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173話:好きとか嫌いとか言える状況じゃない

 翌日の朝食後。

 一良、バレッタ、リーゼは、ナルソンの執務室へとやってきていた。

 3人が席に着くと、ナルソンは一良に深々と頭を下げた。


「カズラ殿、朝早くお呼び出しして、申し訳ございません」


「いえ、それはいいんですが……ナルソンさん、大丈夫ですか?」


 しっかりと休んでそれなりに生気を取り戻している3人に対し、ナルソンは疲労困憊といった様子でやつれた顔をしている。

 朝食の席にも顔を出さず、昨晩から領の重鎮たちと今まで会議をしていたからだ。


「大丈夫です。徹夜には慣れていますので」


「そ、そうですか。とりあえず、これ飲んでください」


「おお、ありがとうございます」


 ナルソンは一良からリポDを受け取り、一気に飲み干した。

 砦を脱出した際にも何度か飲ませているので、その効能は承知済みだ。

 とはいえ、睡眠が必要なことには変わりないのだが。


「今後の方針ですが、我が領は戦時体制に移行いたします。他領と連携し、砦の奪還に向けて準備を進めます」


「砦を攻撃する、ということで決まったんですか?」


「いえ、他領と王家とも協議しなければならないので、まだ確定ではありません。ですが、現状は喉元に剣を突き付けられたも同然です。砦を奪い返さねば、我々に未来はありません」


「まず間違いなく攻撃することになる、ってことですかね?」


「そうなるでしょう。時間が経つにつれ、敵の守りはどんどん堅くなります。可能な限り、早期に攻撃しなければなりません。グレゴルン領とフライス領からだけでも援軍が間に合えばいいのですが」


「ええと……味方の援軍を待っている余裕はないかもしれないってことですか?」


「はい。あまり相手に時間を与えすぎると、砦の攻略は不可能になりますので」


 今のところ、敵側の戦力は2個軍団である。

 職業軍人で構成されたフル装備の軍隊が2個軍団、しかも砦を有しているという、普通ならば絶望的な状況だ。

 いくら新兵器があるといっても、敵が増えればそれだけ攻略が難しくなることには変わりはない。

 敵が戦力を増強する前、それも敵が想定しえないほど早期に攻撃する必要があるだろう。


「他領と王都には武官を送り出しました。彼らが戻り次第、砦への攻撃の日取りを決定します」


「同盟国に使者は出したんですか?」


「もちろん出しました。協定では、同盟国のいずれかが攻撃された場合は、他のすべての同盟国はバルベールと戦闘を再開することになっていますが……はたして、彼らが約束を守るかどうか」


「協定を守らない可能性が高い?」


「どちらとも言えません。ですが、万が一に備え、クレイラッツとの国境沿いにある街の守備を堅めなければなりません」


 以前、クレイラッツの軍司令官が軍隊の進駐をイステール領に申し入れてきたことがあったが、その意図はいまだ不明なままだ。

 ジルコニアは、クレイラッツはバルベールとすでに手を組んでいるのではないか、と言っていた。

 もしそうだとしたら、このタイミングで国境に軍隊を派遣してくる可能性が高い。

 そうなれば、クレイラッツと国境を接しているイステール領、そしてフライス領は、大規模な守備隊を派遣せざるを得なくなる。

 ジルコニアが予想したように、アルカディアは二正面で戦うことになるだろう。


「今のところ、クレイラッツに軍事的な動きはあるんですか?」


「いえ、まったくありません」


「そうですか……味方のままでいてくれるといいんですが。砦への攻撃に合わせた動きはないってことは、まだ希望は持てますかね?」


「それは分かりません。此度の奇襲攻撃自体が極秘の作戦でしょうし、前もってバルベールがクレイラッツに通知するようなことはしないでしょう」


「あー……それもそうですね……」


「お父様、お母様の救出をどうするのかは決まったのですか?」


 2人の話を聞いていたリーゼが、たまりかねたように口を挟んだ。


「いいや、まだ何も決まっておらん」


「そ、そんな! まさか、お母様を残したまま攻撃を――」


「落ち着きなさい。順を追って説明するから」


「……申し訳ございません」


 ナルソンに諫められ、しゅんとした様子でリーゼが口を閉ざす。

 ナルソンはふたたび一良に視線を戻した。


「砦には、明日にでも使者を派遣するつもりです。解放された市民と兵士がイステリアに到着し次第、連絡を寄越せと彼らから要請があったので」


「そんな要請が……ジルコニアさんの要望ですかね?」


 一良の言葉に、ナルソンが頷く。


「そうでしょうな。アイザックの話では、ジルは敵方の秘書官と一緒に倉庫に収監されているようです。市民や兵士に手出しをしたら、その秘書官の首をはねるという約束になっているようでして」


