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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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2029/2399

初めて境界の地を踏む方々と勇者

その頃、バラドクでは御夕飯の後にアイリスの借りている6人部屋へ住人が集まっていた。


ベッドは2つに減らされているが、部屋のサイズはそのままなので数人が入っても問題ない。


「ゆうしゃから連絡があったらこれを被ればいいらしいけど」


アイリスは初めてみる魔導具に興味をひかれた。


興味を持ったのはアイリスだけではない。


バラドクを巣にしている筆頭のまーちゃんさん、サニーお嬢様とその侍女、かんなくずのアーレの姿もあった。


そして寮長と、普段は部屋に引きこもっているヨイヤミも。


他の住人は不在だったり別件で忙しかったりでここには参加していない。


そもそもバラドクに今誰が住んでいるのか、把握しているのは寮長ただ一人。


迷宮に向かう冒険者がかぶるものとはまた違った兜らしきものを入念に確かめる皆さん。


のぞき穴すらない兜など何の役に立つのかと。


勇者が謎PCと呼んでいた物体はアイリス達の部屋に置かれている。


これも時間のある時に使い方を説明すると言われたが、一抱えほどある箱とかなり大き目の情報石板、文字を打ち込むための板とあと一つ用途不明の小さな箱が。


情報石板には「接続待機」と読める文字が表示されているだけだ。


「あ、ゆうしゃからだ!」


アイリスの持つすまほーちゃんに着信があり、発信者は「ゆうしゃ」と書かれていた。


『アイリス、そろそろ時間だけど大丈夫?』


「ゆうしゃ、こっちは大丈夫だよ。借りた兜をかぶるだけでいいの?」


『かぶるだけで大丈夫。リモート…こちらから操作をするから、一応横になるか、背もたれのあるソファに座るかして体を安定させてね』


「わかった…みんなかぶったよ」


『それじゃあ向こうで』


通話が途切れると同時にアイリス達の意識はここではない何処かへと飛ばされた。


---


「ゆうしゃー」


「小僧、小娘たちが呼んでおるぞ」


「今日は何のキャラなんですかねこれ」


「わしに聞かれてもこまるぞ。ヒナが選んだものだからな」


いつものように謎なキャラが印刷されたおぱんてぃーむさまを拝んでから十六夜さんのスカートを出ると、バラドクから来たメンバーと思われる方々が一か所に固まって挙動不審となっている。


アイリスやリーナ以外、境界の地は初ではなかろうか。


「勇者さま、いつもの口上は済んでおります」


僕が十六夜さんのスカート下で観察をしている間にいつものセリフを取られたようだ。


「こ、古代遺跡!」と叫ぶアーレさん。


「アーレよ騒ぐな!何が起こるか分からんぞ」といつも冷静沈着な寮長さんも慌てている。


「益田さんこんばんわー」と現れたのは詩乃ちゃん。


無事に2回目のログインが出来たようだ。


自宅から接続しているらしく、かわいらしいパジャマ姿での登場。


「シノちゃん、お着換えに行きましょう」と姫さまが早速引っ張って行った。


「姫さま、アイリス達も」


こちらはまぁ普通の寝間着というか、着古した普段着といった恰好。


戸惑っているみなさんも含め、まずはバーゲンコーナーでのお着換えとなった。


---


「ここは古代遺跡では無いのですか?」


「どうなんですかね…そういわれるとそういう気もしてきました」


「サブローよ、さすがにここは遺跡として登録するのは難しいぞ」


さすが古代遺跡マニアのアーレさん。


境界の地が古代遺跡では?という質問が出た。


そんな観点で見たことなかったからなぁ。


一方、古代遺跡の第一人者であるユークレスさんからは否定的な意見が。


そもそもがここに入るための「口」が存在せず、魔導具に頼るか、僕の力を使わない限り来られない時点で古代遺跡というカテゴリから外れると。


古代遺跡登録の際に「口」の写真が重要になるということで、ダイブ用のヘルメットを写したところで証拠にするのは難しいと。


後はここの特異性。


ごく限られた人間しか入れない場所を公にしても良いのかという点。


お宝を求め、冒険者が探索しようにもそもそも探索の糸口すらない。


「ということでここは古代遺跡とは異なるという見解でよろしいでしょうか」


ちょっと納得いかないという感じのアーレさん。


ちなみに随分とカジュアルな姿に魔改造されている。


「アーレさん、あちらで写真を撮りましょう」と姫さまがアーレさんを引っ張って行った。


お着換えの後は大体撮影会になるので。


ヨイヤミさんは何故か紺色ジャージの上下を着用、下には「怠惰」と書かれたTeeを。


そして眩しいのかサングラスも着用。


基本的にお部屋は暗めでしたよね。


サニーお嬢様は休日を楽しんでいそうな子供服を着せられ、困惑の表情を浮かべる。


十六夜さんのようなゴスロリの方が似合うと思うのだが、誰が着せたのだろう。


「勇者さま、あの服を着ていただけませんか?」


例の中二病満載の黒いロングコート一式か。


どうしてあれが似合うと思うのか不思議でならないのだが。


姫さまの頼みであれば仕方ない。


空いている更衣室に入り、着衣変更パネルを操作して中二病スタイルへと。


---


「ゆうしゃー!暴れん坊ローブみたいでかっこいい!」


そっちに行きますか。


ローブと言うかロングコートですけれど。


あと、暴れん坊ローブは社外秘ですので。


サニーお嬢様達は確か知らなかったと思うけれど、ここでバラしても良いのか?


「あ、薫先生がログインした」


ひとまず薫先生の用事が無さそうならこちらに来ていただくか…。

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