22話:芋畑の怪
イステリアにて危うく一良の身柄が拘束されそうになった次の日。
太陽の代わりに月明かりが大地を照らし始めた頃、一良たち一行はようやくグリセア村の入口付近に帰り着いた。
一行は村を出発した時と比べて遥かに身軽で、持っている荷物と言えば私用品の入ったズタ袋と、イステリアで買った作物の種が入った小さな布袋、それに加えて2羽の鳥が入っている木の檻をロズルーが背負ってるのみである。
食料が高騰していたため、作物の種も例に漏れず高額となっていたが、一良が紅水晶を売って得たお金やアルマルの毛皮を売ったお金があったので、今まで村では作っていなかった作物の種を数種類仕入れる事ができた。
その他にも、鶏のような外見の根切り鳥という鳥(草の根を掘り起こして食べることから付いた名前らしい)をつがいで購入した。
この鳥は1週間に1つ程度卵を産むとのことで、上手く繁殖させて増やす事ができれば、村人たちの食卓も若干ではあるが豊かになるだろう。
ただし、根切り鳥の卵は孵化しても雛が大きくなる前に死んでしまうことが多いらしく、3年という短い生涯で5羽も孵化して成長すれば御の字ということらしい。
その上、羽は退化して飛ぶ事は出来ないとのことで、よく今まで絶滅しなかったなと根切り鳥の説明を聞きながら購入する際に一良は思ったのだが、そこは人間がうまいこと調節していたのだろう。
ちなみに、根切り鳥はつがいで800アルもした。
それらとは別に、一良の背負っているズタ袋には、村人達がよく着ているような服に使う布地の反物が2反入っている。
今までのようにこちらの世界で日本から持って来た服を着ているのはあまりにも目立つので、バレッタの提案で服を仕立てる事になったのだ。
一良は出来合いの服を買ってしまおうかとも考えたのだが、バレッタが普段の礼に自分が繕うと強く主張したので、お言葉に甘えることにした。
村の入口を抜けて村長邸に辿り着くと、村長と数人の村人が帰り着いた一良を見てホッとした様子で出迎えてくれた。
「カズラさん、長旅お疲れ様でした。ささ、温かい夕食が出来ていますから、荷物を置いて食べてくだされ。他の皆も上がって食べていってくれ」
「ただいまです……おお、焼き魚と炊き込みご飯ですか。これは豪華ですね!」
村長に促されて屋敷の居間に上がると、そこには既に一行全員分の夕食が用意されており、食欲をそそるいい匂いが漂っていた。
囲炉裏には木の串で串刺しにされた川魚が塩焼きにされており、鍋には山菜の他に何かの肉が入れられた炊き込みご飯が炊けている。
川での漁は普段は行わないといったことを以前にバレッタが言っていたので、疲れて帰ってくるであろう一行のために村長たちが川で釣ってきてくれたのだろう。
ここ4日間、一良たちとしては缶詰と塩汁の食事ばかりだったため、鍋で作った温かい食事や焼き魚は大変ありがたい。
「カズラ様、足をどうかなさったのですか?」
それぞれが背負っていた背負子やズタ袋を下ろす中、一良も背負子を下ろそうとしているのを見て、食事の準備の手を止めて手伝いに寄ってきた村娘の一人が、一良の足に巻かれた包帯に気が付いた。
「ええ、普段沢山歩いていない所為か足裏にマメが出来た上に潰れてしまったんです。包帯をぐるぐる巻きにして痛みを誤魔化しているんですが、やっぱりちょっと痛いですね」
そう言って恥ずかしそうに頭を掻く一良を見て、村娘は一瞬怪訝そうな表情をしたが、そうなんですか、と相槌を打つと一良の背から背負子を降ろした。
「カズラさん、水を汲んできました。足を洗わせていただきますから、そこに腰掛けてください」
背負子を降ろした一良が腰を押さえて背伸びをしていると、水桶と石鹸を持ったバレッタが屋敷の入口から入ってきた。
いつの間にか水路に水を汲みに行っていたらしい。
「ありがとうございます。足は自分で洗いますから、バレッタさんは居間に上がって休んでいてください」
そう言って恐縮した様子で水桶を受け取ろうと手を出した一良に、バレッタは
「いえいえ、一良さんこそ慣れない旅でお疲れでしょう? さあ、座って足をこちらへ出してください」
と、有無を言わさぬといった風に言うと伸ばされた一良の手を掴んでその場に座らせ、両足に巻かれている血と砂で汚れた包帯を解き、水桶に足を入れさせて優しく洗い始めた。
足を水につけられた瞬間、足裏の傷口が染みて激痛が走ったが、そこはぐっと我慢する。
「マメが出来てしまうとは……カズラさんの普段履いている靴と違って、我々の草履が足に合いませんでしたか。申し訳ありません」
「いやいや、私が貧弱なのが悪いんですよ! それに無理言って連れて行ってもらったのは私なんですから、謝らないでください!」
