『予想外の来客』
「見えてきたよ!! 私たちのギルドハウス!!」
大急ぎで帰った私たちは、1時間くらいでギルドハウスに到着した。
全速力で飛べば5分も掛からないうちに到着するが、人間の身体には負荷が大きすぎるので少し速度を落としている。
「立派な家だね」
ギルドハウスを見て、アルンフィードが笑みを浮かべる。
「元々はゴーストハウスだったんだけど、私とアメルとサツキの3人でピッカピカにしたんだ。忙しい大掃除だったよ」
「すっごく忙しかったけど、楽しかったよねえ。みんなでメイド服着てねえ。今度はエーテルノちゃんも一緒にやりたいねえ」
「エーテルノ様の重力魔法があれば、大掃除が楽になりますね」
「過労死する未来しか見えねえですよ」
エーテルノの重力魔法は、掃除にはもってこいである。重い物をスイスイと運べるし、手も汚れない。戦闘ヨシ掃除ヨシの超便利魔法だ。
「君ら仲いいよね。出会ってどれくらいなの」
「私とカレンとサツキちゃんは3カ月経つか経たないかくらいだよね。エーテルノちゃんとは1カ月ちょっとくらいだよね」
「まだそんだけしか経ってなかったですか。ずっと昔からつるんでいたみてえですよ」
「ふふっ」
笑い合う私たちを見て、くすりと笑うアルンフィード。
「アルンフィード、どうしたの」
「みんなにも教えてあげたいなってね。カレイアは感情の無い殺戮兵器なんかじゃなくて、楽しい時は笑う1人の天使なんだってことを」
「嬉しいこと言うじゃん」
私は殺戮天使なんかじゃない。冒険者のカレンだ。楽しい時は笑うし、悲しい時は泣くし、腹が立った時は怒るし、1人の人間として生きている。
「さて、おしゃべりはそのへんにして、そろそろ世界地図を取りに行くですよ」
「ちょっと待ってね、リュックから鍵を取り出すから」
エーテルノに言われ――
アメルはリュックの中に手を入れると、ギルドハウスの鍵を取り出した。
「じゃあ、開けるね」
ドアに近づいて――
鍵を差し込もうとした時、私の魔力感知が反応する。
「待って、ギルドハウスの中から魔力反応がする」
「え?」
微弱な魔力反応。
集中していなかったとはいえ、この距離に来るまで私の魔力感知に引っかからなかった。
非常に優れた魔力隠蔽技術である。
「魔力反応なんて感じねえですが」
「私もまったく」
「気づかなくて当然だよ。めちゃくちゃレベルの高い魔力隠蔽技術だから。アメル、私がドアを開けるよ」
「うん、お願いカレン」
不意打ちを警戒しつつ、私はゆっくりと鍵を回した。
音を立てないようにしてドアを開けると、私は『銀ノ焔』をいつでも起動できる状態にしてギルドハウスに入る。リビングへと続く、いつもの廊下。足音を立てないように、そろりそろりと歩いていく。
――そして。
リビングへと突入した私が見たものは、怪我を負った水色の髪の少女。魔界の序列5位――『氷魔』サレヴィアだった。
「サレヴィア!?」
ボロボロになった青いワンピース。頭からも血を流しているが、裂傷が特にひどい。肩から腰までをやられていたり、脇腹をやられていたり、早く治療しなければマズい。
「カレイア!! 助けて!!」
重傷にもかかわらず、ふらつきながら私に駆け寄ってくるサレヴィア。
「サ、サレちゃん!? その傷どうしたのさ!?」
「ア、アルンフィード……!? アンタ、どうしてカレイアと……うぐっ!!」
「サレちゃん!!」
倒れようとしたサレヴィアを、アルンフィードがなんとか受け止める。
「お願い、カレイア助けて……!!」
「話は後だ、まずは傷の治療だよ。出血がひどい」
「タオルを持ってきたですよ。これで傷口を押さえるですよ。傷がとにかくひでえですね、早く回復させねえと」
「アタシはいいの!! アタシじゃなくて!!」
泣きそうな顔で、サレヴィアがソファーを指差した。
視線を送ると、そこには全身に大怪我を負った金髪の女性が寝かされていた。3対6枚の黒翼。漆黒の天輪。
彼女こそ、魔界の序列2位――『時間』ルーワカである。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!
出ました。
とうとう出ましたよ、ルーワカ。
大怪我を負っていますが、どういうことでしょうか。
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