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178話:扱い方

 一良とバレッタがイステリアに帰還してから数日後。

 2人はリーゼとともに、ナルソンの執務室へとやってきていた。

 各領地と王都から戻った使者たちの報告を聞くためである。

 テーブルにはイステリアから砦にかけての地図、そしてノートパソコンが置かれていた。


「やはり『砦を奪還せよ』ですか。まあ、予想通りですね」


 一通りの報告を聞き、一良がため息をつく。

 奪還しろと言うのはたやすいが、それを主導するのはイステール領だ。

 場合によっては、イステール領単独で何とかせねばならない。


「はい。特に、一部の王家の取り巻き連中はかなり焦っているようです。今すぐ徴兵して軍団を編成し、砦を攻撃すべきだと」


「取り巻きが、ですか。王家の意見は違うんですか?」


「基本的に王家も同意見なのですが、徴兵と軍団の編成、そして全軍の集結にかかる時間を考慮すると、砦を攻撃するまでに時間がかかりすぎると考えているようです。それに、同盟国の動きもまだどうなるか分かりませんし、相手が使ってきた大型投石器も気になっているようでして」


 使者が王都に出向いた際、報告を受けた王家の取り巻きたちの狼狽ぶりはすさまじいものだった。

 どうして砦を奪われるような失態を犯したのかと、使者の武官の1人が取り巻きに殴り飛ばされてしまったほどだ。

 その場はエルミア国王が何とか収まらせたのだが、『今すぐ砦を奪還しろ!』と取り巻きたちは常に騒ぎ立てていたらしい。

 イステール領が突破されれば自分たちの未来はないということを、彼らは理解しているからだ。

 とにかくすぐにでも徴兵を行い、現地に送るべきだという意見が大勢を占めているらしい。


「やっぱり戦力を整えるには時間がかかりますよね……というか、その取り巻きたちはずいぶんと言い分が大雑把ですね」


「事が事だけに、取り乱してしまったのかと。いきなり窮地に立たされて、冷静さを欠いてしまったのでしょう」


「うーん……まあ、彼らにしてみればイステール領がとんでもないヘマをやらかしたって感じて当然ですし、怒るのは仕方ないですかね……でも、王家の前で使者を殴り飛ばすって、ちょっと酷いですね」


「殴るのはさすがにやりすぎかとは思いますが、仕方がないかと。王家の前で、『自分はこんなに必死なんだぞ』とアピールしたいというのもあったのではないでしょうか」


「こんな時でも王家の顔色伺い窺いですか。それだけ聞くとかなり小物臭がしますね」


 映画や漫画でたまに見るような、声と態度だけがやたらと大きい小物貴族のようなイメージが一良の頭に浮かんだ。


「ま、まあ、そうはいっても皆それなりに能力のある連中ですよ。無能がのうのうと大きな顔をしていられるほど、今の世の中甘くはありませんので」


「そうなんですか。こう、利権だけ持っていれば無能が横暴していてもやっていける、みたいなイメージがありましたよ」


「戦前はそんな感じでしたが、今はそこまで好き勝手はできませんな。利権にかこつけて後方でふんぞり返って大した働きもしなかった家は、休戦後に不忠の烙印を押されて酷いところでは取り潰しになりました」


「へえ、戦争を利用して、配下の膿を出したってことですか」


「はい。王都では取り潰された家の資産は戦時の功績に応じて分配されたので、今の王家の取り巻き連中はかなり羽振りがいいようです。王家としても、近しい者や扱いやすい者たちばかりを周囲に配することができたので、内政もやりやすくなったようです」


 どうやら、国王はなかなかにしたたかな人物のようだ。

 不忠の烙印を押して家を取り潰すとはかなりの荒業だが、そういった力業も国家の運営には時として必要なのだろう。


「なるほど……ということは、今は王家の声一つで物事が動かせる状態ってことですか」


「ええ、取り巻き連中は基本的に王家を持ち上げる者たちばかりなので、意見は出しても足を引っ張るような真似はしません」


「じゃあ、その王家が援軍はすぐには出せないと言ってるってことは、王都からの援軍はなしってことになりますね」


「そうなりますな。速成訓練と国境までの行軍時間を考慮すると、どう考えても時間が足りません。他領も状況は同じです。フライス領は、手持ちの常備兵力を急ぎ送ると言ってきていますが」


