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国王の悩み 父親の悩み

勇者と親睦を深めようと食堂に現れた国王。娘の自慢話に花が咲きます。

夕食後は双子を連れてバスタイム!いろいろゆれます!

夕食の準備ができたことをほんわかメイドさんが知らせてくれた。


2日目ともなればなんとなく慣れた気がする。


寝ぼけている双子に「お夕飯」といって起こす。

客間の隣にある食堂に移動する。今日は僕と姫さま、双子。


食堂に先客がいた。後姿しか見えないが異様に肩幅の広いおじさんである。麻のTシャツを着ているがはちきれんばかりの筋肉でぱつんぱつんである。

いわゆる冒険者という感じだろうか。


「お父様!」


いち早くシルフィール姫が気づく。

先ほどあったときとはまったく雰囲気が違う。


「シルフィール、すこし手が空いたので様子を見に」


「お父様?」


「いや、あ、勇者様、もう少し話をしたいと思いまして。」


まちがいなく恐妻家だろうなーとおもった。

娘の言動は母親に似るというし。


国王の目の前には高そうな酒の瓶が置かれていた。


「勇者様、食後にお付き合いいただけますでしょうか?」


「はい、すこしでしたら大丈夫です。」


2ミリくらい。


今日はおさかながメインのおしょくじでした。白身魚の香草焼きとでもいうのでしょうか。


双子は子供にありがちな偏食もなく、まふまふとしあわせそうに食べるので、皆見ているだけで癒されるようだ。

目つきのするどいメイドさんもいつもの目とちがう。

時折「「ますたーもっとたべる?」です」とフォークに刺した魚を食べさせてくれる。

シルフィール姫の目つきがわたしも参加したい!という感じになる。




食後のお茶の時間、国王と僕は琥珀色の液体である。

テーブルには乾物が並べられ、双子が興味津々に見つめている。

イカのゲソのようなものがあった。自分で食べてみて大丈夫そうだったので、双子の口に差し込む。

鉛筆削りのような感じでがじがじとかじっている。

シルフィール姫、おまえもか?という感じで口に放り込んでみる。


「勇者様、娘とはずいぶん打ち解けているようで安心しました。なにしろ気難しい年頃で、勇者様に粗相などしていないかと。最近は娘の考えがわからず、苦労しておりまして。」

思春期の娘を持つ父親相談!


ゲソのようなものをかじり終わってソファーに戻り、双子と何か話をしている姫さまには聞こえていないようだ。


国王も王妃も公務でいそがしく、姫の世話はマーガレットさんやメイドに任せることが多いとか。

最近はあまり話もできず、どうしたらいいものかと思案していたそうだ。

勇者のたべられる騒動も娘が話を聞こうしなかったので、勝手に突っ走ったのではと思っているようだ。


国王はハイペースでお酒を飲む。

僕のグラスは水面が3ミリくらいしか減っていない。下戸なのだ。


「姫さまとお会いしてまだ2日ですが、とても素直でいい子だとおもいますよ。私もあのくらいの年齢のころは親とぎくしゃくしていました。でも、ちゃんと話をしてあげればわかってもらえると思いますよ。」


自分の黒歴史がすこし思い出されてしまった。


その後は、姫さまが生まれてから最近までの成長の様子をずっと語る国王。


たとえるなら。

上司の家に飲みに連れて行かれて、娘の成長記録ビデオを延々と見せられて、挙句の果てに泊まって行けと言われ、仕方なく客間で横になっていると娘さんが謝りに来て。半年くらいしたら結納とかよくわからん事態に。


と、そこまではひどくないものの、シルフィール姫のほくろの位置まで聞かされるとは思いませんでした。


いろいろ出し切って国王はなにかふっきれたような表情になった。


「勇者様にお話をしてすこし心が軽くなりました。あまり長居をしますと娘ににらまれますのでそろそろ城へ戻ります。」


ふと見ればソファーの背もたれからこちらを伺う3頭の野獣がいた。


国王は酒瓶を抱えて逃げるようにして出て行った。笑顔であった。


忙しいのに夕食をともにし、お酒を振舞うというのは僕に対する国王なりのフォローだったのかもしれないが、やっぱり不器用だなーと思う。

シルフィール姫も大変だ。


---


国王と入れ替わりにほんわかメイドさんがやってきた。


双子が「「おふろ!」です!」と目を輝かせている。


昨日は寝てしまったが今日は大丈夫そうだ。



「「おねーちゃんたちも、おふろいこう」です!」

双子が目つきのするどいメイドさんとほんわかしたメイドさんをひっぱっている。


目つきのするどいメイドさんがそわそわしている。

「ご一緒してもよろしいのでしょうか?」

「双子の世話をお願いします。ということでよろしいですか?」

あくまでもお仕事だ。


「それでは私も」

ほんわかしたメイドさんも胸元を揺らしつつ乗り気だ。

「よろしくお願いします。」

何を!


