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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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1908/2401

第二校舎のリブートと勇者

オパール王妃が「少しご相談がございます」とかしこまったままのルナール先生に話しかける。


「先生、まずはソファに座ってください」と僕も話しかけるがぷるぷると震えたまま。


王族の前では皆こうなってしまうのは仕方ないが、これでは話が進まない。


顔色も真っ青になっている。


「こやっ!」


ルナール先生を抱きかかえてソファに座らせた。


「エイトさま、ルナール先生とはそういった間柄…」


「はい、全く知らない仲ではありません」と一応肯定はしておく。


おしっぽさまのお手入れを任せられる程度には気を許されていると思っているので。


「先生、気を確かに」


背中に触れ、いつものようにヒートボディを弱めにかけるとようやくルナール先生の顔色が良くなってきた。


「あ、あれ。今オパール王妃様がお見えに?」


目の前にいらっしゃいますが…めがねがずれて見えないのですね。


頭の上にずれていためがねをそっと直すと再び「こやっ!」と驚きの声を上げる。


「今日はお忍びで参りました。ただのオパールです」


何の安心材料にもならないが、言わないよりまし程度だろうか。


---


「ど、どのようなご用件で」


「エイトさま、説明をお願いします。私から話すと…」


少し寂し気な感じになるオパール王妃。


彼女としてはもっと気さくに接してもらいたいのだろうが、国のトップがいきなり現れるのは心臓に悪いだろう。


「ルナール先生、校舎の増築について許可を頂きに参りました」


「校舎の増築ですか?どこか広い場所が見つかったのでしょうか。王都の中では探すのが無理といわれ、この場所も無理を言って空けてもらったのですけれど」


「実は狭い場所でも大勢を収容できる魔導具の開発に成功しまして…見ていただいたほうが良いですね」


僕はすまほーちゃんを取り出し、おおえだちゃんのおうちとトメばぁの作業小屋の画像を見せる。


タングラートの地下牢は目の毒なので見せるのをやめておいた。あそこも無限に独房が増えるという非常識きわまりない構造をしている。そういえば教会関係者は何かしゃべる気になったのだろうか。


今は頭の隅に追いやっておく。


「見た目よりも内部をどのようにでも広げられます。この校舎の隣にある狭い敷地に3階建て風の建物を作り、その中身をまずは10倍程度に」


これも古代遺跡から発掘された技術だといえば大体納得してもらえる。


実際、アヒルちゃんのインベントリがベースになっているので間違いではない。


今一つ理解されていないのか、目の焦点が合わないルナール先生。


「一度建ててしまっても良いでしょうか?撤去はすぐにでも出来ますので」


こくこくと頷くルナール先生。


さて、双子を探しに行かないと。どこかで勝手に授業を「して」いなければよいのだが。


---


校舎内を見学していた二人ともえを発見し、早速校舎の元を作ってもらうことにした。


「「せいれいさんこたえてくださいなの」です」」


アヒルちゃんから取り出した魔帯石はあっという間に3階建てのミニチュア校舎となる。


砂浜で鍛えた建築技術が火を噴いた感じだ。


「それじゃあ作業に取り掛かりますので」


おそらく休憩時間をオーバーしているであろうルナール先生も後を追ってきた。


なかなか授業が始まらないので様子を見に来た子供たちも一緒に。


ひとまず外に出て雑草が生い茂る校舎横の空地へとやってきた。


何か建てるにしても遊ぶにしても狭すぎるので本当に手つかずの状態。


学校が倉庫だった頃はここに荷馬車を停めて荷物の積み下ろしをしていたとか、野良精霊から聞いた。


猫の額ほどの空き地の真名間に先程作った三階建てのミニチュアをキューブ化してセット。


ドローンを飛ばして空から測量を行う。


僕は深緑の慈悲を呼び出し、バイザーに表示された必要魔力量を確認。


保有量の1%も使わずに建てられそうだ。


しかし僕自身の魔力量は一体どうなっているのか。


最近はザ・シードも封印し、消費する魔力はどりあーどさん達の食料程度。


まぁ、一般人が吸われたら命の危険もありそうな量らしいですが。


「リブート!第二校舎」


魔力が可視化され、キューブへと注がれる。


みなさんが見守る中、キューブはかたちを変え、次第に建物らしくなっていく。


---


「リブート完了。第二校舎完成しました」


高さは階数は隣の本校舎と同じように見せかけ、付帯施設のようにも見える。


「まずは三階建て、各フロアに40人が入れる教室を10室作ってあります」


当初の想定よりも多めとした。3階合わせて1200人分。


それぞれの教室には電子黒板とりったいがぞうでるぞーちゃんを配置。


机には埋め込み式のさいせいくんRXも完備している。


ガラス張りの児童・・ドアを潜ると昇降口が現れるが、どう見ても建物のサイズとマッチしていない。


ここで上履きに履き替えることも考えたが混乱を招きそうなので土足のまま運用することにした。


その代わりアヒルちゃん掃除ロボが各フロアの清掃を行う。


高い天井から降り注ぐ白い光。


部屋は白をベースに所々に薄いピンクがあしらわれ、なんとなく病院ぽい雰囲気も。


昇降口からまっすぐに伸びる広い廊下の左右に5部屋づつ、計10部屋の教室を配置。


そして階段を登れば、2階、3階へと移動可能。


念の為、エレベーターも完備している。


「中を案内しますね…興味のある人は一緒に」


とても授業どころではなくなってしまい、本校舎から続々と子供たちが集まってきた。

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