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第25話 - 影の中に生きる学生

第3巻 - 第1話


[ナレーター:影の中に存在する人々がいる。フレームの外側の、カメラが焦点を合わせない空白の中に。誰かの物語の背景にぼやけて映る通行人、誰かのテーブルの端に座るエキストラ、出欠確認で決して呼ばれない名前。今日、私たちはその中の一人と出会う。そして、最も重要な物語とは、誰も注意を払っていない場所で紡がれていることがあると知ることになるだろう。]


すべてが変わった翌朝

月曜の朝は、カタストロフィの後に来る特有の重苦しさを伴ってやってきた。

ジェレミー高校はいつも通りに見えた。使い古されたレンガの外壁、少し曲がった旗竿、疲れた瞳のように冬の空を映す窓。しかし、根本的な何かが変化していた。冬のフェスティバルでの大惨事は学校の基盤にひびを入れており、誰もそれを言葉にはできなくとも、全員がそれを感じ取っていた。


リユラ・シコが門をくぐる。先週より少しだけ落ち着いた紫の髪。黄色い星のヘアクリップが朝日を捉え、赤いボウタイは相変わらず歪んでいるが、今回はどこか意図的ではないような無造作さがあった。戦場を生き延びたものの、次の戦いが来るのか確信が持てない者の表情だ。


[リユラの独白:ケイコは治療を受けている。本当の治療だ。セラピー、投薬、パフォーマンスのプレッシャーからの解放。ムザキ先生は休職中、カイジュは親戚の元で二人とも回復に努めている。みんなトラウマを「生き延びる」のではなく「向き合って」いる。いいことだ。進歩だ。なのになぜ、僕は次の不幸が訪れるのを待っているような気分なんだ? なぜ、この空気の匂いが間違っているように感じるんだ?]


ヤカミラが沈黙のまま横を歩く。だが、その冷たい灰色の瞳は、周囲をこれまで以上に鋭く警戒していた。彼は破滅の予兆となる「気圧の変化」を察知することを学んでいた。

「何かが違う」ヤカミラが静かに言う。「分かっている」リユラが応える。「みんなが見ている」「分かっている」


その通りだった。普段ならリユラを無視する生徒たちが、好奇心から憐れみに至るまでの複雑な表情で彼を見つめていた。囁き声が、振り払えない影のように彼につきまとう。

「聞いたか……」「彼の一家が……」「彼の父親について……」


リユラは拳を握りしめた。いつもの笑顔を作ろうとしたが、それはもう自分の顔に馴染まない仮面のように感じられた。校舎に差し掛かると、すぐにそれを見つけた。

自分のロッカーだ。誰かが白い封筒を貼り付けていた。名前も、マークもない。まるで爆発を待つ小さな爆弾のように、そこに置かれていた。


[ナレーター:物語において、謎の封筒は常に何かを意味する。たいていは悪いことだ。今回も例外ではない。]


リユラはそれを剥がし取った。ヤカミラの鋭い視線に気づき、足を止めて見つめる生徒たちの存在に気づき、これが何であれ事態を大きく変えるものだと確信しながら開封した。中には一枚の紙。丁寧で正確な筆致。


「君の父親の過去は、まもなく君の現在になる。覚悟しろ。彼はただの殺人者ではない。彼はより大きな何かに繋がっている。君が知っている以上の多くの人々と。誰かが君を狙っている。助けるためではない、破壊するために。だが、君は独りではない。影の中に、何が起きているかを見ている者がいる。姿を見せられずとも、君を助けたい者がいる。本能を信じろ。母親を守れ。そして何があっても、父親の秘密を知っていると主張する者を、その証明がない限り信じるな。――君のまだ会ったことのない友人より」


リユラは二度、三度と読んだ。手がわずかに震える。「何だ?」ヤカミラが聞く。リユラは無言で手渡した。ヤカミラは読み終えると、表情を曇らせた。「純粋な警告か、非常に洗練された心理的攻撃だ。おそらく、両方だろう」

「誰がこんなものを?」リユラは囁く。「僕と君以外に誰が父のことを?」

「君が思う以上に多くの人間が、どうやら知っているらしい」

チャイムが鳴り響いた――鋭く、侵入的で、学校が求める「正常」という名の演技へと二人を引き戻す。


しかし、胸ポケットに「時限爆弾」を折りたたんで入れて教室へ向かうリユラは、誰かに見られているという感覚を拭い去ることができなかった。見えない誰かに。注意の隙間に存在する何者かに。


