1 改造人間
これは俺たちの部隊で噂になっている話だ。
ある1人の兵士がいた。
そいつは信仰心が熱いやつで、勇者の遠征と称して侵略してくる敵軍に神の地を渡すまいと闘志を燃やしていた。
ある日兵士が街を歩いていると、燃えるような巻き毛の女に出会った。
敵を調べ上げるのを怠らなかった兵士は、着ていた鎧から女が敵国人であると気づいた。
兵士は女に声をかけた。
「そこのお嬢さん。あんた敵国から来た者だな?」
女は答える。
「ええ、そうよ。」
「悪いが俺はこの国を敵国人が歩くのを許せねぇ。俺と戦いな。」
「あら、血気盛んな殿方ね。よろしくてよ。」
兵士は女に剣を振り翳した。
女はこれを受け止め、地面を蹴り上げて砂埃を立てた。
兵士は視界を潰されが、女の剣をかわした。
しかし、背後からの攻撃を防ぐことはできなかった。
もう1人女の仲間がいたのだ。
「おい、卑怯だぞ。」
「お褒めに預かり光栄だ。」
兵士は背後から現れたもう1人の女を非難するが、女はニタリと笑った。
重傷を負わされた兵士はこれ以上反撃することができなかった。
「油断してたんじゃないのか、オリヴィア?」
「あなたに華を持たせてあげたのよ、エマ。」
女たちは楽しげに話しながら兵士をロープで縛った。
兵士は叫ぶ。
「お前たち、こんな卑怯な戦い方を神がお許しになると思うか?地獄に堕ちるぞ!」
「あら、神に許される戦い方があるとは知らなかったわ。」
「人殺しは罪なんだよ。私たちもお前も地獄に行くさ。」
馬鹿にされた兵士は怒りに震えた。
「この無礼者が!」
女は兵士の首に剣を当てる。
「まぁ落ち着けよ。私とお前、どっちが間違っているかは今にわかる。死んだらどこへ行くのかその目で確かめられるぞ。」
女の剣が兵士の首に食い込む。
「エマ、いじめるのはそこまでにしなさいな。」
もう1人の女が止めに入った。
敵に命を救われ自尊心を傷つけられた兵士は「情けなどいらない!」と言った。
女たちはそれを聞いてくすくすと笑った。
「情けなんかじゃないわよ。これからあなたには私たちのために働いてもらうのよ。」
「命と引き換えに国を裏切れというのか!裏切るくらいなら俺は国のために命を捨てる!」
「素晴らしい愛国心だな。だが、お前の意思とは関係なく裏切ることになるさ。」
「だってあなたはこれから改造されるんだもの。」
「改造…?何を言っている?」
「そのままの意味だ。お前は改造人間になるのさ。」




