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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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ライスリッチフィールド神社運用開始と勇者

アヒルちゃんバスを出しても良かったのだが、一応王都の目抜き通りということもあり人通りが激しいので歩いたほうが多分早いと思い自粛した。


先日リブートした神社はまだ見慣れない人が多いのか、遠巻きに見守る方々が多い。


ちなみに魔導結界を周囲に張り巡らせており、鳥居部分からしか出入りが出来ず、そこには城の兵士が常駐しているので中に入るのは実質不可能。


もし強行突破するような連中がいれば児童的・・・に排除される。


「では中に入って説明を」


「エイトさま!」


聞き覚えのある声に振り替えると何故か分からないが王妃さまとその護衛の方々の姿が。


「神社の運営を始めると聞き、様子を見に参りました」


それはいったいどこ情報?


ギルドでの話は王族に筒抜けとか?


「オパール王妃さま!」


突然の王妃様登場に皆さんひざを折って頭を下げる。


一国の王妃様が軽々しく城外に出られるのはどうかと思いますが。


一緒に連れてきた子供たちも膝をついて祈るようなポーズを。


立っているのは僕と姫さま達くらいになってしまった。


「おかあさま、お見えになる前にご連絡をいただきませんと」


姫さまがぷりぷりと怒っていらっしゃる。


「ごめんなさい、シルフィール。大事な場面を見逃したくなくて」


その大事な場面を見逃すことに定評のあるマッスルキングさんの姿は無い。


後で来るのかもしれないが。


そしてたった今発覚したシルフィール姫の存在。


認識阻害の掛かる猫耳キャスケットが優秀過ぎて誰にも見破られたことは無い。


「シルフィール姫さま!」


「どうしよう。さっき馴れ馴れしく話しかけちゃった」


お子様達の動揺がこちらにもつたわってくる。


「今はただのシルフィールです。お気になさらず」


猫耳キャスケットを取ると、いつものうさみみカチューシャに変更。


エプロンドレスの腰部分にまるいしっぽが生えて変身完了となる。


しかしアリス服と忙しうさぎを合体させたこのデザイン。姫さまのために存在しているような気がしてならない。


まぁ、この後巫女装束に着替えるのですが、雰囲気というのは大事ですので。


---


「神社統括システム正常。カタハマ山頂神社とのリンクチェックOK、地下リアクター正常稼働。お守り、おみくじのストック問題なし、その他消耗品もOK」


「ティーツー、リンクチェック。ティーとの最新同期は昨晩12時、同期問題なし」


この神社の管理をするティーツーだが、普段は僕達と行動している。


なかなか外に出る機会のないカタハマ神社にいるティーに外の様子を同期させ、彼女の記憶が戻る手助けをしている。


同時にティーがあちらの神社内で得た情報はティーツーに同期され、2体でバックアップを取り合うようにしてあるのだが。


「カタハマ山頂神社の運営で得られた情報が共有されています。こちらの運営情報にフィードバックを行います」


先に運用を始めたカタハマ山頂神社の経営ノウハウを取込み、それをライスリッチフィールドでも生かそうという試みである。


僕達がバックヤードで作業している間に30名のアルバイト巫女候補たちは着替えを済ませ、例の惑星儀の置かれた境内へと集まってもらった。


---


「それでは10人ぐらいずつ班分け、それぞれ仕事を体験してもらいます」


大まかに神殿の清掃、境内の清掃、社務所での作業等。


本来はお守りなどの頒布は社務所で行うものではないが、何故かこの神社は社務所がそれを兼ねている。


おそらくそのあたりはみっちゃんさんがオミットしたのだろうと思うのだが、肝心の本人とコンタクトが取れないので何とも言えない。


僕は社務所を担当する予定だったが、姫さまが是非にでもというのでお任せを。


ちなみに自宅から割と近い立地なので応援部隊が続々と集結している。


あっという間に数十名の巫女が溢れ、境内の騒ぎは周囲にも伝搬、見物客がさらに増えるといった事態に発展。


城からも応援がかけつけ、割と大きな騒ぎとなった。


こえのかんだかいねじゅみーの巣しか無かった無人の倉庫街の面影はどこにもない。


---


「それじゃあ境内の清掃をしましょうか」


竹のような物で作られた箒を手に実演しようとしたが、その箒はアルマに奪い取られた。


「サブローさんはそこで見ていてください」


「はい」


褐色の肌に白い巫女服が映える。


アルマはどういうわけか日焼けをするらしく、姫さま達とおなじくらい日光を浴びているはずなのに赤くならずに小麦色の肌となる。


ご両親のどちらかの体質を引いていると思われるのだが謎だ。


ちなみにサンダッティアの住人の一部にも日焼けをする方々がいるらしい。


もしかするとこの世界の礎となった方々に日焼けする遺伝子を持った人がいたのかもしれない。


話がそれた。


石畳の通路や玉砂利のしかれた境内を箒ではく。


一応木が植えられ、葉が落ちるので必要な作業となる。


この木はどうやって生成されたのか、考えるだけ無駄かもしれない。


神社をリブートする際、僕の「こうあるべき」と願ったものがそのまま具現化しているのだ。


十数名の巫女たちがアルマを習って玉砂利の上の落ち葉だけを丁寧に掃除している。


おそらくギルドの紹介するお手伝いで身に着けた力なのだろう。


それぞれの場所を30分ほど、計90分で最初の体験会は終了した。

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