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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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2013/2390

本日の報告会を兼ねた夕食と勇者

「サブロー待ってたにゃ」


「シロさん、御夕飯まだでしたか?」


「今日の魔獣討伐、説明する必要があるから一緒にと思ったにゃ」


「拙者も同じでござる」


二人ともちょっと挙動不審なんですよね。


お預け喰らったお犬様のような。二人とも猫人ですが。


食堂に集まった面々に大ぶりの焼き魚が運ばれてきた。


主食がシャリではなくパンというのは仕方ないのだが。


40人近くの家族分を炊ける釜が無いというので。


魔導炊飯器でも作ろうかな。


その辺のノウハウはあるので。火を通すものはクレープ用の鉄板ならぬ石板である程度の設計はかたまってますし。


炊き出し用の大型炊飯器になりそうだけど。


そんな訳で今日の出来事を国王様と王妃様に説明。


まずは緊急度の高い魔獣討伐の件。


こちらはヘルメットカメラの映像があるので比較的スムーズに説明が出来た。


「何もない平原に30を超える魔獣が…」


国王様も困惑気味。


「ちなみに発生地点の特定は出来ませんでした」


もしや大教会の仕業かと疑ったりもしたのだが、魔導具が使われた痕跡も無し。


荷馬車もスキャンをしたがそれらしい貨物も無かった。


「冒険者協会を通じて護衛任務の際の注意事項に平原での不意打ちを追加するように要請しましょう」と国王様が。


そういえば僕達が助けた冒険者メンバーも不意打ちを食らったような話をしていたけど。


追加で話を聞く必要があれば追跡中のドローンから位置を割り出し、接触することに。


一応戦利品は彼らに渡し、サンプルとしていくつか討伐部位を貰っている。


普通の魔獣なのか鑑定する必要があるので後で冒険者ギルドへ届ける予定だ。


そしてカズラヤの件。


現城主さんの判断で取り潰しは無くなったことを報告。


カズラヤしか扱わないという商品が流通しなくなると国としても問題が起きるという話をしたところでシロさんが挙手を。


「その商品、心当たりがあるにゃ。リリー隊長ならうまくやってくれると思うにゃ」ということだったのでカズラヤ独占状態のそれを他の流通経路に乗せてしまおうという話に。


ちなみにどんなものなのかは謎である。


他の御用商人にルートを開拓させればカズラヤの存続は不要となるか、もしくは大幅に力をそぐことが出来る。


ココナの劣悪な待遇を店ぐるみで隠ぺいしていた罪は償っていただく必要がある。


これは明日以降の対応だ。時間がかかってもきっちりと落とし前を。


そして話はどりあーどさんの癒しの力に。


ちなみにオパール王妃も癒しの力の使い手である。


発動魔導具はイヤリング型の珍しいもの。


古代遺物アーティファクトに分類される物で量産型魔導具と違い寿命は無限。


双子が作る魔導具のように自己再生能力が付与された逸品である。


どりあーどさんの治療魔導は僕と同じように下位精霊に直接働きかけるタイプ。


自身が高位の精霊と同じような存在の為、彼女自身が発動のキーとなっている。


念の為、偽装用のヒールリングに似た物を身に着けさせることにしたと報告。


「冒険者ギルドに治癒魔導が使えると登録したほうが良いでしょう」とオパール王妃から。


夕食後に冒険者ギルドへ行く予定なのでその時に済ませることとした。


---


「では、冒険者ギルドへ行ってきます」


夜中の外出も久しぶりである。


基本的に日が落ちれば殆どの人が活動をやめる。


活気があるのは冒険者ギルドか繁華街くらい。


周囲は真っ暗だが、繁華街のある方角だけは空が明るい。


冒険者ギルドへは僕とどりあーどさん、シロさん、ござる侍のメンバーで向かうことに。


実際に戦った人間が説明したほうが良いだろうということで。


他の皆さんには先にお風呂に入っていただき、いつものように魔改造された寝室で待機を。


ちなみに精神転移時に眠っていても問題ない。


お子様達は先に寝ていただき、向こうに着いたら起こすことに。


ぼんやりと光る石畳に足を取られないよう慎重に歩いているとシロさんがまとわりついてきた。


「サブローと夜道を歩くのひさしぶりにゃ」


「高校生以来?」


高校時代、朝と夕方に彼女の送り迎えをしていた僕は彼女が所属する委員会で打ち合わせが伸びたりした際はそれが終わるまで待っていた。


日が落ちるのが早い冬などは辺りが暗くなり、街灯が灯るころに帰ることも度々。


ボディガードというにはちょっと頼りないが暗がりなのをいいことに二人で腕を組んでの下校。


そしてお決まりの買い食い。余り遅い時間だとお店がしまっていたりもしましたが。


周囲からの視線が非常に痛かった記憶がよみがえってきた。


シロさんと僕を24時間ガードする国から派遣された方々。


幻聴でなければ「もげてしまえ!」と聞こえたこともあり、相当に恨みを買っていた様子。


敵のエージェントより味方のほうが怖いくらいだった。


特に、一番最初に突っかかってきた女性の警備、あの人とは結局和解することなく関係が切れた。


今は何をしているんだろう。


僕らとさほど年齢も変わらなかったし。


「サブロー、何かおもいだしたのかにゃ?」


「高校時代にもこんなことあったなぁと」


ちなみに空いてる腕はどりあーどさんの山脈に埋もれていた。


ござる侍は僕の背後に陣取り、服を引っ張っている。


こうして美女3人に守られつつ冒険者ギルドに入ったせいでいらぬ注目を集めることに。


---


「おのれ魔乳め!」


ちなみにシロさん、どりあーどさん、ござる侍の山脈はご立派。特にどりあーどさんはごりっぱの域を逸脱している。


到着するなり受付への挨拶もそこそこにギルド長室へと通された僕達。


ギルド長が鬼の形相で僕達を見つめている。


持参したさいせいくんRXで今日起きた事件を報告すると、ギルド長の目つきが変わった。


「今すぐ情報共有を行う。誰か!全体通達の用意を!」


冒険者ギルドには非常時のみ使える情報共有システムがあり、一方通行の文字通信が可能らしい。と初めて知った。


これの使いにくいところは全体、あるいは支部間に短いメッセージを送る程度の能力しかない点。


長い文章はぶつ切りにして数度に分けて送るのだとか。


受取ったメッセージは紙に書き起こし、ギルド内に告知される。


あと悪用防止の為限られた人間しか使えないというのが。


タングラートにある光の短文よりも非常に使い勝手が悪い。


ひとまず魔獣の情報を伝えてたので次はどりあーどさんの治療魔導登録となった。

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