「ううむ。いつもながら、フライス領には頭が下がりますね……グレゴルン領は何て言ってるんです?」


「騎兵隊を援軍として送ると言ってきています。が、彼らもバルベールと国境を接しているので、あまり多くの兵はこちらに割けないでしょう」


 グレゴルン領は、海岸線の狭い道に守備陣地を築き、休戦協定中もずっとバルベール軍と睨み合いをしている。

 バルベールからグレゴルン領に侵入するには、この海岸線を突破するか、海岸線脇の切り立った崖を踏破するか、船を使って海から攻め込むかの3択となる。

 崖はとてもではないが人間の足で越えられるような代物ではなく、崖を迂回して山中を進むにしても、よほど山道に慣れていて、かつ物資を山のように携帯しなければ不可能だ。

 海から船で侵入することもできるが、従来の船ではアルカディア軍の船舶の妨害を退きながら上陸作戦を行うのは至難の業である。

 だが、今はバルベール軍は大型船の建造に成功しており、海戦能力は大幅に向上している。

 海からの侵攻に備えて、グレゴルン領はあまり大きな兵力をイステール領への援軍に割くことはできないだろう。


「てことは、やっぱり援軍はほとんどあてにできませんね。ええと、イステール領は2個軍団使えるんでしたっけ?」


「はい。それ以上徴兵することももちろんできますが、通常は2個軍団となっています」


 イステール領では、非常時には2個軍団分少々の市民を徴兵し、軍団に組み込む分の兵力以外は防衛兼予備兵力としてイステリアにいくらか残しておくことになっている。

 前線で戦っている軍団が損耗するに合わせて、補充兵力が送り出される仕組みだ。

 減った分の予備兵力は、再度徴兵されて補充される。

 これは、街の経済能力を少しでも落とさないようにするためだ。


「てことは、砦を占領しているバルベールの2個軍団と同じ数ですね」


「数の上では同じですが、あちらのほうが兵士の質も装備の性能もあきらかに上です。まともにぶつかっては、相手にならないでしょう」


 バルベール軍は全員が職業軍人なため、兵士の質はかなり高いだろう。

 アルカディアとて、5年前までの戦争で古参兵はかなりいるが、休戦期間が空いてしまったせいでどうしても質は落ちてしまっている。

 文句なしに兵士としての質が高いと言えるのは、イステール家直属の近衛兵隊、そして平時に街の警備を担っている兵士たちだ。

 特に近衛兵たちは貴族の子弟や市民の富裕層からの志願者で編成された部隊であり、入隊当初から血反吐を吐くような訓練を受けている者たちなので、戦闘能力はかなり高い。

 有事の際は、彼らの中から徴募兵たちの中隊指揮官が選出されることになっている。


「なるほど。てことは、大軍同士が正面からぶつかる戦いになったら勝ち目はないってことですね?」


「はい。正直言って、砦や防御陣地に籠っての防衛戦以外では万に一つも勝ち目はありません。会戦などもってのほかです」


「と、相手はこちらを見てるってことですか」


「はい。そこが狙い目ですな」


 そう言って、ナルソンが地図に目を落とす。

 そして、砦より少し手前の山岳地帯沿いの街道に、とん、と指を置いた。

 ナルソンが夜通し武官たちと協議して、選定した会戦予定地だ。

 両脇を森と山岳地帯に挟まれており、道は一直線である。

 ただし、道自体は狭いというわけではなく、森と山岳地帯との間にはかなりの空間が広がっている。

 本当ならばもっと狭い場所を選びたかったのだが、今回の目的に合う場所はここしかなかった。


「クロスボウを主力として用いるならば、このように両脇を森で隔たれた直線的な場所で戦うのがよいでしょう。両脇からは回り込まれにくいですし、正面同士の戦いならば圧倒的に有利な戦いに持ち込めます」


「む、野戦に持ち込むんですか。……でも、相手がわざわざ砦を出て迎撃に出向きますかね?」


「どうでしょう。相手の指揮官の気質にもよるかと。独断で砦を奇襲してくるような好戦的な指揮官で、今回の砦攻略で勢いに乗っていると感じれば、出張ってくるかもしれません。まあ、五分五分といったところですな」


 もしも敵の軍団長が、今回の奇襲攻撃をバルベール本国の了解なしに独断で仕掛けてきたような者だった場合、この作戦に乗っかってくる可能性はそれなりに高い。

 砦の奪還に出張ってきたイステール領軍を、奇襲でも防衛戦でもなく、会戦で正面撃破という栄誉は魅力的に映るだろうからだ。


「それに、この地形なら相手としては我が軍を挟み撃ちにして殲滅できると考えるでしょう。森を迂回して後方に騎兵を回り込ませ、森の出口で待ち構えた本隊と挟撃させることができます。相手がそこまで頭が回れば、の話ですが」


 イステリアから砦までの道のりは、山岳地帯からイステリアに向かって流れる川沿いにさかのぼり、その後は山岳地帯に沿うようにして砦へと到達する。

 山岳地帯の脇を砦へと続く道は、右手に森が広がっている。

 敵からしてみれば、森と森の間を進軍してくるアルカディア軍を森の出口で万全の態勢で迎え撃つことができるうえに、上手いこと騎兵を回り込ませれば前後から挟み撃ちにできる。

