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第1話

   

 私の家から最寄り駅までは、徒歩で10分くらい。そのちょうど中間地点に、行きつけのスーパーがある。

 全面が赤茶色が塗られた壁に、「尾塚屋」と書かれた白い看板と、くすんだ青色の布製ひさし。派手な色合いではないけれど、両隣はもっと地味な民家なので、近づけばそれなりの存在感。周りに他の商店もないような住宅街の真ん中に、ポツンと建っているスーパーだった。

 店名からもわかるように、大手のフランチャイズではない。昔ながらの個人経営のスーパーであり、お揃いの紺色エプロンをつけたご主人と奥さんが、

「毎度どうも!」

「いつもありがとうございます!」

 いつも入口近くのレジに待機して、明るく元気に挨拶してくる。

 肉や魚も扱っているが、野菜や果物の方が充実しているので、おそらく元々は八百屋だったのだろう。だんだん他の品物も扱ううちにスーパーになったに違いない、と私は勝手に想像していた。


 3年前の春には、駅から5分ほど歩いた辺りに、全国規模の大手スーパーも開店したのだが……。私の家からは、ちょうど駅の反対側。そこまで行こうと思ったら、駅の構内を突っ切って北口から南口へ出るか、あるいは少し遠回りして踏切を渡る必要がある。

 だからそちらを利用するのは車で遠出した帰りに立ち寄る程度で、いつもは(もっぱ)ら「尾塚屋」で買い物を使い続けていた。

 その日も私としては「いつも通り」のつもりで……。

   

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