「そ、それはまたすごい約束を取り付けたんですね。相手がよくその条件を飲んだな……ていうか、それだとジルコニアさんは武装したまま、その秘書官を人質に取っているってことですか?」


「そうかもしれません。剣がなければ、何かあっても首をはねられませんので」


 話だけでは、どういう経緯でそのような状況に至ったのかが想像できない。

 捕虜が捕虜を取っているようなおかしな構図になっているようだが、相手はジルコニアに対してかなり譲歩をしたようだ。

 そのうえ、捕虜となった市民と兵士を解放させる状況に持っていくとは、相手はどれだけジルコニアを生かしたまま捕らえたかったのだろうか。


「おそらく、相手はよほどジルのことを人質に取りたかったのでしょう。捕虜になることをよしとせずに自決でもされては、もったいないどころの話ではないですからな」


「なるほど……で、派遣した使者にジルコニアさんの状態を確認させるってことですか」


「はい。できればその時に、何かしらこちらから指示を出したいのですが……さて、どうしたものか」


「そうですね……」


 ジルコニアを救出するにしても、彼女とこちらで情報の共有がある程度はできていなければ作戦の立てようがない。

 敵の目がある以上、直接話すことはもちろん論外だ。

 何かに隠して手紙を渡すといったことができればいいが、それができるかどうか。


――スマートフォンやICレコーダーのようなものに録音して、何とかしてジルコニアさんに……うん、どう考えても無茶だな。話にならん。


 手持ちの道具を使って何とかできないかと一良は考えたが、まずそれらをジルコニアの下へと届けること自体難しいだろう。

 仮にそれらをジルコニアに渡すことができたとしても、彼女はそれらを使うどころか見たことすらないのだ。

 初見の人でも使えるように、ボタンを押せば録音したものが再生されるといったものを用意するといった方法もある。

 だが、彼女の手に渡る前にバルベール側は当然それを調べるだろう。

 下手をすれば、敵の前で堂々と作戦内容を垂れ流すことにもなりかねない。

 彼女が収監されている倉庫には窓もないので、外部からこっそり何かを届けるといったことも難しい。


「……食べ物の差し入れをしてみてはどうでしょうか」


 一良たちが考え込んでいると、それまで黙っていたバレッタが口を開いた。


「食べ物……ですか?」


 唐突な提案に、一良が小首を傾げる。


「はい。夕食後のデザートによく食べていたもの、といった体で差し入れるんです。ドライフルーツとかになるでしょうか」


「……そんなものを差し入れすることと、お母様を救出することに何の繋がりがあるわけ?」


「リーゼ」


 とげのある言い方をするリーゼを、ナルソンがたしなめる。


「意図を説明してくれないか。なぜ食べ物なんだ?」


「目的は2つあります。1つは、食べ物を使ってジルコニア様を強化するということ。ジルコニア様を救出する際の助けになります」


「どういうこと?」


 話が分からない、といった様子のリーゼ。

 それとは対照的に、ナルソンは納得したように頷いている。


「やはり、あの力は……カズラ殿、どれくらいの量を食べれば、グリセア村の住民のような力が手に入るのでしょうか? それとも、食べ物の種類にも関係が?」


「いえ、種類とか量じゃなくて、摂取を続けた期間が関わってくるんですよ。大体半月くらい継続して食べ続けると、身体能力が大幅に強化されます。これからは、ナルソンさんとリーゼにも毎日食べてもらいますね」


