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プロローグ:東京クライシス



西暦20XX年、東京——


その夜、東京湾の水平線が歪んだ。


光り輝く高層ビル群の間で、無数のホログラム広告が宙を舞い、空には無人の監視ドローンが飛び交っていた。夜の帳が降りた首都は、まるで近未来都市の理想形のように輝いていた。しかし、その静寂は次の瞬間、音を立てて崩れ去ることになる。


——異常振動、発生。

——東京湾、海面上昇。

——原因不明の熱源、確認。


中央管制システム「オルフェウス」は即座にアラートを発し、警戒態勢を発動した。だが、その「異常」はすでに手遅れの段階に達していた。


黒い影が、海面を割って現れた。


それは、怪物だった。


東京タワーを超える巨体。

黒曜石のような装甲に覆われた異形の姿。

鈍い青白い光を放つ無数の目。


管制システムは即座に解析を試みたが、その生物のデータはどこにも存在しなかった。未知の生命体。それは、地球上のどんな生物とも異なる、まったく新しい「災厄」だった。


怪獣「アバドン」。


第一撃が放たれたのは、午後11時45分。


怪物の咆哮が轟くと同時に、強大なエネルギー波が周囲を薙ぎ払い、東京湾の水が蒸発する。数秒後、湾岸地区のビル群がなぎ倒され、爆風が港区全体を飲み込んだ。


——東京、崩壊の始まり。


政府は緊急事態を宣言し、無人兵器部隊を出動させた。最新鋭のドローンと自律型戦闘機が次々と展開されるが、怪獣の前ではまるで紙くずのように粉砕されていく。


「……なんだ、これは……」


ビルの屋上からその光景を見つめていた男、天城レンは言葉を失っていた。


彼はただのジャーナリストだった。

ほんの数時間前まで、政府の新プロジェクトについての調査記事を書いていたにすぎない。


だが、今——

彼の目の前で、東京が沈んでいく。


これは、偶然ではない。


レンの脳裏に、数年前に取材した極秘施設の記憶がよみがえる。

政府が隠していた「ある研究」……まさか、あれが……?


そのとき、スマートデバイスに通知が届いた。


——「プロジェクト・ネメシスを調べろ。」


送信者不明。

だが、このメッセージこそが、東京、及び世界の未来を左右する鍵だった。


戦いは、すでに始まっている。

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