表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/2484

ヒューマンターミネート

落下する勇者!某スペ○ンカー先生なら即死間違いなし!

耳をつんざく風切音はそれほど長く続かなかった。


「浮いてる?」


僕とエランはふわふわと漆黒の闇を漂っていた。


真っ暗なはずなのに、自身の体とエランだけはくっきりと見える。


エランは自分の手を僕のおなかから一瞬離し、耳のピアスに触れた。


「あと五分くらいで到着するみたいです」


目の前に小さな光が見え、そこに向かっているのがなんとなく分かる。


さっきの落下のショックでしがみついたままなのを思い出し、ちょっと力を抜いた。


「エイトはオトコノヒトですよね?」


「男ですよ?」


エランがいっそう強く抱きつく。


「わたし、オトコノヒトって見るの初めてなんですよ!」


いや、だからってそんなにぐーりぐーりと頭をこすり付けなくても。


「オトコノヒトにはおっぱいがなくて体がゴリゴリしていてコーガンというのがあるとテンチョーに聞きました。あと、図鑑で見ました!」


何を見させたのだ…。


「それと、テンチョー以外の人族を見るのも初めてです…」


エランの表情が曇る。


「私が生まれたばかりのころに起こった戦争のせいで、人族の生き残りは百人もいないだろうとテンチョーに聞きました。その百人もどこにいるのか…」


どうやら脱出の際に何かの反動で多くの生き残りが別の「世界」に飛ばされてしまったとテンチョーさんから聞いたという。自分たちもやはり元の世界とは違う場所に飛ばされたという。


なんと声をかけたものかと思案していると、エランが明るい声を出した。


「もうすぐ通路です!」


いつの間にか最初に入った無機質な通路に立っていた。先程の空間はどこへ…。


---


最初にくぐったドアから客間に出ると、プチ女子会の最中であった。


見たことの無い人がいる。茶色い髪をおだんごにまとめ、ポロシャツにチノパン、デニムのロングエプロンといった感じ(※あくまでも勇者の感想です)の女性がうちの女性陣となにやら談笑している。


手にしているのは、例の勇者本だ!しかも姫さまの愛読書!「お姫様だって異世界勇者とふぉーりんLOVE!」というラブコメだ。


「テンチョー!ミッションコンプリートであります!…え!人族の女の子がいっぱい!どうして!生き残りですか!」


エランが興奮度マキシマムになっている。


「エラン、この方々は別の世界の人族です…」


テンチョーと呼ばれた女性が諭すような口調でエランをたしなめる。


「そうだったのですか…」


「エイトさん、「鍵」の件でご迷惑をおかけしました。ドアが開いたのに気づくのが遅れてしまいまして。もう少し早く迎えに出られればよかったのですが」


女性は立ち上がって僕に深々と頭を下げる。どうやら行き違いになってしまったようだ。


おしりのシルエットを見て思い出した。この人は僕に「鍵」を渡した人に似ている。


僕が通った通路はその昔、経営者がおふざけで作ったトラップだと聞いて、ひざから崩れ落ちた。


正解のドアは入ってすぐ左に隠してあったようだ。


---


テンチョーさんはエリーゼスと名乗った。


サニーお嬢様の魔力が暴走したときに僕が使った「ザ・シード」の波動がエリーゼスさんの持っていた探知機に伝わり、その確認に来たという。


「エイトさんが使った武器はその昔、私たちの住んでいた世界で使われていた物のようです」


僕が使った「ザ・シード」の波動がエリーゼスさんの世界で使われていた魔機マキといわれる物の信号に酷似していたので確認に来たという。


今までも何度か探知機が反応したが、位置を特定する前に信号が途絶えてしまい、今回ようやく場所が判明したとのことだ。


ただ、その時に開いた「シフトゲート」と呼ばれる次元をつなぐ扉が不安定で、後から僕が探している人族かを確かめるためにマーカーの代わりに「鍵」を手渡した。ということらしい。


ちょうど鍵のある場所に「シフトゲート」を開こうとしたタイミングで双子が何かしたようだ。


僕は本屋で見かけた魚の人が買っていた勇者本について聞いてみた。


「あの本は馴染みの業者から買い取ったもので、まさかこちらの世界で書かれていたとは知らず」


そもそもなぜ本屋さんの店長なのかという素朴な疑問があった。


「ブックスハザマには様々な「世界」の本が集まります。その中に生き残った人族の痕跡が無いか、買いにこられるお客様の中にご存知の方がいらっしゃらないか、手がかりを求めるために本屋に入ったのです」


ほぼ、着の身着のままで逃げてきたエリーゼスさんと小さかったエランを快く迎えてくれたのが本屋の経営者。


彼は今、定期オーバーホールのため入院中だという。オーバーホール???


「エイトさん、ご迷惑をおかけしたお詫びというわけではありませんが」


エリーゼスさんが僕に見せたのは「魔導体系書」というタイトルの本だ。


「もしかしたらエイトさんに必要な本なのではと思いまして」


何でも買い取った勇者本の中に入っていたのだという。


その本にはサニーお嬢様のような魔導異常の対処法と思われる記述があるようだ。と後ろからのぞきこんでいた双子が言ってました!


僕もめくってみましたが理解できません!明日サバンナさんとシルビアさんに聞こう!


話の流れで聞き流してしまったが、「シフトゲート」というのは僕のいた「世界」にはつながるのだろうか。たずねてみた。


エリーゼスさんは申し訳ないという顔をする。


万能というわけでは無いようだ。


随分と遅い時間になってしまった。二人に泊まっていくように勧めた。


エランは喜びすぎて僕に飛び掛ってきた。


まちがいなく水色でした。

話がどんどん広がります。

本屋さんとサニーお嬢様はしばらく並列運転です。

サフランの件も!そしてテスラさんも!


10/20

※本屋の名前について

作中でエランが「ハザマショテン」、エリーゼスさんが「ブックスハザマ」と呼んでいますが

狭間書店(BOOKS HAZAMA)みたいな感じでどちらも正解です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本作品を気に入っていただけましたら是非クリックをお願いします
(そのまま投票となります。一日一回有効)

小説家になろう 勝手にランキング

ツギクルバナー
評価、リアクションを頂けると作者が喜びます!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