「カズラ、私にもちゃんと説明してよ」


 話においてけぼりにされ、リーゼが不満そうな声を上げる。


「ええとだな、俺があっちの世界から持ってきた食べ物あるだろ? あれを毎日食べ続けると、めちゃくちゃ力持ちになるんだよ」


「……え、あれって食べ物のせいだったの? 薬とかじゃなくて?」


「ああ、実は……っていうか、薬で力が付くと思ってたのか」


「うん。たまにくれる元気になる薬とは別に、力が付く薬があるのかと思ってた」


 リーゼにも、何度かリポDやら精油やらを与えたことはあったので、そう考えていたとしても仕方がないだろう。

 元々、栄養ドリンクや精油を特別な薬として扱うことで、食べ物で身体能力が強化されることについての隠れ蓑にするつもりだったのだ。

 今の今まで、その意図は上手くいっていたようである。

 ジルコニアには、早々にバレてしまっていたようだが。


「だからマリーって力持ちだったんだね。毎日食事を作る時に味見するもんね」


「そうだな。少ししか食べてなくても、継続して食べていれば効果は出るみたいだ。実際、どれだけ食べてたのかは知らないけど」


「でも、食べ物を差し入れてお母様に力を持たせたとして、それだけで砦から脱出なんてできるの?」


「……うーん」


 実際問題、強化された人間がどれほどの身体能力を有しているのか、一良としてもいまいち分かっていない。

 以前、グリセア村の人々は、たった4人で400キロ近くある水車を軽々と持ち上げていた。

 バレッタも村から北西の山まで走って通っていたようなので、スタミナも相当付いているといっていいだろう。

 とはいえ、いくら強くなっていたとしても、不死身になっているわけではない。

 あくまでも身体能力が向上しているというだけで、剣や槍で刺されれば死ぬときは死ぬのだ。


「……バレッタさん、どう思います?」


「砦の警備体制がどうなっているのかは分かりませんが、隙をついて無理くり脱出、というのはさすがに自殺行為だと思います。何かしら、外部から私たちが手助けをしないと」


「ですよね。となると、外で騒ぎを起こして相手の注意を引き付けて、その間に救出って感じになりますかね?」


「いえ、外で騒ぎが起こればジルコニア様の周囲は余計に警戒される可能性が大きいです。騒ぎを起こさず、ジルコニア様と示し合わせて、出来る限り静かに救出しないと」


「……なるほどな。それで夕食後のデザートか」


「はい」


 感心した様子で言うナルソンに、バレッタが頷く。

 一良とリーゼは意味が分からず、頭に疑問符を浮かべている。

 バレッタはそれに気づき、説明すべく口を開いた。


「えっと、夕食後のデザートってかたちで、個数を決めて差し入れをすることで、『何日後に助けに行きます』というメッセージにするんです。これなら強化と連絡の手段が一緒になるので、いい方法かなって。夕食後と伝えておけば、大まかにですけど、救出は夜ってことも伝わるかなって」


「な、なるほど。よくそんなこと思い付きますね……」


「でも、それってちゃんとお母様に伝わるかな」


 頷く一良とは違い、リーゼが不安そうにつぶやく。


「そこはやり方次第なんじゃないか? 渡す時に、『いつもデザートに食べてたやつ』とかジルコニアさんに言えれば、何かのメッセージだと思ってくれるだろうし。実際食べれば、身体の変化で気付いてくれるだろうしさ」


「うん……」


 一良の言葉に、リーゼは不安そうな表情を浮かべながらも頷いた。


「しかし、万が一差し入れを相手側の人間に食べられてしまったらまずいですな……」


「……そうですね。相手が素直にジルコニア様に渡してくれるとは限りませんし。ごめんなさい。やはり、この手はやめておきましょう」


 ナルソンの懸念に、バレッタも同意する。

 ナルソンはジルコニアに食べ物が届かないことに対する可能性について言っているが、バレッタのそれは少し違う。

 万が一相手に食べ物の効能を気付かれたら、回りまわって一良の身に危険が及ぶ可能性があることを不安視したのだ。

 ではどうしよう、と沈黙が流れる。

 しばらくして、腕組みして考え込んでいた一良が顔を上げた。


「……ナルソンさん、芋虫って、バルベールの人も食べるんですかね?」


「芋虫ですか? アルカディアでは虫料理は広く食べられていますが……他国のそういったものは聞いたことがありませんな」


「リーゼは何か聞いたことあるか?」


「んー、私も聞いたことないかな。それに、美味しい虫ってアルカディアン虫の幼虫くらいしかないはずだよ。流木虫ならどの国でも採れると思うけど、あれってあんまり人気ないし……あ、私は虫系は全部ダメだけどね」


