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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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創造主の最終目標と勇者

創造主とは何ぞやという話を端末から聞き取ることにしたのだが、どうも座りが悪い。


コンテナと会話しているような感じなので何か無いかなとインベントリを探るといつの間に用意されたのか、13~16歳くらいに見える少女型の素体が入っていた。


それをインベントリから引っ張り出す。


「ま、益田くん!そういう趣味があったの!」


既にお仕着せを身に着けた状態の人形が現れたので、薫先生が困惑している。


まぁ、1/1ドールだしなぁ。


「この子を中継器に使えないかな。どうも話しづらくて」


『では端末のケーブルをそのヒトガタに』


コンテナ内の人格?はカメラとマイク、スピーカーで意思疎通が出来るが、肝心のモニタには何処かのアニメのようにVOICE ONLYとしか書かれていない。


例によって規格不明のケーブルを…何処に差すんだ?


と思ったらネックチョーカー部分にそれらしいポートがあったのでそちらに。


『アップロード開始』


どうやらこちらに人格の一部を移す様だ。


モニタ画面にプログレスバーが表示され、数分で転送が完了。


その間、双子が何か怪しいことをしないか見守るのが僕の仕事になった。


うかつにお話をして防衛システムが起動したら大変ですし。


---


「インスタンス起動、会話モードへ移行しました」


あまり抑揚のない少女の声がコンテナ内に響く。


「この子は外に連れ出しても会話は可能?」


「本体とのリンクは理論上無制限となっております。障壁等が無ければ問題ないと」


この狭いコンテナ内で話を聞くのは非常に厳しいので、境界の地のいつものスペースへ招くことにした。


「ここは…」


「どこにでもあってどこにもない、時空の狭間に存在する時のとまりし場所、境界の地へようこそ」


口上はその時の気分で変わる。大体意味があっていればおっけー。


「小僧、またわしのセリフを勝手に!」


「すいません十六夜さん」


「わしらがここの管理をしている十六夜と無月じゃ。よろしく頼む」


「境界の地…」


「元々は恒星間を跨ぐような超長距離通信用のプロトコルだったようですが、ちょっと手を加えて娯楽施設に改造してあります」


コンテナから出たらコンテナの集積所だったので、ちょっと面食らっている様子。


「これは陸戦用の…」


「まぁ、実際に使われることは無いのですが防衛用に作られたものですね」


戦車にも興味を示す。


「そういえばどうして仮想世界に?」


「「星喰い」と戦うため、仮想インスタンスを大量にコピーし、並列駆動を行った。我はその大量にコピーされたインスタンスの一つに過ぎない」


物理マシンでは対処できないような飽和攻撃に大量にコピーされたバーチャルマシンで立ち向かっていたのか。


しかしなぜ1つだけここに流れ着いたのか。


それに対する答えは無かった。


「何か飲みますか?」


素体には疑似的な消化器官がついているのを確認している。


「…飲むとは?」


まぁ、そこからになるよな。白湯からスタートか。


---


ようやく落ち着いて話が…コンテナから連れ出した素体は聴衆が多すぎてちょっと緊張しているのか動きが固い。


それに名前もないし、呼びづらいんだよなぁ。


「識別用の名称等は?」


「プラットフォームナンバー406029385、コピー時の固有IDとなる」


「少し長いから別名エイリアスをつけても?」


「承知した」


「…安直だけど夜夢よむとかどうかな」


4060でヨムと非常に…残りの番号どこ行った。


「エイリアス、ヨムを記録、個体名として登録」


「じゃあ夜夢、先程の話の続きを」


「では、記録に残った創造主の話を」


欺瞞用装置に残っている記録、果たして正しい記録と言えるのだろうか。


「外部からはアクセスできない領域に記録されている」


---


「創造主とは世界を束ねる存在。全世界に星の滅びを告げられた創造主はまず31の船団を作り、それぞれを異なる方角へと送り出した。一つの船団は一隻の旗艦、数百の随伴艦、数千の護衛機によって構成され、乗員の殆どがコールドスリープへと入り、操船は小人数の航法担当とAIによって行われた」


そこで夜夢は一旦話を切った。


話の内容は大海原を渡る民のそれとほぼ一致する。ただ31もの船団がいたのは初耳かもしれない。


「創造主は31の旗艦にそれぞれ思考パターンの異なるAIを搭載、決して航路が交わらぬよう細心の注意を払った。それは突如出現する「星喰い」への対応のため」


1つの船団が犠牲となっても他の船団へ影響が出ないよう、航路を悟られぬようAIの性格付けを変えたのかもしれない。


「船団同士の通信は何があっても行わぬよう徹底され、互いの位置情報も常に異なる場所を示すよう工作を行った」


星喰いに襲われた際、次の犠牲を出さない為の陽動ということか。


「創造主の最終目標は安住の地に民が生きた証を残すこと」


夜夢はそこで黙り込んでしまった。


「その目標、もしかしたら叶っているかもしれません」


と僕が伝えると夜夢の表情が変わった。


「それは一体…」


「ここにいる子達のDNAを確認してください。それで分かると思います。ただ、今は仮想空間にいるので現実世界に戻ってから」


問題は夜夢を連れ出せるかどうかだが…まぁ、人化竜が現実世界で実体化しているので問題は無いだろう。

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