誰も気に留めない生徒

2年B組はいつも通りの統制された混沌の中にあった。

スバラシイは週末の出来事を誰彼構わず話している(誰も聞いていない)。ミヤカはノートに複雑なシーンをスケッチしている。カートゥーン・ヘダヤミは机の上を数学的な精度で整えている。シューヘッドとソックスイクは、互いの理解を共有する快適な沈黙の中で靴を食べている。

フェスティバルの大惨事は、このグループをより強固なものにしていた。トラウマを共有した絆は、普通の友情を超えていた。


しかし、教室にはもう一人いた。常にそこにいたが、誰も気づかなかった人物が。窓際の、埃の舞う光が差し込む隅の席に、その生徒は座っていた。

特徴のない顔立ちにかかる、地味な茶色の髪。制服の上に着た色褪せたグレーのジャケット――スタイリッシュではなく、何度も洗濯されてくたびれたもの。印象にも残らない、ただの「茶色」で「普通」の瞳。


彼はノートを開き、ペンを構え、物語の背景にいるただのモブキャラクターのように静かに座っていた。名前はジミコ・ハナザワ。彼に対して個人情報を聞いた者は、これまで一人もいなかった。


[ナレーター:これがジミコだ。覚えておくように。彼は君が思う以上に重要な人物だ。彼自身が思う以上に。そして、この物語の誰もがまだ気づいていないことだが、誰よりも重要だ。]


ジミコはリユラが入室するのを見ていた。肩のわずかな緊張、笑顔がほんの少しだけ広すぎる違和感、鞄を置く時の手の震えを。

彼は手紙を受け取ったな、とジミコは思った。いい傾向だ。覚悟が必要だ。ソツコが来ている。彼が行動を起こせば、すべてが焼き尽くされる。


ジミコのペンはノートの上を走った。授業のメモではない。計画だ。助けが必要だとは気づいていない誰かを守るための。愛した従兄弟が、破滅に値しない誰かを破壊するのを止めるための計画。


臨時教師が入室した。ムザキ先生はまだ療養中で、復帰までには数週間かかるだろう。この代わりの教師は若く、神経質で、ジェレミー高校という場所が何を意味するかを理解せずに着任したようなタイプだった。

「おはよう。教科書を――」

ドアが開いた。全員が振り返る。部屋の空気が一瞬で凍りついた。


ドアに一人の学生が立っていた。長身で優雅。光を浴びて磨かれた金属のように輝く黒髪。血をも凍らせるほど冷徹な計算を宿した瞳。他校の高級で完璧に仕立てられた制服を着て、決して否定されたことがない者の傲慢さを纏っている。

捕食動物のような鋭さ。

「ああ」教師は書類を確認し、吃った。「新しい転入生ですね。ソツコ・ハキザゲ君?」


学生は微笑んだ。完璧で、そして間違いなく恐ろしい笑顔だった。

「その通りです。遅刻して申し訳ありません。少し……個人的な用事がありまして」

彼の瞳が教室を掃射し、リユラにレーザーのように焦点を合わせた。

「リユラ・シコ君。噂はかねがね。君と仲良くなるのを楽しみにしているよ」

その言い方は、礼儀に包まれた脅迫のように、リユラの全身の本能に「危険」の信号を送り込んだ。


[リユラの独白:誰だ? なぜ僕の破滅を計画しているような顔で見る? なぜ急に空気が冷たくなった? そしてなぜ……なぜ彼の顔に何かを思い出すんだ? 何かが、僕に思い出させる……]


