表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/65

ハニコの悲劇:第6話 - 何も説明しない告白

シークレット・アーク - 第6話 - [閲覧注意: MA23+]


[ナレーター:告白には二種類ある。救いをもたらすものと、許しよりも「見られること」を求めるもの。ハニコは後者を選んだ。自分という人間がなぜ「武器」になったのかを説明することは、彼が残した傷跡を少しも浅くはしない。本日、リユラはハニコを追い詰め、ハニコはミヤカに自らの出自を明かし、サブラシイは自分が地獄へ突き落とされた理由を知る。真実さえも、凶器に変わる。]


第一部:側出口の対峙

木曜日の午後、リユラはハニコを学校の側出口で待ち伏せた。

二週間にわたり温めてきた対峙。リユラはハニコの目を見て、直球で問い詰めた。「なぜ彼らだったんだ?」

ハニコの仮面が剥がれる。それは後悔や自責ではなく、長年演じ続けてきた演技に対する「疲弊」だった。


「僕と同じ血筋を持つ彼らが、僕には決して与えられなかった何かを持っているからだ。それを理解したかった」

「それが、サブラシイを昏睡させ、顔を焼き、妹を精神的に追い詰めた理由か?」

「……彼らが傷つくのを見る時だけ、僕はこの人生の支配権を握っているような気がするんだ」


ハニコの言葉は、恐ろしいほどの正直さで語られた。リユラは悟る。ハニコは止まらない。彼にとって、他人を破壊することは、幼少期に母親に捨てられた空白を埋める唯一の手段なのだ。

ハニコは最後に告げた。「ミヤカには僕から伝えるよ。君に利用される前にね。僕たちは遠い親戚なんだ」


第二部:親族という名の罠

翌朝、ハニコはロッカー前でミヤカに近づいた。

「僕たち、遠い親戚らしいんだ。調べてわかったんだよ」

ミヤカは言葉を失った。疲れ果て、誰かの温もりを渇望していた彼女にとって、「親戚」という言葉は、本来なら得られるはずのなかった安全地帯のように聞こえた。

ハニコの瞳は相変わらず空っぽだが、彼の言葉はミヤカの冷え切った心に浸透していく。彼女は戸惑いながらも、それを拒絶しなかった。拒絶する気力すら、彼女には残っていなかった。


第三部:電話越しの真実

その夜、リユラはサブラシイに電話をかけた。

「彼が、ミヤカに話した」

サブラシイは静かに、しかし冷酷なまでの理解でそれを受け止めた。自分の顔を焼き、自分を床に叩きつけた男が、自分の血を引いている。

「なぜ、そこまで執念深く……」

「彼は長く苦しんできたんだ」とリユラは言う。「だが、だからといって許されることじゃない」

サブラシイは力を込めて誓う。「必ず証明を見つける。僕は必ず完全に戻る。そして全てを終わらせる」


サブラシイは電話を切った後、隣の部屋のミヤカのもとへ向かった。彼女がどんなに複雑な思いを抱えて座っているか、想像するだけで胸が締め付けられるからだ。


エピローグ:鉛筆の先にある明日

ミヤカの部屋。机の上には鉛筆ケースがある。

彼女は「親戚」という言葉の響きの中に、奇妙な温かさを感じてしまった自分を恥じていた。ハニコは自分が一番孤独な時に、いつもそこにいた。それが毒だと知らずに。


ドアを叩く音。サブラシイが入ってくる。

「ハニコから聞いたわ」

彼女は机の上の鉛筆を指で転がす。「何かがおかしいの。でも、それを証明する力が今の私にはないの」

サブラシイは何も励まさない。ただそこに座り、彼女の沈黙を共有する。


ミヤカはスケッチブックに目を向ける。「明日、開くわ。たとえ下手でも、何か線を描く」

サブラシイは頷く。

街の反対側で、ハニコは一人、無機質な部屋でスマホを伏せて座っている。彼が作り上げた「親戚」という罠は、今、確実にミヤカの心に食い込んでいる。


一本の鉛筆の線。灯された明かり。

それはあまりに脆い希望だが、彼らはまだ、そこにいる。


[ナレーター:真実は武器になる。ハニコはミヤカという城壁を内側から崩し始めた。次回、崩壊は加速する。]


TO BE CONTINUED...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