---


ぐねぐねと長い通路を通って浴場へ到着。

殿方と書かれているらしい扉を通って脱衣所に。

昨日と違って、ほんわかメイドさんの監視は無い。

なぜなら隣の脱衣所にいるからだ。


勝手知ったるなんとかで、昨日とは色の違う黒バミューダパンツを装備して半透明の引き戸を開けr


「あれ、人おおくね?」

勇者は目を疑った。


よくじょうにはかれんなはながあふれていた。

その中にはマーガレットさんもいる。


「勇者様がいらっしゃったわ!」

「あの方なのね、隊長の話していた」

「そうそう、昨日から隊長の様子が変なのよね」


全員おそろいのセパレート水着着用とはいえ、非常に目のやり場に困ります。鍛え抜かれた女の園。

バラの騎士団のみなさんが訓練後のお風呂タイムだったようです。

浴場にすこし早く着きすぎて若干バッティングしてしまったのか、ほんわかメイドさんの陰謀なのか。


マーガレットさんはあいかわらず真っ赤な顔をしている。


勇者様おさきにしつれいしますーという声とともに浴槽からざぶざぶとあがって目の前を通り過ぎる美女の面々。どっきりなんとかで見るような光景。いろいろゆれているよ!

気が付くとマーガレットさんひとりになっていた。


「勇者様、お・・・お先です!」

相変わらずの足の速さ。


入れ替わりにシルフィール姫と双子、メイドさん達がやってきた。

双子はバラの騎士団のみなさまにもみくちゃにされていました。うらやましくなんかないんだから!


---


シルフィール姫は飾りの無いセパレートタイプの白い水着風浴衣を着ている。

双子はフリルの付いた薄いピンクのおそろいのセパレートタイプ。イカ腹がまぶしい。


メイドさんにいたってはビキニである!


目つきの鋭いメイドさんはやや褐色の引き締まったボディに黒のビキニ。やはり鍛えているようだ。

ほんわかメイドさんは色白でどかーんばきゅーんに白のビキニ。違う意味で鍛えているようだ。


双子は早速湯船に潜水しようとしているので、小脇にかかえて洗い場へつれていった。


「「きゃははははは」です!」


レーネは「です」で終わるのがすきなようです。


「シースから頭あらうよー」

まずはシースから。

銀色の髪を十分にお湯でぬらし、ひざの上にあお向けに寝かせるようにして頭を洗う。

見た目はアレだが頭が下に向くのであわあわが目に入りにくい。

銀髪の手触りはビロードのようだ。


「レーネおいでー」

後ろで順番待ちをしていたレーネも難なく洗えた。


「姫さまー」と冗談で呼んでみた。

金髪の3人目が現れる。そんなに洗われたいのか!姫さま。

姫さまは普通に洗う。泡が目に入らないよう一生懸命目をつぶっている。


姫さま洗浄の間に双子は目つきのするどいメイドさんとほんわかメイドさんに体を洗ってもらっている。

レーネの頭の上にほんわかメイドさんのどかーんが乗っている。


僕の番だ。

いや、どかーんの番ではない。


シースとレーネ、姫さまと3人がかりで背中を流してくれる。

背後の異変に気づく。

ほんわかメイドさんが3人からスポンジを奪って、僕の背中を洗い始める。


洗うというより、筋肉の付き方を調べるようなさわりかた。

「おかしいですわ。こんなにぷにぷになのに、どうしてあんなにお強いのでしょう?」


おなかのにくをひっぱられ困惑する僕。

双子と姫もまねをするので、おなかが真っ赤になってしまった!


目つきのするどいメイドさんも手をわきわきしているが、最後の一歩が踏み出せないようだ。


気が付くと頭も洗われてしまいやることがなくなってしまった。


双子おまちかねの湯船へ。

すこし小さ目でぬるい湯船につかる。

湯船が割と深いのでまず僕がつかり、ひざの上に双子を乗せる。

姫さまは隣に、メイドさんたちは前に陣取る。


すぐにメイドさんのほうに泳いでいく双子。

ひとしきりじゃれついたあと、こちらにもどってくる。


次に双子はお湯を手ですくっては僕に掛ける。お湯がかかるたびに僕が顔をしかめるのが楽しいらしい。


いや、この浴槽の湯は目に入ると結構痛い。他と違うようだ。薬湯のようだ。


「ぷはー!」

「「ますたーのおかおへーん!」です!」


姫さまはいっしょになってお湯をあびている。


ああ、胸を揺らしながら桶をもってきて大人げないことをする人がいたよ!


双子がのぼせるといけないのでお風呂タイムは終了。


---


寝室に戻った。


双子を寝かしつけて、姫さまと二人、窓際に座って夜空の月を眺めながらお茶を飲む。

月が3つくらい見えるのは気のせいだろうか。


「勇者さま、父上が酔っていろいろとご迷惑をおかけしたようで・・・。」


「大丈夫、迷惑なんて思っていないです。もっと厳格な方でとっつきにくいと思ったけど、そうでもなくて安心しました。」


「それならよかったですわ。それなら・・・。」


消え入るようにつぶやくシルフィール姫。


「国王さま、なんだかんだで姫さまを一番心配していますから。」


わかっているといいたげな表情だった。


ドアの隙間から目つきのするどいメイドさんが見張っているので、そろそろ寝ることにする。


姫さまは僕の横でまるくなっている。


「勇者さま、おやすみなさい」

「おやすみ、シルフィール」


姫さまのあたまをわしわしとなでる。数分で寝入ったようだ。


プロジェクト「らいすぼーる」の準備をしないとと思いつつまぶたがおもくなる。


こうして異世界2日目の夜は平和に。


---


「あやつはむねの大きいのが好みなのかまったいらがいいのか、いまいちわからんのう」


「預言書」と名乗る黒服の女の子は自分の絶壁を持ち上げたり寄せたりしながら水晶球をみている。

残念ながら服にしわがよるだけであった。



シルフィール姫はやや疎遠になっていた父親と仲直りできるのか!

そして「らいすぼーる」とは!


7/25 typo修正

プロフェクト→プロジェクトに

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