すまなそうに謝る村長の声に、一良は慌てて振り返って村長を宥める。
居間に上がっている他の村人達も、足を洗われている一良を見て心配そうな表情をしているか不思議そうな表情をしているかの二通りだ。
「カズラさん、袋から包帯とお薬を取ってもらえますか?」
一良が村長を宥めていると、一良の足を洗い終わったバレッタに声を掛けられた。
足は両方とも石鹸で綺麗に洗われ、後は消毒して包帯を巻くだけである。
「ありがとうございます。包帯は自分で巻きますから、バレッタさんも居間に上がってください」
「ダメです。私がやりますから、袋を貸してください」
「ええ……」
何故か自分で巻くことを却下され、一良は仕方なく袋から包帯とオキシドールを取り出してバレッタに手渡した。
バレッタはそれらを受け取ると、一良がここ数日していたのと同じように手早く傷口を消毒し、包帯を傷口に当て丁寧に巻きつける。
実は昨夜もバレッタに半ば強制的に包帯の巻き換えなどをしてもらったのだが、他の村人たちに注目されながら足に包帯を巻かれるというのは何となく気恥ずかしい。
包帯の交換が済むとバレッタも居間に上がり、他の村人たちと同様に囲炉裏を囲んで一良の左隣に腰を下ろす。
ちなみに、一良の右隣には既にミュラが着席していた。
「さて、食べるとしましょうか」
「はい、いただきます」
一良が手を合わせてそう言うと、他の村人たちも一良と同じように手を合わせ、いただきます、と声を揃える。
「一良さん、イステリアへの旅はいかがでしたかな?」
串に刺さった焼きたての川魚の塩焼きにかぶりつき、その味に思わず一良が頬を緩めていると、対面に座っている村長が話掛けてきた。
他の村人達もそれぞれ混ぜご飯や魚を口にしながらも、興味津々といった様子で一良を見ている。
「いやぁ、実に楽しかったですよ! 今まで見た事もないような石で出来た防壁や城門、大勢の人で賑わう商業区画が見れて、驚きと感動の連続でした」
「そうですかそうですか。道中では危険な目などには遭いませんでしたかな?」
村長が一良にそう問うと、一良の代わりにロズルーが口を開いた。
「いやいや、危険な目どころか、イステリアに向かう途中でアルマルを狩ることができましたよ。おかげで街ではいい値で売ることができました」
「アルマル? 街道沿いで狩る事が出来たのか?」
「ええ、休憩小屋で私がカズラ様と番をしていた時に、目の前に現れたんです」
ロズルーがそう言うと、話を聞いていた村人たちから「おおー」とどよめきが上がるとともに、「さすがカズラ様だ」などといった言葉も一良の耳に聞こえてきた。
もういつものことなのでスルーしておく。
「あと、カズラさんは持参した宝石を街で売って、そのお金を村のためにって私達に分けてくれたのよ。そのおかげで、根切り鳥や珍しい作物の種も買ってこれたの」
「なるほど、ロズルーが根切り鳥を2羽も背負ってきた時は驚いたが、そういうことだったのか……カズラさん、本当に何から何までありがとうございます」
バレッタの言葉に、村長は一良に礼を述べて深く頭を下げた。
あまり驚いている様子はないので、恐らく一良が金を工面してくれたのだろうと予想していたのかもしれない。
「いえいえ、私の方こそ村の皆さんに良くしてもらっていますから」
頭を下げる村長に、同じく一良も日ごろ世話になっている礼を述べる。
そして暫し豪華な食事を楽しみながら、イステリアでの出来事(一良がオカリナを買い叩かれたことやリーゼと遭遇したことも含め)を和やかに報告し、話が一段落した頃。
そういえば、と村人の一人が口を開いた。
「村の芋畑なのですが、カズラ様たちが村を出発してから凄い事になっているんですよ」
「凄い事?」
村人の言葉に一良が問い返すと、その村人は、ええ、と頷いた。
「芋の育ち方が尋常ではなくて、凄い勢いで大きくなっていっているんですよ。カズラ様の国の肥料は凄いなぁと畑仕事をしながら毎日皆で話していたんです」
「……え?」
村人の言葉に、一良は自分の耳を疑った。
一良が持ってきた肥料は、日本のホームセンターで買ってきたごく普通のものである。
いくら今まで何も肥料を与えていなかったとはいえ、肥料を撒いて僅か数日で芋が急激な成長をするはずがない。
村を留守にしていた他の面々も、村長の言葉に顔を見合わせている。
「うむ、その事も伝えねばならなかったですな。肥料を撒いてからたった8日しか経っていないにもかかわらず、芋の葉がいつもより二回り以上は大きくなっているのです。栄養ドリンクというお薬といい、カズラさんの国の品物は素晴らしいですな」
「二回り以上って……あの、明日の朝一緒にその芋畑に行ってもらってもいいですか? この目で確認したいんですけど」
