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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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オアシス攻略の感触と勇者

「おつかれさまでした」


インベントリから冷えたジュースを取り出し、ノドカさんに渡す。


半分ほど飲み干すのを見届け、感触を聞いてみることに。


「瀕死の時の状況を見ていないので何とも言えませんが、武器を持っていないので倒しやすかったですね」


ノドカさんはろくな耐熱装備を持たず、第四エリアはほぼ初見という。


ということで例の死にかけオークとは戦っていないと。


「やはり武器ですか」


こん棒の代わりに日傘というのは弱体化も甚だしいというか、設計者は何を考えて実装をしたのやら。


『サブロー。そのままオアシスにとどまり、解放まで居てくれ』と社長からメッセージが。


「了解しました」


いくつか潰して回る予定だったが、今の一戦で大体データが取れたのでノドカさんの本日のお仕事は完了したということで問題ないだろう。


「サブロー、ちょっと行ってくるにゃ」


シロさん何を思ったのかメイド服をずぱん!と脱ぎ捨てるとオアシスに向けて走り出した。


「うわああああ、な、なにをやって…水着?」


メイド服の下からはバニースーツが出現。あれを水着代わりにしようというのか?


ノドカさんもうちのシロさんの突然の行動に目を白黒している。


「な、なんですか!DSOVRに水着なんて」


「特殊な条件を満たすとアレが出るんですが」


僕がイタチウサギを狩ると必ず一枚もれなくプレゼントされるバニースーツ。


シロさんはここで遊ぶために着ていたのだろう。


「拙者も参るでござる」


イザベラ、君もか!


メイド服を脱ぎ捨てると下はサラシとふんどしという十兵衛さんそのままのスタイル。


いや、それ濡れたら透けるのでは?


おかまいなしに水辺へと突っ込んでいった。


「わたしは足をひたす程度にしておきます…」


ブーツをパージして素足となったノドカさん。


「つ、つめたい!こんな灼熱地獄なのに」


彼女は水に足を浸し、思いほのか冷たかったのか飛び上がっている。


まぁ、謎の力が働いているのだろうけれど。


僕は水着というにはちょっとあれな姿の猫娘二人を盗撮から守るため、周囲の警戒を行う事にした。


ちなみにこの映像はヘルメットカメラで録画されており、あとから姫さまの検閲を受けることになっている。


シロさんはともかく、ござる侍のあれはどう判定されるのか。


二人をなるべく視界に入れないよう注意しながらマップを監視し、近づいてきそうな緑色の点をさがすことにした。


---


約30分後、何事も無くオアシスの開放が終わり、ノドカのオアシスが誕生した。


直接戦闘に加わった人物の名前、あるいはグループ名が記録され、定期的に訪れることでアップデートがされるという。


リアル時間で1週間ほど放置すると元のオアシスに戻り、どこからともなくオークが湧くというシステムらしい。


オアシスの持ち主が侵入を許した者しか入れず、実質ホームグラウンド的な位置づけになるのだとか。


何もこんな灼熱地獄の真ん中でハウジングをしなくてもと思うのだが、一応テストということで他に適当な空き地が無かったと社長からたった今説明があった。


オアシスの数は現プレイヤー総数を上回っており、取り合いになる事は無いだろう。


まぁ、細かい事を言うとポータルから近いとかサイズの問題とか細かな違いがあるので早い者勝ちといえばそれまでだが。


先ほど僕らが解放したオアシスも名称未設定のまま所有権がシロさんとござる侍にある。


僕は戦闘に参加しなかったので二人から承認を得て入れる状態になった。


この所有権というのもゲームのモチベーションを保つための重要な要素で、うだるような暑さの中を足を運んでアップデートすることで自分の居場所が存続できる。


ゲーム内の土地をめぐっては大昔のオンラインゲームでパブリックエリアが家で隙間なく埋め尽くされた例があったが、DSOVRではどう解決するのか。


現状150名ほどのプレイヤー数なので問題は無いが、本格的にハウジングを行うのであれば亜空間システムでも導入されるのだろうか。


要は無限に階数のあるタワマンの一室をプライベートエリアに設定するようなもの。


内装などを見せたければDSOVR掲示板等にアップすることになるのか。


「サブローも遊べばよかったにゃ」


「覗きにくる不届きモノがいないか監視していたんですよ」


「見られて減るものはないにゃ」


「殿!覗きはどこでござるか!即成敗するでござるよ」


「イザベラ、今度はもうちょっと考えような」


言われてから自身の姿を確認し「みゃーーーー」と悲鳴を上げるイザベラ。


以前にもこんなことあったような気がするんだけど。


そそくさと脱ぎ捨てたメイド服をインベントリにしまい、装着モードに切り替えるイザベラ。


ちなみにDSOVRでは性的接触が出来ないという話だったが、どうも僕らにはそれが適用されていない様子。


「と、殿になら見られても、も、問題ないでござるよ」


今言うか!


「僕は姫さまからのお小言に対する反論を今から考えないとならないので頭が痛いです」


『サブロー、そろそろ時間だ』


警告は出ていないが、ダイブリミットが近いらしい。


ノドカさんにオアシスの入場制限をしてもらい、はじまりのまちへ戻ることに。


これで他のプレイヤーが無断で立ち入ることが出来なくなった。


とはいえオアシスは多数点在しているので問題は無いのだが。


今回はノドカさんにも境界の地へ来ていただき、社長に報告をしていただく。

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