「窓際の空席へ座りなさい」教師は緊張に気づかず言った。窓際の空席は一つしかなかった。ジミコ・ハナザワの真ん前だ。

ソツコは流れるような優雅さで歩み寄る。その瞳は、最後の一瞬までリユラを離さなかった。着席すると、彼は後ろのジミコを振り返った。視線が交差する。


ジミコの表情は慎重に中立を保たれていたが、瞳に一瞬だけ何かが過ぎった。認識、痛み、一つの視線に圧縮された複雑な歴史。

ソツコの笑顔がわずかに引き締まる。彼は前を向き、獲物を狩る直前の捕食者のように席に落ち着いた。教師は授業を始めようとしたが、誰も聞いていなかった。

誰もが、火から熱が発せられるように危険を放射する新入生に見入っていた。ジミコを除いて。彼はノートにペンを止めたまま、静かにこう記していた。


「彼が来た。終わった。本当に来てしまった」


昼休み:最初の動き

カフェテリアはいつもの統制されたカオス。すべてが極めて重要でありながら、完全に無意味であるかのような独特の雰囲気。

リユラはグループの中にいた。正常を維持し、ポケットの中の手紙や、幽霊のように視界に現れる転入生のことを考えないようにしながら、食事をとろうとしていた。


「ねえ」ミヤカが箸を置いた。「あなたを破滅させる計算をしてるみたいな銀髪の転入生について話さなきゃ。とにかく、銀髪のあいつのことよ」

「話す必要はない」リユラが言う。

「絶対にあるわ」ヤカミラが口を挟む。「休み時間に調べた。ソツコ・ハキザゲ。東京のエリート校出身。半年前、学校が詳細を明かさない『風紀上の問題』で退学。テクノロジー開発と心理学研究で知られる超富裕層の出身だ」


「不吉だな」靴を食べていたシューヘッドが指摘する。「極めて不吉だ」ソックスイクが震えながら同意する。「なぜそんな奴がジェレミー高校に転入してくるんだ?」ミヤカが首を傾げる。「うちは名門じゃないのに」


「それはね」背後から滑らかな声がした。「個人的な用事があるからだよ」

振り返ると、ソツコがランチトレイを持って立っていた。あの完璧で恐ろしい笑顔で。

「隣、いいかな?」断定形だった。

「ダメだ」リユラが平坦に答える。

「残念だね。だが座らせてもらうよ」ソツコは招かれざる客として、図々しく椅子を引いた。テーブルが沈黙に包まれる。


ソツコは一口食べ、思案げに噛んでから、真っ直ぐにリユラを見た。

「ちゃんと自己紹介しておこう。ソツコ・ハキザゲだ。僕の姉はレタス・ブレイン。君なら覚えているだろう。君のせいで今、刑務所にいる」

言葉が手榴弾のように落とされた。「僕は何も――」リユラが言いかけた。


「知っている」ソツコが遮った。「姉が自分で選んだ道だ。不健全な執着を抱き、犯罪に手を染めた。結果は受け入れた。姉の収監について君を責めるつもりはない」

彼はわずかに身を乗り出した。


「だが、君は興味深い。姉は天才だった。絶対的にね。それなのに君は姉を出し抜いた。紫色の髪と歪んだボウタイの陽気なティーンエイジャーが、記憶を消去するデバイスを使いこなす人間をどうやって倒したんだ? 姉は独自の執着のためにスマートな使い方をしていたのに。君が卓越した運を持っているのか、それとも、楽観主義という仮面の下に並外れた知性を隠しているのか。それが君だ、リユラ・シコ。気をつけたほうがいい」


彼は目を細めた。「僕はそれを確かめに来たんだ」

「あんたのゲームには興味がない」リユラの心臓は激しく打っていたが、声は安定していた。

「いや、興味があるはずだ」ソツコは応えた。「ゲームはすでに始まっている。君が思うよりずっと賭け金は大きい」

彼は立ち上がり、トレイを持ち上げた。

「ああ、リユラ。君の父親のことは知っているよ。何をしたか、誰を殺したか、誰が隠蔽に加担したかもね。すぐに――本当にすぐに――全員が知ることになるよ」


彼は去っていった。テーブルには衝撃的な沈黙が残った。ヤカミラがリユラの肩に手を置く。「兄さん――」「大丈夫だ」リユラは反射的に答えた。それから、より正直に。「大丈夫じゃない。でも、そうなる。そうしなきゃいけないんだ」


カフェテリアの向こう側、人混みに隠れてジミコ・ハナザワはすべてを見ていた。ソツコの最初の一撃を。平然を装おうとするリユラの姿を。

倒れ始めたドミノを。


リユラ、すまない、とジミコは思った。いとこがこんなことをしてすまない。公然と止められないのがすまない。君を壊しかねない事態に直面させてすまない。

でも、できる限り助ける。たとえそれが僕だと一生気づかれなくても。永遠に影の中にいても。それがすべてを失う代償だとしても。光の中にいる人々が救えないなら、影の中にいる者がやるしかない。


彼はスマホを取り出し、匿名メールアドレスに打ち込んだ。

「フェーズ1開始。ソツコが接触した。警告は届いた。次は?」

数秒後に返信が来た。

「観測を継続せよ。まだ姿を現すな。行動に移すには証拠が足りない。そしてジミコ、注意しろ。君のいとこは君の記憶よりも危険だ。感情に流されて無防備になるな。――L.B.」