 アルカディアン虫は名前からも分かるように、アルカディアにしか生息しない昆虫だ。

 他の虫に比べてすこぶる味が良いため、アルカディアでは高級食材として扱われている。

 他国ではアルカディアン虫のように食用に適した昆虫はみられず、昆虫食というもの自体一般的ではない。

 ちなみに、流木虫は流木の中に住み着く昆虫だ。

 幼虫は食べることができるが、少々苦みがあるうえに泥臭いので、アルカディア人でも苦手だという人はかなり多い。

 クロコ虫は成人男性の手の親指ほどの大きさの昆虫で、成虫の素揚げがおつまみ感覚で広く食べられている。

 幼虫はアルカディアン虫とよく似た見た目をしているが味がほとんどしない、というより、食感が最悪ではっきり言って不味いので不人気である。

 バレッタが村で生活していた時は、それらが手に入った際は好き嫌いせずに何でも食べていた。


「てことは、虫を食べる文化があるのはアルカディアくらいってことでいいのか?」


「たぶんね。……え、もしかして、お母様に虫を送り付けるの?」


「うん。虫っていっても、芋虫の形をしたチョコレートだけども」


 一良の提案に、バレッタが「なるほど」と頷いた。

 一良が言っているのは、『芋虫チョコ』と呼ばれる芋虫そっくりな見た目のチョコレートである。

 色とりどりのチョコレートを用いて、本物の芋虫そっくりにつくったチョコレートだ。

 リアルなものは見た目がかなりグロテスクだが、素材はチョコレートなので味はもちろん甘く、まろやかである。


「チョコレート? 何それ?」


「めちゃくちゃ甘いお菓子だよ。最高に美味しいぞ」


「え、何それ、食べてみたい!」


 お菓子と聞いて、リーゼが瞳を輝かせる。


「よし、持ってくるか。ちょっと待っててくれ」


 一良は席を立ち、自室へと向かった。




 数分後、4人の前には、皿に盛られた色とりどりのチョコレートが置かれていた。

 ミルク、ブラック、抹茶、ストロベリー、ホワイトといった板チョコに加え、ナッツ入りのものやウェハース入りのものなどが数点だ。

 賞味期限の長い嗜好品ということで、大量に買ってダンボールに放り込んであったものだ。

 リーゼはその中から、ホワイトチョコを1かけらつまみ上げた。


「白いお菓子って珍しいね。食べてもいい?」


「おう。ナルソンさんとバレッタさんもどうぞ」


 一良に勧められ、他の2人もチョコを摘まむ。

 ナルソンがイチゴチョコ、バレッタがミルクチョコだ。

 3人同時に、チョコを口に運ぶ。


「いただきまーす……っ! 何これ、すごく美味しい!!」


 チョコを咀嚼し、リーゼがその濃厚な甘さに驚嘆の声を上げた。


「こ、これはかなり美味いですな……こんな食べ物があったとは……」


「すごく優しい甘さですね。美味しいです……」


 ナルソンとバレッタも、初体験の味に目を見開いている。

 2人とも、味に感激して恍惚とすらしている様子だ。


「あれ? バレッタさんもチョコは食べるの初めてでしたっけ?」


「はい、初めてです。写真では見たことありましたけど、こんなにも美味しいものだったんですね」


「ねね、他のも食べてみていい?」


 リーゼが物欲しそうな顔で口に指を当てながら、一良を上目遣いに見る。


「好きなだけいいぞ。部屋に箱で置いてあるからいくらでも食え」


「やった!」


 リーゼが喜び勇んで、抹茶チョコを口に入れる。

 バレッタも別のチョコをつまみ、目の前にかざした。


「これを使って芋虫を作るんですよね。本物の芋虫にできるだけ近づけないと」


 バレッタの言葉に、ナルソンが頷く。


「うむ。芋虫の中に何か入っていないかと調べられる可能性もあるからな。本物の芋虫と遜色ないように作ったほうがいいだろう」


「チョコレートだけだと質感の再現が難しいかもしれないです。外側をゼラチンで覆って、肌触りも同じようにしないと。中には練乳か煮詰めたシロップを……上手くできるかな」


「お菓子作りはエイラが得意だから、手伝ってもらおうよ。マリーにも声かけてさ」


 ぱくぱくとチョコを頬張りながら、リーゼが言う。

 ナルソンもそれに同意するように頷いた。


「アルカディアン虫は美味いと有名なので、興味本位で口にする輩がいるかもしれません。作るのは流木虫にしたほうがいいでしょう。それと、本物の流木虫も一緒に送りましょう。チョコレートで作ったものだけだと、この甘い匂いでばれるかもしれませんので。流木虫は臭みがあるので、誤魔化せるかと」


 一良が「なるほど」と頷く。


「確かにそうしたほうがいいですね。それと、最低でも半月以上は毎日食べることになりますから、芋虫は保存が利く状態に加工しないとですよ。作るやつもそれとそっくりに作らないと」


「保存用だと燻製にしないとですね……でも、あれって干したり熱したりするとかなり臭みが強くなるんですよね」


「それなら、なおのこと好都合だろう。そんなに臭いものを誰も食べようなどとは、まず思わんさ」


 食べさせられる本人のいないところで、どんどん話は進んでいく。

 そんなに臭いものを食べることになるジルコニアに一良は内心憐れみを覚えながらも、ふとあることに気が付いた。


「あの、ジルコニアさんって、芋虫って好きなんですか?」


「いえ、好きではないはずです。食卓にアルカディアン虫が出た時も、一度も手を付けたことがありません。『見た目が無理』とのことで」


 やはりというか、たとえアルカディア人でも、芋虫を食べることに抵抗がある者は少なからずいるようだ。

 こちらの世界に来た初日に、初めてアルカディアン虫を口にした日の衝撃を一良はしみじみと思い返した。


「あー……その、大丈夫ですかね? ただでさえ嫌いなものなのに、臭みが伴うようなものを食べさせるとなると……」


「好きとか嫌いとか言っている場合ではありませんので。なに、あいつのことです。こちらの意図さえ理解すれば、何食わぬ顔で平然と食べるかと」


「そ、そうですか」


 物凄く嫌な予感を感じながらも、一良は頷くのだった。

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