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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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2023/2387

イタチウサギの石と勇者

「モンスターのドロップにこのような石を設定してはおらぬぞ」


イタチウサギの眼の色を思わせる真っ赤なルビーめいた石。


サイズは直径3cmほど。


詩乃ちゃんの人化竜、ヴァイスが大量に倒したイタチウサギの一体から出たと思われる。


買い取り可能なアイテムではなく、何か別の意味を持つと思われるが。


「詩乃、このアイテムを調べさせてもらっても?」


「はい、なんのアイテムか逆に調べていただければと思っていましたので」


いわゆるフレーバーテキスト的なものが出るのかと思ったがイタチウサギの石としか表示されない。


もっとレベルが上がれば見えるのか、そもそもこの石自体に何の作用もないのか。


詩乃ちゃんの人化竜取得と戦力の解析もほぼ終わったのでとりあえずの任務は完了。


そろそろ初回のタイムリミットとなるので境界の地へと一度引っ込むことに。


---


「ヤマ、このアイテムの詳細を知りたい」


『こちらでもログを確認していますが、ドロップ瞬間のパラメータ変動が見つかりません。こちらのサーバから提供されたデータとは異なるようで…』


つまるところ、この石はどこか別の次元から転送されてきた可能性があると。


僕のところに毎回といっていいほど送られてくる様々な武器についてもDSOVRのサーバから吐き出された物では無いと分かっている。


つまるところ、この石も存在Nが関与している疑いが濃厚ということだ。


あるいは第三者による…これ以上関与する者が増えたら困るのだが。


ちなみに今日の分の武装は確認していない。見なければ新しく追加されないので。


いい加減インベントリの中が武器だらけになってきたので武装フォルダを新たに作り、そこに全部仕舞ってある。


ほぼまともに使えるものは無く、大体がマップ兵器並みの殺傷力を持ち、使いどころが難しいものばかり。


ハンドガン系はそれでもまだ良いのだが、それでも一発の威力は今まで解放されたエリアの通常モンスターを一撃で屠るくらいの威力はある。


イタチウサギに関しては戦力過多もいいところ。


第二エリアのゴブリンキングも時間さえかければ削り切ることもできるだろう。


そんな武器の話は置いといて。


「詩乃ちゃん、まだダイブ続けられそう?」


「おじさんが心配していると思うので一度抜けます」


そろそろ1時間か。


課長も何もない場所を延々と探し続けるのもしんどいと思うし、今日は一度お開きにして夜中にログインしてもらうことになった。


「夜はたぶんじぶんのおうちからになると思います」


明日、日本は月曜で普通に学校があるから。


こちらの学校も一応休校日はあるのだがさすがに曜日がずれている。


詩乃ちゃんを見送ったところで僕達も境界の地からログアウトすることに。


---


「詩乃、一体何で遊んでいたんだ?」


「ゲームがいっぱいあるところ?」


「ゲームが一杯…温泉宿とゲームミュージアムどっちだ?」


「どっちだろう?」


「ああ、そういえばダイブマシンの紐づけしてなかった…いくら探しても見つからないわけだ」


課長と詩乃はほぼ同時にログアウトし、お互い何処にいたのかを確認している最中だ。


そういえばVRマシンの紐づけをしておらず、同じコンテンツを共有できない状態だったと今更気づいた課長。


「…紐づけはこれで。詩乃が家に帰っても同じコンテンツを遊べるようにしておいたから、何か質問があったら中で聞いてくれ」


「分かった!ありがとうおじさん!」


「何か遊びたいものがあれば用意するぞ」


「これ、ハワイとか行ける?」


「観光地の中にたしか…ハワイも入ってる。また急にどうして?」


「なんとなく」


先ほどまではゲームをやりたいと言っていた姪が急にハワイのコンテンツを遊びたいと言い出したので少し戸惑う課長。


移り気な妹に性格が似たのかとちょっと不安に。


「一応プライベートビーチでそこまで広くはないが…ダウンロード完了」


今度は二人でダイブすることにした。


---


「勇者さま、詩乃ちゃん今夜も来るんですよね?」


「あの様子だと多分」


「何時になるか聞いておきます」


姫さまは地球についてある程度の理解があり、あちらの時間がこちらと異なることも承知している。


すまほーちゃんの時計は地球のそれとこちらのアバウトな時間両方を表示するよう、双子によって魔改造済みである。


僕は最初のころはドシメーター付きの腕時計のアナログ針をこちらの時間に、デジタル表示を日本時間として運用している。


一時はめんどくさくなって時間を合わせるのをやめていたのだが、双子によっていつの間にか魔改造が施され、手動で合わせる必要も無くなっていた。


こうして僕の持っていたデジタルガジェット全てに双子の手が入り、地球に帰った際どうなるのか不安で仕方ない。


一番の悩みどころは自分の車だろうか。


ロボットに変形し、空も飛べ、高火力の武装まで施されたあれをまた車検に出せるのかとか、そもそも公道走るのはもう無理なんじゃ…とか。


多分廃車手続きをして新しい車を買うことになるんだろうけど、またローンかとちょっと気が重い。


今日はそんなどうでもいい事を考えられる時間があるほど平和だ。


「失礼いたします!王宮よりオパール様がお見えになると先ぶれがありましたのでご報告に」


派遣メイドさんから先ぶれがあったと報告が。


何だろう…?

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