勇者の骨なしチキンとメイドの涙
わん娘をわしわしと洗う勇者の目が妖しく光る!
そしてメイド2人による挟撃とは!
お風呂である。
本日のメンバーは
姫さま、双子、アイリス、リーナ、エテルナ、メイドさん2名と僕。
もう3日目なので慣れたものである。
いつものように脱衣所でバミューダパンツに着替える。今日は緑色でした。
引き戸を開けたら2秒で風呂場。
がらがらがらg
紺色の水着を着た10人ほどの女子の集団がいました。
ちょうどお湯から上がるところのようです。
一斉にこちらに集まる視線。
(ほんわかメイドさんにしてやられた)
こんな時間なので大丈夫だと思っていた僕が浅はかでした。
宮廷魔導士の皆さんが静かに入浴中でした。サバンナさんとシルビアさんはこちらを見て固まっています。
サバンナさんはローブを着ていても平らなのはわかっていましたが、やっぱり平地です。
シルビアさんはローブを着ているとき以上に凶悪な山脈に守られています。
他の女性魔導士の面々がひそひそばなしの最中です。
「あの方が勇者様!」
「シルビアさまにとても口に出せないような罰を与えたという。」
「たしかサバンナさまはお口に」
「でもうれしそうでしたわ。シルビアさ」
デジャヴュというのでしょうか。
突如、ばしゃー!と勢いよく水しぶきがあがり、発言者に襲い掛かる。
サバンナさんとシルビアさんの腕輪が光って水柱が出たようだ。
そういえば浴室の入り口に「入浴中の魔導使用これを禁ず」的なことが、タイルが濡れて滑りやすいので走るな的な感覚で書かれている。
「サバンナさん!シルビアさん!張り紙!また罰ですか!」
とわざとらしく指をさしてみる。
二人ははうはうしている。そうこうしているうちにみなさんは脱衣所に向かいました。
魔導士のみなさんはシルビアさん以外、控えめな方が多いようです。山脈が。それほどゆれませんでした。
入れ替わりに姫さまご一行が入ってきました。
今の水柱を見ていたのか、新入り3人はがくがくしている。
アイリスとエテルナは姫さまとおそろいの白のセパレート。
双子とリーナは薄いピンクのフリルつきセパレートだ。
リーナのボトムはしっぽをだす為の穴があいているようだ。
メイドさん2人は相変わらずボディラインを強調するビキニである。
今日は白黒が反転している。
今日は双子の面倒をメイドさんに任せて、リーナをわしわしと洗うことにした。
姫様と、アイリス、エテルナは3人で背中を流し合っていた。
「勇者さま、本当にいいんですか?」
リーナは恐縮している。むしろお願いします!
犬っ娘にそっとお湯を掛けて青っぽい黒髪をぬらす。低刺激石鹸であわあわにして念入りに洗う。
耳の辺りはそれはもう念入りに。
リーナはくすぐったいのを我慢しているようで、ぎゅっと目をつぶって耐えている。
一度頭の泡を流す。
次に水着の間に顔を覗かせた背中を洗う。すべすべしていて洗う必要が無いくらいきれいだ。
「ひゃう!」
しっぽもあわあわにしてわしゃわしゃと丁寧に洗う。一瞬びくっ!っとなったのを見逃さない勇者の目。
あまり時間を掛けると金髪のわんわん姫が噛み付きそうなので、お湯で流して完了。
目に染みる薬湯に懲りたので、普通の大浴槽に入る。
姫さまたちは竜の滝でブレス浴びごっこに興じている。アイリスの胸元が危険水位に達しているので正視できない。
僕はリーナと双子をかかえて肩まで湯につかる。見た目の年が近いせいか双子とリーナは意気投合し、たわいない会話に興じながらすこし離れた場所に行ってしまった。
そんな様子を眺めていたら、いつのまにかメイドさんに両脇を固められている。
両腕は大山脈と普通山脈に固定され、身動きが取れない。
普通山脈のほうは若干であるがホールドに迷いがある。
ほんわかメイドさんの表情がなまめかしい。
「勇者殿は大きいのがお好みなのでしょうか?それとも控えめなほうが?あるいはまったく無いほうが?」
「あの、どういう?」
「姫さまとあんなに仲がおよろしいのに、まったくといって良いほど手を出される様子もございません。」