「ええ、そうしていただけると私どもとしてもありがたいです。是非お願いします」
ともあれ、話を聞いただけでは芋がどれほどの成長をしているのかいまいち想像できない。
本当ならば明日は朝から水車の部品製作の進みぶりを確認しに行くつもりだったのだが、芋の成長っぷりはかなり気になる。
いくらなんでも二回り以上というのは考えにくいので、村長が大げさに言っているのだろうと一良は思ったのだが、とりあえず明日は朝一番で芋畑へ行き、それから水車の部品製作に取り掛かることにしたのだった。
次の日の朝。
長旅の疲れの余りに布団に包まって泥のように眠っていた一良は、寝過ごすことを見越してセットしておいたアナログ式の目覚まし時計のけたたましい金属音に叩き起こされると、村長親子と朝食を摂って芋畑へと向かうべく屋敷を出た。
ちなみに、目覚まし時計が鳴った直後に、既に起きて朝食の準備をしていた村長とバレッタが音に驚いて部屋に飛び込んでくるといった一幕もあったりしたのだが、理由を説明して平謝りすると笑って許してくれた。
疲れすぎてそこまで頭が回らなかったのだが、一言言ってから目覚ましをセットすればよかったと一良は反省するのだった。
屋敷を出てから少し歩き、以前肥料を撒いた芋畑に到着すると、一良は目の前に広がる光景に思わず
「なんじゃこりゃあ……」
と驚きの声を上げた。
「この通り、肥料のおかげで葉も蔓も今まで見たこともないくらいに大きくなりました。この分なら、収穫の時期には例年よりも立派な芋が収穫出来そうですな」
そう、昨日村長は大げさに言っていたわけではなく、本当に葉が二回り以上大きくなっていたのである。
目の前の畑に植えられている芋たちは、以前一良が見たときよりも遥かに長く蔓を伸ばし、畑の端に植えられている芋などはあぜ道にまで大きな葉をつけた蔓が盛大にはみ出している。
満足そうに頷いている村長の隣ではバレッタが嬉しそうに芋畑を眺めているのだが、一良としては喜びよりも疑問が先に立つ。
8日ほど前に肥料を撒いていた時の芋の葉は、パソコンで使うマウスと同じくらいの大きさだったのだが、今では大人の手のひら程の大きさになっているし、蔓も一回りほど太くなっているのだ。
これははっきり言って異常である。
「肥料を持ってきた私が言うのもなんですが、これはいくらなんでもありえないですよ。他の畑はどうなっているんですか?」
一良は地面に片膝をつくと、芋の葉を手に取って怪訝そうな表情で村長に問いかける。
そんな一良とは対照に、村長とバレッタは何がいけないのだろうといった表情をしている。
「他の畑も同じように芋や野菜が大きくなっていますが、何か問題でもあるのですか?」
「いえ、そういうわけではないんですけど、たった数日で野菜がここまで大きくなることなんて聞いたことが無かったもので」
一良はそう言いながら、目の前に生えている芋の一つを掘ってみた。
芋の葉がここまで成長しているのであれば、土の中にある芋も既に大きくなっているのではないかと考えたからである。
「よいしょ……うわ、やっぱり芋まで大きくなっていやがる」
芋の根元を掘ってみると、そこにはやはりというか、既に収穫できる程にまで大きく成長した芋が姿を現した。
大きさはスーパーで売っているMサイズの卵と同じくらいであり、以前バレッタが言っていた収穫時期の芋のサイズと同程度である。
「この間まで日照りで枯れかけていたのに、もう収穫できるくらい芋が大きくなってるなんて……肥料を撒くのとそうでないのとでは、ここまで差がでるんですね」
バレッタは嬉しそうにそう言うが、一良にしてみれば最早異常事態レベルである。
しかし、芋の成長が加速したのは嬉しい誤算であることも確かだ。
別に悪いことではないので、リポDの効能と同じように、買ってきた肥料の成分の何かが芋に対して特別な効能を発揮したのだろうと一良は楽観的に考えることにした。
どの道、詳しい原因などを今ここで考えても分からないし、撒いた肥料の所為でこうなったことは確実なので、とりあえず今はそれでよしとすることにした。
「まぁ……悪いことじゃないしこれはこれでいいか。それでは、私は水車の部品作りに行ってきますね。バレッタさんも一緒に来てください」
「では、私はこのまま畑の草むしりをすることにしますかな」
こうして、一良とバレッタは村長と別れ、水車の部品製作をするために森の伐採場へと向かうのだった。
一良とバレッタが伐採場に着くと、そこには既に10名の村人が集まっていた。
村人達は木を伐採する者と水車の部品を作製する者に数名ずつ分かれ、和やかに雑談しながら作業を進めていたが、一良とバレッタの姿を見つけると作業の手を止めて集まってきた。