 砦に籠っての戦いでは長期戦にもつれ込むだろうが、会戦を選択すれば早ければ一日で決着がつくうえに、アルカディアに与える衝撃もすさまじいものになると考えるだろう。


「正面からの攻撃はクロスボウの多段攻撃で撃退し、後方は予め配備しておいた長槍兵で守りを固めつつ、増員した騎兵隊で迎撃します。鐙のおかげで戦闘能力は大幅に向上しているので、最悪でも引き分けに持ち込めるかと」


「ああ、相手はこっちが大量に騎兵を持っているって知らないんですもんね……でも、敵の騎兵ならたぶん新兵器で対応できますよ。バレッタさん、図面を」


「はい」


 バレッタが傍らに置いておいた図面を取り、執務机の上に広げる。

 手持ちの小型大砲、ハンドキャノンの設計図だ。

 

「これは……筒ですか?」


 見たことのない形の兵器を見せられ、ナルソンが一良に目を向ける。


「えっと、それはハンドキャノンという兵器です。先端に小石や鉄片を長い草と一緒に押し込んで、少し後ろにある穴に火をつけると、詰めたものが高速で飛び出すんです」


「飛び出す、ですか。ちょっとどういったものか想像がつかないのですが……」


 困惑気味のナルソンに、一良は「ですよね」とノートパソコンに手を伸ばした。

 画面を皆が見えるように、机の端に置きなおす。

 マウスを操作し、『戦闘技術の歴史シリーズ:イギリス編』と書かれた動画ファイルをクリックし、再生した。

 金髪でやたらと体格のいい中年男性が、小高い丘の上に立っているシーンが映し出された。

 身振り手振りを交えながら、その地で起こった戦闘のあらましを語り始める。


「な、何ですかこれは? 中で人がしゃべっているようですが……」


 動画というものを初めて目にしたナルソンは、目が点になっている。

 バレッタとリーゼも、それを見て「おー」と声を漏らしていた。


「これは動画というものでして、写真と同じようにカメラで撮ったものです。写真みたいに止まった状態ではなく、動いている映像をこうやって保存することができるんですよ」


「え、じゃあ、あのデジカメでもこれと同じように撮れるの?」


 リーゼが興味津々といった様子で、一良に問いかける。


「ああ、撮れるぞ」


「そうなんだ! へえ、すごいなぁ」


「あの、カズラさん、この人が話している言葉、何を言っているのか全然分からないんですが……」


「えっ?」


 バレッタの言葉に、一良は驚いて画面に目を向けた。

 画面の中の男性が話すのに合わせて、吹替された日本語音声が流れている。


「あ、意味が分からないってことですか。えっと、これはイギリスの……」


「い、いえ、そうじゃなくて、本当に何の言葉を話しているのか全然分からないんです。言語が理解できなくて」


「……マジですか」


 まさかの事態に、一良が驚いた声を上げた。

 ノートパソコンから響く音声は、まぎれもなく日本語そのものである。

 一良が話しているのも日本語であり、もちろん同じ言語だ。

 どうやら、自動翻訳機能がついているのは、一良限定であるらしい。


「えっと、それじゃあ彼の話している内容は俺が吹替ますね。とりあえず観てみましょう」


 一良はパソコンを操作し、ハンドキャノンの試射を行うシーンにまで映像を進めた。

 新たに加わった歴史武器研究家の老人を交え、ハンドキャノンが初めて使われた当時の情景を語る。

 火器の歴史は13世紀の中国から、のような歴史話も出てきたが、そこはスルーだ。


『ハンドキャノンは、射程距離が比較的短い武器です。屑のようなものを詰めて使いました』


『屑ですか?』


『はい。弾丸はもちろんですが、釘、鉄くず、砂利など、入れられる硬いものは何でも使いました』


「……ふむ。専用の弾や矢を用意しなくてもいいのは、使い勝手がよさそうですな」


 ナルソンは画面を食い入るように見つめながら、ふむふむと頷いている。


『では、実際に撃ってみましょう』


 ハンドキャノンから20メートルほどの位置に、数個のスイカが的として並べられた。

 進行役の男がハンドキャノンを構え、研究家の老人が砲身の少し後ろにある穴に火のついた松明を近づける。

 ポンッ、という音とともに、ハンドキャノンの先端から長い火花と細い煙が幾筋も飛び出した。


『ワァオ! 見てください! スイカが穴だらけになりました!』


 画面内の男の台詞を、一良がそのまま口にする。

 赤い果肉を所々から覗かせるスイカを見て、ナルソンが、ううむ、と唸った。


「なんと、このような兵器が存在するとは……飛び出す小石などがまったく見えなかったのですが、かなりの速度が出ているということでしょうか?」


「そうです、そうです。目で追うこともできないほどの速度でいくつも飛び出すので、避けるなんてことはできません。この後、先ほどの映像がもう一度、ゆっくりと流れますよ」


