だと思うのだが体の成長がよろしくない。


ちゃんづけで呼んでいるが本来の年齢はもっと上だろう。


年齢に関して聞くと物理で刺される世界なので聞いてはいないのだが。


ちなみに保護した時よりも肉付きがよくなって抱き着かれるとちょっとどきっとしますけれど内緒にしている。


そして十三夜ちゃんが僕に懐いている理由もよく分からない。


姫さまからたまになりませぬが飛んできますが、本人は気にしている様子もなく。


今は大教会の元巫女の件に集中しよう。


---


今は考えさせてほしいという女性の申し出に一旦独居房へとお戻りいただくことに。


一応監視カメラは付けさせてもらう。


「本当に強情よね…大教会の洗脳方法が変わったのかしら」


十三夜ちゃんは結果が出せなかったことに落胆している様子。


今までなら彼女の説得ですぐに折れていた巫女だが今回は割としぶとい感じがする。


まだ自称神とのつながりがあると思っているのだろうか。


「痕跡はあったけど、元はもうたどれないわ。あと気になったことが…」


十三夜ちゃんがいうには彼女自身、巫女としての適性がぎりぎりだという事。


僕達が頻繁に重要人物を捕まえて無効化しているので、もしかすると手あたり次第に巫女を乱造しているのかも?


これ以上被害者を増やさない為には出来るだけ早く本体を叩く必要がある。


つながりが切れた状態でバックトレースが出来るような魔導具を作れないか双子に相談をしてみよう。


幸い切れたばかりの被験者がいますので。


---


勇者が新たな魔導具の構想を練っているころ。


「ライスリッチフィールドに送り込んだ巫女が捕縛されました」


「巫女自らが動いていたと?」


魔導結界の外、大教会の本部のさらに奥にある執務室で不穏な会話がなされていた。


「巫女としての適性に乏しい者を使いましたので、「声」を聞き間違えた恐れが」


「聞き間違いをされては万が一の時に困る。適合者の選定は慎重に…」


「恐れながら…大教会への加入者も激減しており、新たな適合者を見つけるのは困難に」


各国から出された触れにより、大教会の信用は地に落ちていた。


宗派替えをする者も多く、新たに祈りをささげる者の獲得にも手こずっている。


各支部に一人は神の声を聴く巫女を置く必要があり、激減した信者の中から素質のある者を選んでリンクを結んでいるのだが、中にはその素質がぎりぎりの者もいる。


今回失敗した巫女もかろうじて声が聞き取れるだけの力しかなく、重要な部分が伝わっていなかったと結論付けられた。


「違法奴隷商から素質のある者を買い上げてでも巫女を増やす必要がある。すぐに準備を」


「大教会とのつながりが露見すればさらに事態が悪化するかと」


「何も大教会の名を出さずとも、例の偽勇者を名乗ればよいだろう。奴の名を汚し、素質のある者を手に入れられる」


こうして勇者の名が勝手に使われ、奴隷商から大勢の罪なき子供が買われることになった。


---


「ん?何かわからないけれど寒気が?」


何処かで誰かが悪い噂をしている気がする。


今のところの収穫は例のプラカード型魔導具くらい。


双子によれば修理は可能で、その際は無害な魔導具に作り替えるという。


プラカードから癒しの力が出るのはどうかと思うのですが。


書かれていた文言は僕が魔力を浴びせた際に消えており、今は無地となっている。


神社を開けた際、最後尾に置いて並ぶ人を誘導するのに再利用しても良いかもしれない。


そういえば捕縛した女性の名前すら分かってないんだよな。


どこから来たのかも不明となっている。


明日はそのあたりを聞ければよいのだが。

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