イニシャルを見て、ジミコは呆然とした。レタス・ブレイン。僕のいとこ。僕の記憶を消去した本人。現在刑務所にいるのに、なぜか自分の弟からリユラを守る手助けをしている。

家族ってのは複雑だ、ジミコは苦々しく思った。僕のは、誰よりも。


彼はスマホをしまい、トレイを手に、雑踏の中へ消えた。ただの背景キャラクター。ただの影。誰も一生気づくことのない存在。


放課後:2通目の手紙

一日を終え、心の中で悲鳴を上げながら陽気な仮面を維持し、消耗しきったリユラがロッカーに戻ると、また封筒があった。同じ白い紙。同じ丁寧な筆致。


「ソツコ・ハキザゲはレタス・ブレインの弟だ。彼は復讐のために来たが、君が思うような物理的な痛みを与えたいわけではない。彼は君の名声、人間関係、陽気さという鎧を破壊したいんだ。彼は君の父親のことを知っている。いとこが数ヶ月間調査したからだ。彼は証拠を持っている。写真、証言、すべてだ。それを戦略的に一つずつ公開し、君が大切にするすべての者に真実を知らせようとしている。だが、ソツコが知らないことがある。君の父親の罪は単独の事件ではない。より大きなパターンの一部だ。組織だ。君が深く掘り下げれば、君の家族以上を破壊する繋がりが見つかる。君が信じている人々さえも。賢く、注意深くあれ。覚えておけ、僕は見ている。助けている。君が見えなくても。――君の影の友人より」


読んでいるリユラの手が震える。背後でヤカミラが静かに現れた。「またか?」リユラは手渡した。

ヤカミラは読み終えると、その分析的な脳で意味を処理した。「これを送ってくる者は知りすぎている。本当に助けようとしているか、それともソツコの心理戦の一部だ」

「あるいは両方か」リユラが呟く。

「だろうな」ヤカミラが同意した。夕暮れに沈む窓辺で、リユラは誰かが見ている重圧を感じた。


「父さんと対峙しなきゃいけない」リユラが言った。「真実を知る必要がある。事故だけじゃない、全部だ」

「危険すぎる」

「すべてが危険なんだよ。待ち続けるより、自分で危険を選ぶ方がマシだ」

ヤカミラがゆっくり頷いた。「なら二人で行く。明日、放課後だ。しっかりと答えを出す」

「ありがとう」リユラは囁いた。「兄弟だからな」


二人が出口へ向かう中、階段付近の影の中に、ジミコ・ハナザワがいた。リユラの重荷を、ヤカミラの保護を、これから起こることさえ理解していない兄弟の姿を、見守っていた。

明日、真実が明かされる。ソツコの計画、僕の家族の秘密、両親の死と君の父親を繋ぐ網。

明日、影が可視化され始める。隠れて安全にいるか、光に出てすべてを失うリスクを負うか。


彼はノートを取り出し、最後の行を書いた。


「時として、最も重要な人物は誰も見ていない者たちだ。背景のキャラクターこそが物語の全貌を知っていることもある。透明であることは、唯一の武器だ。

そして、すべてを失うことになっても、姿を現さなければならない時がある。影の中で積み上げてきたすべてを犠牲にしてでも」


校舎から生徒が消え、明かりが一つずつ消える。冬の夕闇が、問いと嵐の前の静けさのようにジェレミー高校を覆う。

物語の端っこで、ジミコ・ハナザワは決めた。リユラ・シコを助ける。たとえ破壊されても、誰も知らなくても、永遠に不可視のままでも。

ある物語は、その登場人物よりも重要だ。リユラの物語、ソツコの復讐、網の目のような汚職――これはジミコの生存よりも重要だ。


[ナレーター:こうして第3巻が始まる。陽気さがもはや守ってくれない鎧になる場所へ。背景のキャラクターが前へ出る場所へ。真実が武器になり、家族の秘密が公の知識として爆発する場所へ。誰もが頼る子供が、自分自身には助けが必要になる場所へ。そして、誰も気づかない者が、物語の最も重要な人物になる場所へ。影の中へようこそ、親愛なる読者の皆さん。光はもう、危険すぎる。ここからが、本当の物語だ。]


TO BE CONTINUED...

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