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とある男子校生シリーズ

とある男子校生の違和感の話

作者: aeaesdsd
掲載日:2026/05/26

ある日放課後に学校の別館で自習していた天原 雄二はトイレに行くために席を立った。


「ちょいトイレ行くわ」

「そんなのいちいち報告すんな」


その学校の別館には男子トイレの隣に女子トイレがあり、一部の先生が主に使用していた。

いつもは電気は付いておらず、鍵は開いていた。

だが、その日に限って何故か電気はついており、鍵もかかっていた。

そのことに疑問を持った雄二は用を足すと、急いで自習していた教室に戻った。


「お前ら女子トイレの電気がついてんだけど」

「何それおもろ」


雄二は教室にいた友人を連れ、もう一度女子トイレに行った。

女子トイレに着いた時、すぐそばで物音がした。

同じ学校の制服を着た人がこの階から階段で降りて行ったようだ。

女子トイレの電気はすでに消えていた。

しかし、鍵はかかったままだった。

この学校の女子トイレは中からしか電気をつけたり消したりすることができないため、中に入るしか電気を消す方法は無い。

雄二はさっき見た時から1分も経っていないのに随分と仕事が早いな。と思った。


「さっきの奴って多分先輩だよな」

「ガタイがそんな感じだったからそうだろ」

「天原、さっきは電気ついてたんだっけ?」

「確実についてた」

「すごい速度で鍵閉めてんな」

「戻るか」

「戻ろう」


その後雄二らはくだらない話をしながら教室に戻ろうとした。

だが、雄二は角を曲がった瞬間急激に気になり出しもう一度見ると言い出した。

他の奴らは俺も見ると言った1人を除いて教室に戻って行った。


もう一度見に行こうとした時、先ほどの先輩らしき人が階段から手すりに乗って滑り降りてきた。

先輩らしき人はこちらを見てニヤリと笑った直後階段を駆け上って行った。

雄二はそれに何か違和感を覚えたが、すぐに興味が失せた。


女子トイレの電気は消えたままだった。

雄二は鍵が閉まってるかを確認しようとドアのストッパーを見た。

この学校の女子トイレはドアと鍵のストッパーが外から見えるようになっている。

上のストッパーはドアのストッパー、下のストッパーは鍵のストッパーだ。

見ると一個しか閉まっていないようだ。


「鍵開いてるわ」

「さっきの先輩仕事早すぎじゃね?」


雄二はおもむろにドアを開けようとドアノブを捻ろうとした。

だが、回らない。

力を入れても回らない。


「あ、右か」


逆向きには回った。

しかし、それでもドアは開かなかった。

上のストッパーがかかったようだ。


「鍵かかっちゃった」

「あれ?鍵かかってんの?」

「先輩が鍵かけるのミスってたっぽい」

「流石にあんな早けりゃミスるよな」


彼らはその後、特に気にせず帰路に着いた。


◆◇◆


なんなんだろうか。

この、脳の奥がムズつくような。

心臓を内側から引っかかれるような。

全身の骨をくすぐられるような。

なんなんだろうか。


今日の、あのことが起きてから。

ずっと感じているこの違和感は。

違和感?



違和感。



そう、違和感だ。

違和感なんだ。


なぜ、あの先輩はなぜ上に登って行った?

なぜ、鍵を閉める音に気づかなかった?

なぜ、ドアのストッパーが開いたままになっていた?


そもそもあの上は屋上だ。

移動する手段は階段しかない。

だが、あの時ずっと誰かが階段を見ていた。

誰も降りていかなかった。

どうやってあの先輩は下に降りたんだ?


あそこのトイレのドアの鍵は司書の先生がいつも持っている。

だけど今日は司書の先生は休みだから必然的に誰もあの鍵は使えない。

場所も司書の先生しか知らないから勝手に持ち出すことも難しい。

それにあの鍵はかなり大きい音が鳴るタイプだ。音に気づかないなんてありえない。

でも、鍵は開け閉めはしてなかったとしたらどうやって電気を消した?


あそこのドアはストッパーは上がドアのストッパーだ。

つまりあの時かかってなかったのはドアのストッパー。

だが。ドアのストッパーを開けたままにするなんてドアノブを捻り続けるしかない。

でも、あの時俺は触れてなかった。

あのドアノブは新品だし丸いし何かに引っ掛かるようなものではない。

つまり中から誰かがドアノブを捻っていたことになる。

じゃあ、誰が中にいたんだ?


なぜ、俺はこんな簡単なことに気づかなかった?

もしや、もっと俺の気付いてないことがあるんじゃないか?

今までの学校生活を思い出さないと。


あ、もう家だ。


「おかえりユウ君」

「ただいま」


やっと俺の部屋に着いた。

今までの学校生活で違和感は無かったか?

思い出せ。

思い出せ。

思い出せ!

何か、変なところはなかったか?

なかったか?

なかった…か?

あれ、俺の母親ってあんな声だっけ?

俺の母親って俺のことユウ君って呼ぶっけ?

そもそも、俺に母親っていたっけ?

いない。

俺の両親は中3の時に事故で死んだ。

じゃあ、あいつは。



誰だ?


◆◇◆


「おはよう天原」

「おはよ」

「登校疲れたー」

「今日物理の課題あった?」

「おう」

「てか、天原雰囲気変わったよな」

「何が?」

「なんか柔らかくなったというか違和感があるわ」

「……そうか?まあ、イメチェンってやつだな」

「そうか」






「なあ、天原」

「なんだ?」







「|今俺達ってなんの話してた《・・・・・・・・・・・・》?」








「物理の課題の話だぞ」

「お、さんきゅ」

「おう」


〜fin〜



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― 新着の感想 ―
新作ありがとうございます。 ミステリー良いですねぇ。個人的にはとある男子校シリーズ過去一だと思います。 これからも頑張ってください。
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