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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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2008/2387

カズラヤの再調査と勇者

そんなわけで翌朝。


やはりココナが空腹を訴えたので食堂に連れて行き、携帯食はかわいそうなので持ち歩いているバイオプラント製のお弁当を出した。


ちょっと早い朝食となってしまった。


僕も今日は早くに出かける予定なので一緒に食べることに。


飲み物は派遣メイドさんが出してくれた。


本当に至れり尽くせりで申し訳ないと思いつつ。


朝からヘビーなのはどうかと思い、いつものパンとシチューのセットにした。


餃子弁当と黄金饅頭は昨夜のうちにキューに入れておいたので今日の昼過ぎにはこちらに届くだろう。


取りに行くのはコピーされたアヒルちゃんの一体だ。


僕が帰りに寄っても良いのだが終了時間が不明なので早いほうが良いと思い。


ココナが食事を終えた頃、みなさんがもそもそと起きてきた。


だれか分からないけれどお腹の音が。


餃子入り黄金饅頭、わりとお腹にたまりますし。


他の皆さんはいつもの朝食となる。


今朝はトーストとハムエッグのようだ。


ちなみにこのハムはサンダッティアで作られるほか、多くは迷宮や地を彷徨う魔獣からパックされた状態でもたらされる。


卵はおなじみの半魔獣、ダチョウサイズでありながら鶏卵を産むクロックバード。


この世界のタイムサーバとでもいうべき存在。彼らが朝鳴く時間を朝6時と規定しているのでこの世界では季節によって時間が変動する。


女神が制定したと言われる時間のせいで、子供時代の僕は朝4時にたたき起こされるというひどい目にあったのだ。


その辺の話は長くなるので割愛。大体精霊女王のせい。


貴族の食生活も冒険者なしには成り立たないのだが、一部貴族はそれを忘れている。


税以上に恩恵を受けていることを彼らは失念しているのだろう。


オパール王妃の到着を待って、僕はタングラートへと移動する事に。


ココナもだいぶこの騒がしい環境に慣れてきたようで、大丈夫とは思うが念の為オパール王妃にお世話を依頼することにした。


宣言通り、シロさんとどりあーどさん、飛び入り参加でござる侍を護衛とした。いつものメンバーである。


---


まず向かった先はいつものようにタングラート城。


城の裏手にアヒルちゃんエアカーを下ろし、天守閣へと向かう。


先ぶれは出してあったので、すぐに現城主さんと面会が出来た。


僕はココナの扱いについてカズラヤぐるみで虐待をしていた疑いがあると進言。


「その話、店の者にも詳しく問いただすとしよう」


現城主さまはこれからカズラヤに兵と共に向かうというので僕も同行することに。


まさか現城主さまに嘘を言うことは無いと思うのだが、カズラヤ自体、どうも隠蔽体質があるようなので油断はできない。


御用商人の店は城から歩いて大体20分圏内に存在する。


今日は馬車と騎馬での移動となり、10分も掛からずに到着。


城からの使いであると分かる白塗りの馬車の到着にカズラヤの前は騒然となった。


ちなみに木戸は殆ど閉じられ、商いはしていない様子だった。


---


店主とその弟が捕まっており、その次に店で偉いのは番頭らしく初老の男が現城主一行を招き入れた。


「これは城主様、本日はどのような…店の事でしたら店主兄弟しか知らぬことも多く…」


「今日はこちらにいた違法奴隷の件で捜査に来た。奴隷の待遇があまりにもひどいと聞いたが、本当のことを話せ」


「店にいた少女の事でしょうか?彼女の素性は店主兄弟しか知らず、我々も違法奴隷だったと聞かされたのは事件後でして」


「満足に食事も与えず、風呂にも殆ど入れてなかったと調べはついておる」


「それは店主兄弟よりそのように扱うよう厳命を」


「そなたらはこの国の法より店主兄弟の言葉を重んじるというのだな」


「い、いえ、そのようなことは…う、うぐ…」


「サブロー、我慢するにゃ」


話を聞いている最中、あまりにも無神経な発言につい魔力が出てしまった。


威圧の力はカズラヤ全体を揺らすほどもれており、ぎしぎしと建物が軋む音がする。


「狐人の子の扱いについてはこの店の総意と取ってよろしいのですか?誰か不当な扱いをするなと異議を申し立てる者もいなかったと」


現城主さんに断って僕も発言を。


「み、店の見習いは皆似たような待遇となり…」


「本当にそうだったのですか?僕にはそうは思えないのですが」


店の天井からはらはらと埃が降ってくる。


いっそのことこのまま店ごと解体してもいいんじゃないかと。


気付くとどりあーどさんに手を取られ、癒しの力を流されていた。


いつのまにそんな力を。


「聞くだけ無駄だったようです。僕としては店は解散、従業員も全員解雇の方向で処理していただけたらと」


番頭を始め、話を聞いていた従業員の顔色が真っ青となる。


「勇者様、お怒りはごもっともですがカズラヤはカズラヤしか扱わぬ商品があり、それゆえ御用商人の認可を出しております。どうか店の解散だけは」


現城主さんのいう通りならこの店をつぶすと多方面に影響が出ることになる。


「そうですか…ならば何かで償っていただく方向で」


まぁ金銭という形になりそうだが。


お金をもらったところでココナの心の傷が癒えるわけではない。


「サブロー、こんな店つぶすまでもないにゃ。ちょっと上に掛け合ってみるにゃ」


シロさんが悪い顔をしている。何か策があるのだろうか?


ひとまず関係者全員に何かしらの罰を与えるという話に落ち着いた。


しばらくは何の罰が与えられるのか不安な日々を過ごすことになるだろうが、ココナの受けた仕打ちに比べれば。


ちなみに店主兄弟は抜け荷と違法奴隷の所有、人命を危険に晒したという重い罪で犯罪奴隷落ちは決定。どこかの管理迷宮でミートシールドとして少なくとも10年は過ごすことになると。


ちなみに抜け荷の件は幸いと言うか、あの一か所だけであり他の城壁には問題なかった。


調査に使ったドローンを回収、インベントリに納めておく。


遅い昼食をタングラート城下で取ることにした。


シロさんが道すがら、店頭に並んだお魚を見て目の色が変わっていましたので今日はお魚を食べることに。

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