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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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お風呂のふにょむの謎と勇者

「そこで潜ってるの誰?」


「バレたにゃ!」


なにかやわらかなものに触れたと思ったら浴槽の中から人が現れた。


あれ?シロさんが二人?


向こうでブロックされているのは誰なんだ。


と思ったら、ブロックされている側のシロさんの形が崩れた。


「変わり身の術にゃ!」


「おお!くのいち!ぶんしんのじつ!」


ござる侍が何か叫んでいる。ぶんしんのじつ?くのいち関係あるの?


「シロさん!なりませぬ!」


もうぐたぐたである。


のぼせるといけないのでシロさんをひきはがしつつ早めに上がることに。


---


「仮初の体を見て思いついたにゃ」


地球から来ている皆さんは魔素で構成された器に一時的に精神を宿らせてこちらに顕現している。


シロさんはその仮初の体を自らの魔力で作り出し、いわゆる木偶の坊にしたと。


「百合の騎士の着ている鎧も似たような物にゃ」


ある程度下地があるからこそ出来る技ということか。


いくら接近禁止令が出たからと言ってそこまでして僕にくっつきたいのかシロさん。


「サブローのそばにいるのが一番落ち着くにゃ」


精神安定剤か何かですか僕は。


姫さまもそこまでして僕にしがみつきたいシロさんの根性に根負けしたようで接近禁止令は撤回となった。


縛るから余計に固執するのだと姫さまも気付いたようで。


お風呂上りもぐだぐだのまま寝室へとなだれ込む。


ちなみに地球の方々は殆どがお帰りになられた。


何故か薫先生が残っていらっしゃいますが。


ああ、例のつやつや事件の続報的なものですか。


とりあえずお聞きしないと薫先生も落ち着かないと思いますので。


寝る前に30分ほどお話をすることになった。


未だにエステ疑惑は晴れないのだそうで、このままだと職員会議にも掛けられそうだと。


どうやったらそこまで飛び火するのやら。


---


「今日は境界の地に新たな施設を導入しようと思います」


「好きにしてもらって構わぬが、何度も言うがそこには耳も発声器官もない」


ユークレスさんが居たら一気に下ネタトークに持ち込まれそうだが回避した。


今日は水色のおぱんてぃーむさまでした。


スカート下から這い出すと社長たちの姿が。


今日は滞在時間を使い切っていないのでこちらに居られるのだろう。


先ほどまで話していた薫先生の姿もある。


先にこちらに来て話をすればよかったという説もあるが、あまり大勢には聞かれたくなかったのかもしれない。


「では、温泉ホテルをインストールします」


ここ、境界の地にも温泉は引かれているがあそこのお風呂は割と小さ目なので大勢で利用するのは無理がある。


サンセットビーチの一角、アミューズメントビルの隣に温泉ホテルを建てることになった。


この世界も本当にカオスになったよな。


実物大の最新鋭戦車、20両ほどに増えているし。


たまに陣取りゲームとかやるんですよ。砂浜で。


遊園地のゴーカート感覚で戦車を転がすってのもどうかと思うんですが。


砂浜の両端は1kmほど離れているので建物が一つ増えたところで問題は無い。


社長に頼んで追加してもらったオブジェ群を呼び出し、インストールを開始するとあっという間にアミューズメントビルの半分ほどのビルが立ち上がった。


「これ、名前大丈夫なんですか?」


「利用許可は取ってある」


ちょっと口には出せないですがハで始まるお宿が出現した。


海底温泉とかあるんですかね?ちょっと気になります。


---


真っ赤なじゅうたんの引かれたロビーを抜け、お目当ての温泉を探す。


温泉はいくつかあり地上の露天風呂、ホテルの部屋にある内風呂、そして巨大水槽のある海底温泉。それとは別に洞窟風呂なんてのも。


さっきお風呂入ったばかりですがここでも入る流れですかね。


境界の地で効果を確認、その次は地球にあるダイブカプセルにインストールした温泉ホテルでの検証と何段階かに別れている。


「薫先生、何処のお風呂にしますか?」


案内板に釘付けとなっている薫先生に声をかけると「ひゃっ!」と驚いた表情に。


「…気になりますか?」


「ええ、どんなものか実際に見ないと」


海底温泉が第一候補らしい。


そんなわけで皆さんぞろぞろと海底温泉へと移動を開始。


本来であればチェックインをして温泉利用のためのブレスレッドなどを持たないとならないだろうけれど、このコンテンツにはそこまでの機能は無いらしい。


しかし、無人の温泉ホテルと言うのもなかなか趣があって。


ホラー映画の導入みたいじゃないですか。とフラグを立ててみるも特に何も起こらず。


---


「勇者さま、これが海の底なのですか?」


「厳密に言うと海底を模した水槽ですが、おおむねこんな感じですよ」


巨大水槽の向こうには大小さまざまな岩を組み合わせて作った海底のオブジェがあり、タイやひらめといった食べられる魚が泳いでいる。


姫さま達は初めてみる海底の様子に釘付けとなり、水槽に顔をくっつける勢いで眺めている。


湯冷めはしないと思うけど。


「テレビのCMで何度か見たけど実際に行ったことはなかったのよね」と薫先生。


「わたしらもテレビで見ただけです」


カモネギコンビも初らしい。


昭和の時代なら温泉ホテルに社員全員で行って大宴会場を貸し切っての宴をやったり、温泉めぐりをしたりという文化があっただろうけど、今の時代はそこまでやらないだろうし。


そういえば検証と言いつつ、今日はお屋敷のお風呂にも入ってしまったのでどうなんだろう。


明日以降は境界の地の温泉だけを使ってもらうようにしないと。


「ますだっち!おはだすべすべでござるよ!」


根岸がやたらと二の腕あたりを見せつけてくる。というかアスリートみたいな体してるんだよね。


学生時代はカモネギコンビで長距離やっていたと聞いたけどいつまでも体形維持できるんだと変なところで関心を。


思わず上腕二頭筋のあたりを摘まんでしまった。もちすべ?

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