タイトル未定2024/08/13 23:02
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無神戦記~主にメインストーリー関係~
こっちはまとめたもの。
一部、他のエピソードと共通のものがあります。
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蒼生大和。
草薙はある人物との会談に赴いていた。
「元気そうでなによりだ。君の活躍には助けられているよ」
志公方秀世。
崩壊した日本の政治を握るフィクサーは静かにそう語った。
草薙とは数多の
「影武者か?」
「本物だよ。『私』としてはそう伝えておこう」
「そうだな。政治家は相手が望む事をいうもんだしな」
「信頼してくれたまえ。それに……」
世間話をするようにつづける。
「これ以上、君に影武者を殺されたくはないのでね」
「……あんたが『第六』の時のような事をすれば話は別だ」
「どっちの『第六』の事かな?信長かな?それとも……」
「…………」
草薙の無言の圧が志公方を貫く。
志公方は嘆息し柔和に微笑んだ。
「気持ちはわかるが、そう警戒されると悲しくなってしまうよ。私としては君と話すのは心地いいんだ」
欠片も悲しそうでない柔和な微笑み。だが言葉には真実の響きがあった。
「よく言うよな。理由は……」
「信頼できるからさ。日本を守るために戦っている。その一点において、ね」
「あんたは政治家だ。そんなやつ周りにたくさんいるだろう?」
「欠片も信じてない事を言うのは君の悪い所だね。今の政治家が民を守り、外敵と戦う気概があるとでも?」
「信じたいね」
「信じてないね」
志公方は笑った。
「だからこそ君は戦っている。ゆえに私は味方でありたいと思っているのだよ」
「ちゃんとした味方だと、ありがたいんだがな」
「なぁに、長い間『ベトレイヤー』と協力関係を築ける君なら問題ないさ」
「信用できる答弁だ。一ミリも誠意がない」
だが彼なりに正直に答えだというのもわかっていた。
「政治家だからね」
普通のおっさんのように笑った。
当たり前のように、微笑み。
――政治家だからね。
ずっと、長い時、彼はこうしてきたのだろうと、そう思わせる笑みだった
「では暖かく、親交を深めたところで……」
「本題に入ろう」
そして宙空に戦略図が浮かび上がった