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狡猾なる勇者  作者: H2O
第二章
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5 対談



「わざわざ会いに来ていただきありがとう。こちらが探していたというのにご足労をかけた。」


「無問題!王の息子であらせられるルーカス様が騎馬の王を探していると聞いたから、我も会いたくて飛んで来たのさ。」


向かいのソファーに座るユーシェンは常に笑顔でし表情からは何を考えているのか読めない。


俺はユーシェンを船の応接室に通してもてなしていた。最大級のもてなしをしなければならない。ここで下手を打てば面子が潰れる。貴族社会とはこういうものだ。


「失礼、お茶の準備が出来ましたのでお持ちしました。」


ポットと3段の皿がのったトレーを持ったエマが部屋に入って来る。


「来ていただいたうえ、うちの使用人を助けていただいたんだ。どうかもてなさせてくれ。」


俺はユーシェンに紅茶と菓子をすすめる。

給仕はエマに任せている。

エマは元々、王族の側で世話をしながら護衛をする騎士であるから、こういった役割には向いている。

もてなしの作法も仕込まれている上、いざとなれば戦える。



「ルーカス様は、勇者の遠征に行かれたと聞いたよ。どうして騎馬の王を探していた?」


ユーシェンの質問に冷や汗が伝う。


「そんなこともご存じなのですね。」


「騎馬の民は耳が早いのさ!」


こちらの情報は握られているのに、俺が得ている騎馬の民の情報は少なすぎる。かなり不利な状況だ。


「目的地へ向かう前に、ぜひ騎馬の王にご挨拶したく、探しておりました。」


「それはそれは。光栄だよ。」


ユーシェンはニィと笑う。

ユーシェンは食えない男だ。敵陣に飛び込んできたのはそちらなのに、俺の方が追い詰められている。


ユーシェンは表情を変えないまま、「ルーカス様に恐れ多くもひとつ頼みがあるんだ。」という。


「私ににできることなら何なりと。」


「勇者の遠征には、浄化の力を持つ少年が同行しているらしいじゃないか!彼を連れてぜひ我ら騎馬の民の宴に来てくれないか?」



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