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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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ゴーレムの影

すこし浮かれていた勇者。意外な人物が現れます!

いつもよりにぎやかな夕食後、サバンナさんとシルビアさんはシースとレーネに魔導体系書についてあれこれと質問している。


しかし、見た目六歳、中身もたぶん六歳の双子に説明を頼むほうが無理かもしれない。


彼女たちは直感でやっているのだと思う。


僕が即席魔導講習会の輪を離れ、廊下に出るとふいに声をかけられた。


「エイト殿!」


「はい、国王さま」


「エイト殿にしか頼めない、重要なお話があります」


国王さまはオパール王妃の目を盗んで僕に耳打ちをする。


「私の執務室の戸棚にとっておきの酒があるので、それをこっそり持ってきてほしいのですが」


ちょっとがくっときて膝がほぼ逝きかけました。


どうやら騒ぎに乗じて、泊り込みでちびちびやるつもりのようです。


「はい、それじゃ取ってきますね!」


僕はトイレに行くふりをして、城の執務室へと向かう。


---


ぼんやりと光る石畳を踏みしめながら、城へと進む。


時折、街の方角から大きな声が聞こえる。よっぱらいという名の魔獣が闊歩し始めたようだ。こわいこわい。


ふと、目の前に人影が見えた。この時間、「自宅」と城の間を通る人は少ない。


「こんばんは、エイトさま」


女性のようだ。


「はい、こんばんは。あの、どこかでお会いしましたか?」


僕を勇者と知る人も、ましてや名前で呼ぶ人も非常に少ない。


真っ赤なローブに身を包み、夜の帳とフードの陰で顔を見ることは出来ない。


おもむろにフードを取る。


黒髪の女性だ。


「まさか、ゴーレムの!」


僕は腰につけた「テイルズオブドラグーン」に手を伸ばす。


「お待ちください!ゴーレムに関わっているのは私の姉です」


そう言って、女性はローブを脱ぐ。ローブの下はゆったりとした灰色のチュニック、武器や杖の類は持っていないようだが、用心するに越したことは無い。


「姉についてお伝えしなければならないことがございます。それもエイトさまだけに」


---


近くのベンチに腰を下ろし、女性の話を聞くことにする。


「私はシノブ・カミラ、姉はハナエ・カミラといいます」


日本人のような名前の人と遭遇するとは。カミラというのは苗字?どことなく女神のミカミさんの響きに近い気もする。


「もしかして僕のいた世界にかかわりが?」


「いえ、私たちは生まれも育ちもこの国の近くです」


僕の周りには数人の護衛がいて、息を潜めて警戒をしている。この女性は気づいているのだろうか。


「私の姉がエイトさまに危害を加えたことについて、お詫びを申し上げます」


代理の人に謝ってもらっても仕方が無い。


「…それより、僕を襲う理由を教えてほしいんだ。それにゴーレムと世界を救うという接点がどうしても分からないのだが」


襲ってきたやつらは僕を偽の勇者と呼び、自分たちが真の勇者だと名乗っていた。そもそも目的は同じはずなのに、どうして目の敵にされるのか。


「それは、姉が持つ本に原因があります。その本が姉を狂わせたのです」


---


先祖代々伝わる、ゴーレムの製法に関する魔導書。長い間、人の目に触れることなく蔵の中で眠っていたという。


「ある日、蔵の掃除を言いつけられた私たち姉妹が、偶然にもそれを見つけてしまったのです」


本に宿った力。それが姉を操っているのだという。


「その本はゴーレムを操る勇者が世界を救うという趣旨の物語と、実際にゴーレムを作り、使役する方法が書かれていました。姉はそれを見て、ゴーレム作りに没頭し、ついには預言書をよく思わない教団と手を組んで…」


この世界の住人である自分たちが操るゴーレムにより救われる世界。異世界から来た勇者は邪道だということなのか。


シノブと名乗る女性は、何枚かの紙を取り出した。


「これは姉がゴーレムを作っている拠点を記した地図です。おそらく捕まっている魔人族の方々もそこに…」


女性は立ち上がると、僕に一礼して暗闇へと消えた。



黒髪の女性は敵か味方か!

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