「そして、メイド2人が昨日も今日もこのように、殿方を悩殺する水着を見せ付けておりましても、あまり見ていただけません。」
「精霊のお二人や獣人のお子様にもそれほど興味を示されないようですし。」
いやそれはだめだろとつっこみをいれたかった。
「昨日は早朝から男の子の格好をさせた女の子をお呼びして何を、」
ほんわかメイドさんが自身の見間違いを棚に上げて、あぶない選択を出そうとしたので、
「そちらの趣味はありません!」
とついつい言ってしまった。
気を失って、「預言書」に見せられた最悪の結果。
姫さまが愛おしそうにかかえていたおなか。自らの行動を戒めよという警告に違いないと僕は思っていた。
「姫さまもお二人もものすごく魅力的です。しかし世界の危機が迫る中、自分が羽目を外すわけには行きませんので。」
「それでは、世界の危機が去りましたらぜひ。」
ほんわかメイドさんを敵に回すのは危険だと感じた。
「あの、私もその。」
目つきのするどいメイドさんは湯あたりをしたようだ。
そんな話をしていると、金髪の野獣がメイドの乱心に気が付いたのかものすごい勢いでこちらにやってきて、ひざの上を強奪した。
アイリスとエテルナがその様子を見て笑っている。
長湯していると寝る時間がなくなるので風呂を出ることにした。
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寝室に戻ると僕の使っているベッドと双子が寝ているベッドともう1つ使っていなかったベッドが合体し、巨大ベッドが完成していた。
年頃のお嬢さん6人で寝るとかどうなの?
いや、うち3人は幼女だが。
リーナと双子はベッドの上で既に夢の中だ。
3人の寝顔を見ているだけでヒットポイントが回復しそうな感じである。
アイリスとエテルナは床で寝ると言い出したので、かかえてベッドに連行する。
豪華なお風呂を使わせてもらった上に、国賓が使う寝室ですごすなんて恐れ多いという。
「姫さまのお客様、いや友達だからいいんじゃない?」
と僕は答えた。
ベッドの上で思い思いの方向に体を置き、就寝体制に入る。
僕の右側に居る姫さまとアイリス、エテルナは何かぼしょぼしょと小声で話をしていたがそのうちに静かになった。
明日は勇者歓迎式典の打ち合わせだったかな。と思いつつ。
ふいに左隣に巨大な山脈が現れた。
ほんわかメイドさんがあらわれた!ねぐりじぇをそうびしている!
「しーっ。みなさん起きてしまいますわよ」
魔導照明装置の薄明かりの中、山が動いている。
「姫さまがいつもくっついていらっしゃるので、すこし真似をしたくなりました。」
「大丈夫、何もしませんから?」
それは男のセリフじゃないのか!しかも疑問形。
ほんわかメイドさんの目に何故か光るものがみえた。
僕は黙って左の腕を差し出すと、ほんわかメイドさんは顔をうずめて寝てしまった。
このドキドキしてるのは自分なのかほんわかメイドさんなのか。
そういえばメイドさんたちの名前を聞きそびれていた。いつもお世話をしてもらっているのに。
結局明け方にほんわかメイドさんが起きてそっと出て行くまで、目が冴えて寝られなかった骨なしチキンである。
右隣にいた野獣姫は、起きてからほんわかメイドさんの残り香をかぎつけて不審そうな顔をしていたが、気のせいだとごまかした。
アイリス、リーナ、エテルナを朝ごはんに誘ったけれど、寮に戻らないと怒られるというので迎賓館の玄関まで送った。
姫さまは名残惜しそうに3人の姿が見えなくなるまで見送っていた。
双子が
「「りーなちゃんとまたおはなししたい」です!」
というので、近いうちに誘うことにしよう。彼女たちも仕事や勉強に忙しいだろうから、休日の都合を聞いてから。
ほんわかメイドさんは何かつらい過去を抱えているのでしょうか。
鈍感な勇者にはわかりません。
次回は勇者歓迎式典の打ち合わせですが、当日手ぶらでは格好がつかないとの理由で城の宝物庫へ。
またトラブルに巻き込まれます。
女子3人の会話は別にまとめたいですね。いわゆる恋バナです。
ちなみに双子とわん娘の話はどのお菓子がおいしいとかそんな感じです。