「カズラ様、おはようございます。イステリアから戻られたのですね」
「ええ、昨晩戻りました。釘も手に入ったので、これで水車作りもバッチリです。作業の進み具合はどうですか?」
話しかけてきた村人に一良がそう問うと、その村人は自信有り気に胸を張った。
「カズラ様がイステリアへ出発する前に指示してくださった通り、水車の羽と外枠の板は完成しました。材料の木材は既に用意できているので、その他の部品もあと1日もあれば完成しそうですよ」
「えっ、本当ですか。そりゃ随分早いですね」
一良はイステリアへ旅立つ前に、水車の組み立てに必要な部品の部品図を全て大学ノートに書き出し、水車の製作作業に当たる村人達に見方を教えてから託していったのだが、ここまでハイペースで作業が進んでいるとは予想外だった。
一良たちの留守中に水車の製作作業に当たった村人は、ここにいる10名で全員である。
10名と言うと結構な大人数に聞こえるが、部品を作るにも木材が足りない為、森の木を切り倒す所からやらねばならない。
かなりの重労働となるため、一良たちが戻ってくるまでに半分程度でも作業が進んでいればいい方かと一良は思っていたのだが、いい意味で予想を裏切ってくれたようだ。
「これもカズラ様のおかげですよ。カズラ様が国から持ってきてくださった道具が使いやすいのもありますが、米や缶詰の食事をするようになってからというもの、長時間働いても以前に比べて大分疲れにくくなりましたし、たとえ疲れても少し休めばすぐに元気になります。それに、前より力もついたみたいで、以前よりも重たい物でも運べるようになりました」
「……なんですって?」
とんでもないことを笑顔で軽く話す村人に、一良は思わず聞き返した。
「そういえば、私も最近全然疲れなくなりましたよ。昨日あれほど歩いたのに、今朝には殆ど疲れが残っていませんでしたし」
一良に問い返された村人の代わりに、バレッタがこれまたとんでもないことを言い始めた。
思い返してみれば、イステリアへの旅において疲れた顔をしていたのは一良だけである。
ミュラは行きにて少し疲れた様子を見せていたが、まだ6歳であるので仕方が無いだろう。
だが、疲れた様子を見せてもリポDを一口飲ませれば短時間で体力がほぼ全快し、帰りの道でも一良に比べれば遥かに元気だった。
イステリアまでの移動で要した時間は片道約20数時間程だったが、途中の休憩時間を差し引いても、距離に換算して片道80km近くは歩いた計算になる。
普段農作業で身体を使っている大人たちならまだしも、たとえ万能薬化しているリポDを飲んだとはいえ、6歳のミュラがあそこまで元気だったということが不思議でならない。
「(これはもしや、リポDが発揮したような効能を米や缶詰までもが持っているってことか? 肥料を撒いた畑もおかしな事になっていたし、日本から持ってきたものはこの世界だと何か特別な効力があるのかもしれないな。俺は例外みたいだけど)」
バレッタと村人達が口々に自分もそうだと話している中、一良は一人腕組みして考え込んだ。
しかし、どんな理由でこんな現象が起こっているのかがよく分からない。
日本から持ってきた食べ物にも何か効能があるというのは確かだろうが、そうなると薬の扱いなどにはもっと注意せねばならなかったことになる。
リポDの驚異的な効能は村人で実証済みなのだが、日本で買えるような薬はまだ数える程しか村人達には与えていない。
この村に来たばかりの頃に、高熱を出して死にかけていた村長や村人に解熱鎮痛剤と胃腸薬を与えたことはあったが、リポDも一緒に与えていたため、それらの薬の効能はいまいちよくわからない。
薬が効きすぎて身体がおかしくなるといった反応は一例もなかったので、恐らくこの世界の人間が飲んでも問題はないのだろうが、今後はもう少し慎重に取り扱ったほうがいいだろう。
村人の誰かが高熱でも出して寝込んでいれば、薬を少しだけ与えて効能を見るといったことも可能だが、現在は村人全員が健康そのものである。
高熱どころか風邪すら引く気がしない。
「カズラさん、どうかしましたか?」
一良が腕組みしたまま俯いて考え込んでいると、バレッタが顔を覗き込んできた。
その声に一良が顔を上げると、集まっていた村人達は既に作業に戻っており、一良の傍にいるのはバレッタだけである。
「あ、いえ、何でもないです。私たちも部品作りに加わりましょうか」
一良はバレッタにそう言うと、作業を進めている村人達の元へと歩き出した。
バレッタは歩いていく一良の背中を、何かを窺うような表情で少しの間見つめていたが、すぐに自らも小走りで後を追うのだった。