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第49話 - 何も求めない手紙

エピローグ・アーク - 第1話 - [閲覧注意: MA17+]


[ナレーター:ある手紙は要求を突きつけ、ある手紙は許しを乞う。そして、ある手紙は何も求めず、ただ自分が与えた傷を認め、被害者が平穏を見つけたことを願い、どれほど修復不能な傷であっても人は変われるのだと信じて届く。卒業から5年。記憶改竄の罪で服役していたレタス・ブレインが釈放された。今日、リユラ・シコのもとに、彼女からの手紙が届く。23歳になったリユラは、東京でマンガ編集者として働き、過去の亡霊ではなく自分の未来を生きている。五年前のすべてが終わった後の世界へようこそ。トラウマが現実から「記憶」へと変わる場所へ。すべての伏線を回収する、終わりの先の物語へようこそ。]


第一部:変りゆく日常

2031年3月15日。卒業から丸5年。

リユラの生活は、かつての命がけの生存とはかけ離れていた。原稿の締め切りに追われ、税金を払い、友人たちと未来を語る。赤の蝶ネクタイは引き出しの奥にしまわれ、星型の瞳も今は個性のひとつとして受け入れられている。


そんなある日、一通の小包が届いた。差出人はレタス・ブレイン。かつて彼やジミコたちの記憶を消し去り、家族を実験台として弄んだ従姉妹だ。


「……彼女、出てきたんだ」


封筒の中には、リユラ、ジミコ、ソツコたち宛の手紙が封入されていた。

レタスの手紙に書かれていたのは、許しを乞う言葉ではなく、自身の行いへの痛切な懺悔と、被害者たちの平穏を願う言葉だった。彼女は現在、電子機器の修理店で働いており、記憶操作技術とは一切関わっていないという。


第二部:それぞれの5年後

その晩、リユラはパン・キッサーのベーカリーを訪れた。経営者となったパンは、もはや生存に必死だった少年ではなく、穏やかな大人の表情を見せる。


「手紙、読んだよ」パンが言った。「怒りは消えない。でも、怒りだけで人生を埋め尽くすのも疲れたんだ」


友人たちのその後は、それぞれの道で「修復」されていた。


ミヤカ:トラウマを抱える人々を支援するソーシャルワーカーへ。


スバラシィ:ヒーロー漫画の専門学校講師として情熱を注ぐ。


シューヘッド&ソクシク:靴や靴下を食べるという「奇妙な対処法」を肯定する料理学校を経営。


ジョウユ:悲劇の役者から、トラウマを真正面から描く舞台俳優として成功。


ケイコ:完璧ではなく「誠実な」音楽を奏でるピアニストに。


ハンサム&コメディ:政府の渉外官として、能力者を搾取から守る活動に従事。


ヤカミラ:ジェレミー高校で校長と共に、能力者教育と保存技術の研究を継続。


全員が「壊れたまま」大人になり、その破片を抱えたまま、それでも社会の中で自分の居場所を見つけていた。


第三部:許しではない「受容」

土曜の夜、ミヤカのマンションで開かれた恒例の食事会。

ジミコは静かに言った。「許してはいない。でも、彼女の謝罪は受け取る。許しと受容は別物だって、今ならわかる気がする」


「僕もそうする」リユラが答えた。「『許す』と決めつける必要はない。ただ、彼女が過去の亡霊から脱出しようとしているなら、それを見守ることもひとつの道かもしれない」


リユラは夜更けに返信を書いた。

「僕は君を許したわけではない。でも、君が自分の罪に向き合い、変わろうとしているなら、それを否定もしない。僕たちは、君が奪ったものよりもずっと長い時間を、自分たちの手で作り上げた。君も、君自身の新しい物語を見つけてほしい」


手紙を投函し、彼は自分の部屋へ戻る。

窓の外には、五年前に彼らが命を懸けて守った東京の街が広がっている。


エピローグ:次なる再会

[ナレーター:手紙は届き、それぞれの心が少しだけ軽くなる。だが、物語はこれで終わりではない。かつてリユラが過去へ送った手紙により、1876年の創設者たちは死を偽装し、現代への帰還を準備している。すべてが繋がり、運命が収束する。次回:最終決戦と、創設者たちの現代への帰還。物語は、最も予想外の結末へ。]


TO BE CONTINUED...

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