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早朝の刺客

早朝からアイリスさんがおしかけてきてひと波乱。


そして、呼びもしないのに大臣がやってきます。

カキン! ガッ! カァン!


早朝から物騒な音が響き渡る。

武器保管庫で助けたアイリスが剣の稽古に来ているのだ。


昨日とおなじような男の子っぽい服装である。


アイリスは仕事が始まる前の朝のわずかな時間に稽古をつけてほしいとやってきたようだ。

さすがに朝っぱらからマーガレットさんを呼び出すわけにも行かないので、僕が練習台になっている。


目つきのするどいメイドさんから木刀を借りて、迎賓館の庭で汗を流す。


まぁ昨日の今日で朝っぱらからアイリスがやってくるとは思わず、対応したほんわかメイドさんが狙ったかのように寝室まで案内をして。

ぬぎかけシルフィール姫と僕が1つのベッドで寝ていたのを目撃したアイリスと微妙に修羅場でした。


当然ながら、僕が姫さまから離れたら危ないというのは秘密なので、誤解は解けないまま。


自分を助けた誠実そうな男を頼ってたずねてみたら、自分と同じ年頃の女の子といちゃこらしていたらそりゃ怒ります。

その怒りが木刀を通してびりびりと伝わってくる。

僕自身、学生のころに授業で剣道をほんのすこしやっただけで、構えと簡単な型くらいしかできない。

アイリスが本気で打ち据えてくるのを、兵士をこてんぱんにしたときの要領で受け流しているのだ。


「暴れん坊ローブ!どうしてかかってこない!」


そっちの名前で覚えられてしまったか!アイリスにほんの少しでも打ち込めば大変なことになりそうで、躊躇している。


うーん・・・。

考え事をしていたら、アイリスの木刀が僕の額にクリーンヒットした。

普通なら大怪我をしてもおかしくないのだが大して痛みはない。姫さまの精霊の力で強化されたのだろうか。


アイリスが固まった。

何か言おうと思ったら、姫さまがアイリスの前に立ちふさがる。


「アイリスさん!あなたがしていることは、あの腐った兵士たちといっしょですわ!」


アイリスは、はっと顔を上げ、木刀を置いて走り去った。

シルフィール姫も言い過ぎたことに気が付き、うつむいてしまった。


僕は姫さまのあたまをぽふぽふと叩いて「姫さま、ありがとう」とお礼を言う。


「私、アイリスにひどいことを言ってしまいましたわ・・・。」


「次に来たときに謝ればいいさ。あいつは妹たちを守るために強くなりたいんだ。きっと来るから。」


ほんわかメイドさんが申し訳なさそうな顔をして立っている。

「勇者様、申し訳ございません。あのようなことになるとは思いませんでした。男の子かと思い通してしまいまして・・・。」


節度ある悪ふざけをするほんわかメイドさんにしては珍しい失敗だ。(昨晩のおふろでどっきりを脳内参照する僕)

また、罰をとか言い出しそうな感じなので、来客があったら待ってもらうように釘を刺しました。

参考までに、罰として語尾に「にゃあ」と付けてしゃべってもらおうと思いましたが、それはごほうびにしかならないと思い自重しました。


双子が迎えに来た。おなかがすいたようだ。


姫さまからタオルを受け取り、汗をぬぐう。そういえば自分の世界では運動らしい運動をしていなかったことに気づく。

マーガレットさんが来たら僕自身も含めた訓練計画を立てよう。


朝食のトーストをもむもむしながら考える。

双子がパンの耳を僕の口につっこんでくるので、それをやめさせるのに必死で考えがまとまらない。


---


お昼前、姫さまやマーガレットさんと話をしていると、ほんわかメイドさんがやってきた。

アイリスが謝りにきたという。


「暴れん坊ロ・・・勇者様、さっきはごめんなさい。その、一緒にいた女の子がまさかお姫様とは思わず、無礼なことを。」


「わかってもらえればいいさ、ね、姫さま?」


「あの、アイリスさん。先ほどは口が過ぎましたわ。・・・ご、ごめんなさい」



いっしょにおふとんの件は姫さまがねぼけて部屋を間違えたというベタな設定で乗り切った。いろいろ無理はあるが、なにか事情があると思ったのかアイリスは納得してくれたようだ。


ついでにローブの正体は隠してもらうようアイリスに言った。いまばれると仕込が無駄に!


勇者のお披露目の件もあるので、マーガレットさんと話をして来週くらいから稽古をつけてもらうことにした。


迎賓館の玄関までアイリスを送っていくと、リーナが待っていた。しっぽをぶんぶんしてる。

二人仲良く帰る姿を見送っていると、「向こう」にいる妹のことを思い出してしまう。シルフィール姫が僕の手をぎゅっと握っている。


「仲がよくてうらやましいですわ。」


「そうだなー。」


気のない返事をしてしまう。


「兄弟がいたらわたくしもあんなふうに。」


兄弟のいないシルフィール姫にどういえば良いのかわからず。


「妹ならいるじゃない?シースとレーネが」


そんな話をしているとナイスタイミングで双子がやってきた。

姫さまは二人の手を引いて、迎賓館の客間へもどる。


ふと、姫さまの精霊の声が聞こえた気がした。


---


そういえば、武器庫の見学で大立ち回りをしてしまって、外に出づらくなってしまった。

お披露目までは静かにすごすことにした。つもりだったが。


ほんわかメイドさんがやってきた。


国防大臣が来ているという。国王の許可は取ってあるといって動かないらしい。

仕方が無いので、応対することにした。

応接室に行くと、悪代官が座っていた。


「勇者殿、私はラクーン。国防大臣です。」

「初めまして。異世界からやってきた勇者です。」


何故かこの人に本名を言うのがいやだった。


暴れん坊ローブというならず者を捕まえてほしいという依頼だった。

勇者のお披露目の日、夜中に謀反を企てるという情報を得たので、大臣が管理する兵士を配備するという。


例の腐敗兵士は捕らえた後、地下の特別な営倉に入れて外部との接触をさせていない。ローブの正体もごく一部の人間しか知らない。国王様にもあとで口外しないようお願いしている。

城内に流れるローブのうわさは腐敗した兵士をやっつけた正義の味方。

マーガレットさんにたのんで流してもらった情報はあくまでもローブはお披露目の日の夜中に現れるという話だけだ。


悪者ををやっつける人間がどうして謀反を起こすのだろう。


今回の腐敗原因が自ら告白に来たようなものだ。


兵士達が何故子供を目の敵にするのか、その理由の確証が無いので当日まで泳がせることにした。


「らいすぼーる」に腐敗した大物が招待される。7割くらい成功と思って良いかもしれない。


大臣は自分の手を汚すのがいやで勇者に押し付けに来たようです。

目の前にいるのが暴れん坊ローブとも知らず。


おもいつきでもりもり書いているのでいろいろ破綻しているです。

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