 一良が言った直後、今しがた発射した場面のスロー再生が始まった。

 砲身の口から、真っ赤な火花が飛び出す映像が流れる。

 スロー再生にもかかわらず、弾丸の速度が速すぎて、煙を帯びながら飛んでいく赤い筋にしか見えない。


「何とすさまじい……盾や鎧は貫通できるのでしょうか?」


「んー、どうかな。距離にもよると思いますけど、あまり期待はできないですね。なので、突っ込んでくる騎兵のラタを狙うような使い方が効果的です。バルベール軍のように密集して大盾を構えてにじり寄ってくる重装歩兵には、効果は薄いと思います」


「カズラさん、このハンドキャノン、発射音がすごく静かに聞こえたんですけど……」


 バレッタが横から手を伸ばし、マウスを操作して先ほどの発射シーンをもう一度再生する。

 ポンッ、という軽い音が、再びノートパソコンから響いた。


「ああ、これはパソコンを通した音だからですよ。実際は、もっと大きな音に聞こえるはずです。それこそ、びっくりするくらいに」


「あ、そうなんですか。よかった……」


 バレッタが、ほっと胸をなでおろす。

 ハンドキャノンの散弾がラタを倒せるほどの威力を有していたとしても、先頭の騎兵しか倒せないのでは意味がない。

 火薬が爆発する大きな音でラタの足を止まらせることが、一番効果を発揮するだろうとバレッタは考えていた。


「音、ですか。そんなに大きな音なのですか?」


「ええ。それこそ、耳が痛くなるくらいに大きいはずです。モノが完成したら、イステール領の騎兵を使って怯むかどうか試してみましょう。あと、直接砦を攻撃する時用に、カノン砲という兵器もありまして……」


 一良が言うと、バレッタが傍らの図面を机の上に広げた。

 先ほどと同じように、一良がパソコンを操作してカノン砲が使われている映像を映し出す。

 カノン砲から砲弾が発射されると同時に、先ほどよりも大きな音が、パソコンから響く。

 的として数十メートル先に置かれた木の板には、大穴が空いていた。


「すご……こんなものがあるなら、負けようがないじゃない。防壁なんて簡単に壊せそうだし」


 リーゼが、唖然とした表情で映像を見ながら言う。


「数が揃っちゃえば、正直言って負けようがないと思う。反則みたいな威力を持ってる兵器だからな」


「カズラ殿、さっそくこれらの兵器を製造したいのですが、材料はどうすれば?」


 ナルソンが問うと、一良の代わりにバレッタが口を開いた。


「鉄と木材があれば大丈夫です。時間がないので、早く手を付けないと」


「うむ……しかし、材料は本当にそれだけでいいのか? 発射の前に火を付けていたようだが、燃料のようなものも必要なのだろう?」


「……すみません、それはお答えできません」


 バレッタが答えると、ナルソンはいぶかしんだ視線を彼女に向けた。

 それを見て、一良が慌てて口を開く。


「えっと、これらの兵器には特別な薬剤を用いるんです。それは、この世界を一変させてしまうほどの力を持っています。万が一、それが他国に知られでもしたら、今度はこちらがそれを使った兵器を恐れる番になってしまうんです」


「つまり、秘匿性を高めるために、私どもには教えることはできないということでしょうか?」


 静かに問いかけるナルソン。

 自分たちは信用できないのか、と暗に言っているのだろう。


「……すみません」


 気まずそうに、一良が頷く。

 嫌な沈黙が、執務室に流れた。


「カズラが謝ることなんてないよ」


 皆が黙りこくるなか、リーゼがその沈黙を破った。

 皆の視線が、彼女に集まる。

 リーゼは、優しい笑顔を一良に向けていた。


「どんなことになっても、私たちはあなたを恨むようなことは絶対にしない。それどころか、いくら感謝したってしたりないくらいなんだから」


「リーゼ……」


「お父様、これらの兵器の件は、すべてカズラに任せましょう? 私たちが口を出すべきではないと思います」


「……うむ、そうだな」


 娘の言葉に、ナルソンが頷く。


「カズラ殿、失礼な物言いをして申し訳ございませんでした。兵器の製造や材料の調達は、すべてお任せしてもよろしいでしょうか?」


「はい、大丈夫です。任せてください。その……本当にごめんなさい。こればっかりは、どうしても……」


「いえいえ、いいのです。バレッタ、カズラ殿とともに、よろしく頼んだぞ」


「はい!」


 何とか収まった空気に、バレッタも張りのある返事を返す。

 リーゼはそんな一良とバレッタを見て微笑みながらも、ぐっと歯を噛みしめていた。

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