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狡猾なる勇者  作者: H2O
第六章
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6 ノアの推理

「わざわざ来たんだから感謝してよね、ルーカス。」


ノアが到着したのは早朝だった。 

眠たげに目をこすりながら小型飛行機から降りてきた。

その後ろから同じく眠そうなエマが降りてくる。


「アイリス、お前飛行機の運転荒いな。振り落とされるかと思ったぞ。」


エマに文句を言われたアイリスは、「辺境伯の飛行機が旧型だったせいだ。」とすねる。

そんなアイリスを見て、アリスは「弟がすまないな。」と頭をさげた。


「ずいぶん疲れてるねぇ、エマ。」


エマはナターシャに「一晩中こいつらの喧嘩に付き合わされたんだよ。」と答えた。


「別に喧嘩してない。」と顔を背けるアイリスと黙り込むノア。

2人は同じ年頃だからなのか愛称が悪いらしい。


「ナターシャ、ベッドを貸してくれないか?」


エマの頼みをナターシャは快く了承した。


「早く休むといいよ。ハーブティーを淹れてやろうかい?」


「いつもすまないな。」


エマはぐっと伸びをして、「悪いが私は休ませてもらうからな。」とナターシャと共に部屋へ行った。

アリスは「おれも操縦で疲れたし寝たい。」と言うアイリスに仕方ないといった様子で部屋を貸した。


「エマが休むんだし、余計なことするのはよく考えた後にしたら?」


ノアに言われた俺は頷くしかなかった。




「どうやって犯人を調べるか考えてたの?」


我が物顔で俺の部屋のソファでくつろぐノアの質問に黙り込む。

そんな俺にノアは目を瞑ったまま「そんなことだろうと思ったよ。」と言った。


「そもそもなんで犯人があの会場に入れたのかわからない。

全ての入り口には門番がいた。招待客じゃなきゃ中へは入れないし、あんな不審な人物なら止められるだろ。」


シャンデリアを落下させるまで騒ぎが起こらなかったのだから、犯人は誰にも見つからずに会場に侵入したのだ。

しかし門番の目を掻い潜って入り口からの侵入は不可能。

窓からよじ登って侵入しようとしても、会場内の多くの招待客に気づかれないはずがない。


ノアは意外なことを言う。


「最初から中にいたんじゃないかな。」


「どういうことだよ。」


「会場に忍び込んだんじゃなくて、犯人はもともと会場にいたんだよ。」


「犯人の狙いは俺だとお前は思ってるんだろ。」


「それは間違いない。だけど計画的な犯行とは思えない。もし最初からルーカスを殺すつもりなら、気づかれる前に背後から撃てばよかった。

犯人はそうしなかった。

ルーカスに会ってしまったから突発的に殺そうとしたんじゃないか。」


「本当にそんなことあるのか?」


「まぁ、確証があるわけではないんだけど。

犯人があの列車事故を生き延びた人物だと仮定するならそれが一番筋が通る。

事故が起こったのは内陸側の国境付近の谷。

そこから逃げて敵国に渡ってきて、あの会場に隠れてたんじゃないか。

パーティー会場の建物のような建築物には貯水のための広い地下空間がある。

忍び込むことさえできれば身を潜めることも不可能じゃない。」



もしそうなら、あの仮面の人物はいまも会場の地下に潜んでいるんだろうか。



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