表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2004/2388

おしっぽさまから飛び散るありがたい水滴と勇者

いつものように御夕飯を済ませ、お風呂の時間。


ココナは姫さまに背中を洗われていた。


そして、手を出そうか悩んでいるユークレスさんの姿も。


「ユークレスさん、あまりぐいぐい行かなければココナも怯えませんから」


「そう言われてもあのおしっぽさまを見ると衝動が押さえられんのじゃ」


禁断症状?


ユークレスさんが葛藤している間にココナは全身くまなく洗い尽くされた。


そういえばおしっぽさまが濡れるとなんというか独特の感じになるんですよね。


ココナはしっぽを膨らませると一気に水滴を弾き飛ばした。


「のあっ!」


近くにいたユークレスさんがその直撃を受け、のけぞる。


「ご、ごめんなさい」


「いや気にすることはない。これはご褒美じゃ」


ユークレスさん、何を口走っているのですか!


たしかにおしっぽさまから飛ばされた水滴ですし、ユークレスさんからしてみればご褒美かもしれないが。


「ココナ、もしかして魔力を使って水気を飛ばしたの?」


「寒い時でもお湯は殆どもらえなかったので水浴びの後はこうやって水をはじいて…」


またトラウマに触れてしまったようだ。


カズラヤはやはり滅ぼすべき存在なのか。


ただ、僕個人の恨みでどうにかするわけにもいかず。


「ココナちゃん、お湯につかりましょう!」


「良いのですか?」


あれ?夕べはもしかして体洗うだけだった?


ちゃんと見てなかったというか、女子のお風呂をまじまじと見るわけにもいかないので。


せっかく水滴を飛ばしたおしっぽさまはまたしても濡れることに。


ココナの持つ魔力はおそらく以前よりも格段に増えているので何度水気を弾き飛ばしても問題ないだろう。


「勇者さまも!」


姫さまにお尻を押され、拡張された湯船へと体を沈める。


ちなみにアヒルちゃん専用の浴槽も併設されており、そちらはアヒルちゃんがイモ洗い状態となってぐわぐわと騒いている。


彼ら?の入浴時間は割と長い。カラスと違って長湯のようだ。


入浴の終わったアヒルちゃんたちはココナのように水滴を飛ばし、脱衣所のほうへ走って行く。


僕らものぼせる間にお風呂を出ることにした。


「ユークレスさん、何を?」


「ありがたい水滴をもう一度」


「ココナ、このおねえさんに水滴を飛ばしてあげて。罰を受けたいみたいだから」


「良いんですか?」


「出来れば毎晩頼むぞ」


心の声が駄々洩れですよユークレスさん。


ココナは遠慮がちに水滴を飛ばし、ユークレスさんは至福の表情となる。


「あの、私も…」


大黒屋さんが僕のバミューダをちょいちょいと引っ張って小声で聞いてくる。


「これ以上やるとユークレスさんが倒れてしまうと思うので…」


「リーダー!ルティリナもやる!」


水着のトップスをとっぱらい、首にタオルをひっかけてうまいこと山脈を隠しているルティリナが現れた!


止めようとしたのだがユークレスさんにお尻を向け、しっぽをぶんぶんと振りまくる。


あまり激しい動きをすると大変ですよ。胸元が!


「のはー」と何か訳の分からない声を発するユークレスさん。


これ、毎晩の儀式になるんだろうか。


---


「ユークレスさん大丈夫ですか?今夜はやめにしますか?」


「行くにきまっておるだろう」


ちょっとのぼせ気味のユークレスさんを精神転移から外そうとしたのだが、断固拒否された。


「ココナの着替えた姿を見たいのだ」


そういえばクレープちょっと食べただけで、いつもの着せ替えショーは無かったですし。


いつものように抽選で決まった順番に輪を描く皆さん。


僕はその真ん中、アルマは僕の左側、ココナは右側。


今日、姫さまは輪の外周付近に設置されている。


「精神転移開始」


いつものように意識が後ろへと引っ張られ、見慣れた縞模様が目に飛び込んできた。


---


「十六夜さん、何か変わったことは?」


「今は特に見えない。右目に見える星海も非常に凪いでおるぞ」


やはりあのラグナロク・ロックワームの出現はイレギュラーだったのか。


目の前のしましまおぱんてぃらさまとやりとりをしたあと、スカートをめくって外に出ると皆さん既に自販機コーナーへと走り去った後。


ココナと姫さま、ユークレスさんが残っている。


二人に挟まれちょっと緊張しているココナ。


「先に甘いお菓子を食べようか?」


「今日も食べていいんですか!」


「毎晩でもいいと約束したからね」


まずは初心者向けコースを走破していただき、ぜひいちごまみれの狂気を味わってもらいたい。


今日もクレープから攻めようと思ったのだが姫さまが僕の手を引っ張る。


「あちらの自販機は勇者さまが作られたのでしょうか?」


見れば見慣れないド派手なピンク色の筐体が増えている。


はて?何か増やしたっけな?


海苔とか梅干しの自販機はこの前出したけど。


とりあえずその派手な自販機を覗くと、長さ15センチほどのロールケーキ特化型のようだった。


クリームもプレーンな物からオレンジ、バナナ、ヨーグルト、そして生地までイチゴまみれの狂化版。


そのロールケーキが透明な缶に入って出てくるしくみのようだ。


「もしかして双子の仕業?」


自販機の右下にPOWERED BY RENESISと書かれている。


「ちょっと食べてみるか…」


サバンナさんがいたら真っ先にいちごまみれを押すんだろうけど。


「みんなで違う味を買ってシェアしてみる?」


缶は開くとそのまま器になるようで、使い捨てのプラフォークもついている。


肝心の双子は見当たらず、ひとまずロールケーキにチャレンジすることとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本作品を気に入っていただけましたら是非クリックをお願いします
(そのまま投票となります。一日一回有効)

小説家になろう 勝手にランキング

ツギクルバナー
評価、リアクションを頂けると作者が喜びます!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